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三上延さんが「横溝正史」幻の小説『雪割草』の謎に迫る! 発見者・山口直孝さんとの対談をWebで公開

『ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~』(著:三上延さん/イラスト:越島はぐさん)

『ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~』(著:三上延さん/イラスト:越島はぐさん)

三上延さんによる古書ミステリシリーズ「ビブリア古書堂の事件手帖」が再始動し、
約2年ぶりとなる新刊『ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~』が7月18日にKADOKAWAより刊行されました。

本作のテーマは、一冊まるごと「横溝正史」。実際に2017年に二松学舎大学によって発見された、幻の小説『雪割草』をめぐる謎となっており、古書の世界の最新情報に触れる点も読みどころです。

そこで、本書の発売を記念して、実際に幻の小説『雪割草』を発見した二松学舎大学文学部教授にして、横溝研究の第一人者・山口直孝さんと、著者の三上延さんとの対談を文芸WEBマガジン「カドブン」(https://kadobun.jp/)で公開されています。なお、カドブンでは現在、最新作の試し読みも公開中です。

さらに、公式サイト(https://biblia.jp/)には、最新刊の人物相関図と100秒でわかる『ビブリア古書堂の事件手帖』動画も公開中です。

 

三上延(小説家)×山口直孝(二松学舎大学文学部教授)対談 カドブンにて、公開中!

『ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~』刊行を記念して、著者の三上延さんと、横溝研究の第一人者・山口直孝さんの対談が実現。小説家と研究者、それぞれの視点から見た横溝正史とは? 対談の一部を以下に紹介します。

(※以下、敬称略)

撮影:小嶋淑子/構成:皆川ちか

撮影:小嶋淑子/構成:皆川ちか

なぜ『雪割草』を取り上げたのか?

三上:山口先生には昨年秋に取材をさせていただきましたね。2018年に、横溝正史が戦時中に書いたという新聞連載小説『雪割草』が初めて単行本化され、その存在を突き止めたのが山口先生であると知って、お話を伺うならこの方だと思ったのです。その節は大変お世話になりました。

山口:実はあのとき『雪割草』を題材にした小説を書きたいとお聞きしても、ぴんとこなかったんです。私の専門分野は近代小説で、普段は資料を調べて作家とその作品の過去の足跡を辿っています。自分の研究が今現在の、リアルタイムで書かれる小説とどうつながるのかが、よくのみこめていませんでした。

三上:そうですよね。実は僕も山口先生にお会いするまでは、次回は『雪割草』をメインにして横溝正史を扱おう、くらいにしか決めていなかったんです。

山口:そもそも、なぜ横溝正史を扱うにあたって『雪割草』を選ばれたのですか。

三上:専門家の方の前でこんなことを言うのも口幅ったいですが(苦笑)、横溝は非常に有名な作家ではありますが、世代によって認知のされ方がだいぶ異なると思うのです。1970年代の横溝正史ブームを記憶している世代なら、代表作はだいたい知っていると思います。だけどそれより下の世代からは、『金田一少年の事件簿』の主人公のおじいちゃんだな、なんて誤解されていそうな気もして。

山口:私の教えている大学生には、両方いますね(笑)。

三上:さらにもっと若い世代になると、横溝正史という名前だけは知ってるけれど、具体的には何も知らないくらいになっているんじゃないかなあ、と。イメージのばらつきが激しい作家だと思うんです。その中でどの作品を取り上げるかとなると非常に難しくて。それと、ミステリー作品を取り上げたらネタバレになってしまいかねないという危惧もありました。

山口:そうでしたか。『雪割草』は横溝が書いた唯一の家庭小説ですからね。ある意味、異色作ともいえる。ミステリーではないけれど、達者な話で読ませますね。

三上:ええ、驚きました。推理小説じゃないんだ……と、ちょっぴり残念な気持ちで読みはじめたのですが、これがすごくおもしろい。こういうのも書ける人なんだと、改めて横溝の凄さを思い知りました。

 
※対談全文は、文芸WEBマガジン「カドブン」(https://kadobun.jp/feature/talks/2py6bax0tdes.html)をご覧ください。

 

この世に存在しないはずの本が盗まれた――? 文芸WEBマガジン「カドブン」にて『ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~』試し読みも公開中!

★試し読み第1回:https://kadobun.jp/trial/bibliakosho2/6k9io30h0kw8.html

【あらすじ】

ビブリア古書堂に舞い込んだ新たな相談事。それは、この世に存在していないはずの本――横溝正史の幻の作品が何者かに盗まれたという奇妙なものだった。

どこか様子がおかしい女店主と訪れたのは、元華族に連なる旧家の邸宅。老いた女主の死をきっかけに忽然と消えた古書。その謎に迫るうち、半世紀以上絡み合う一家の因縁が浮かび上がる。

深まる疑念と迷宮入りする事件。ほどけなかった糸は、長い時を超え、やがて事の真相を紡ぎ始める――。

 
<100秒でわかる『ビブリア古書堂の事件手帖』>

 

著者プロフィール

著者の三上延(みかみ・えん)さんは、1971年神奈川県横浜市生まれ。10歳で藤沢市に転居。市立中学から鎌倉市の県立高校へ進学。大学卒業後、藤沢市の中古レコード店で2年、古書店で3年アルバイト勤務。古書店での担当は絶版ビデオ、映画パンフレット、絶版文庫、古書マンガなど。

2002年に電撃文庫『ダーク・バイオレッツ』でデビュー。2011年に発表した「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズは累計700万部を突破するベストセラーになり、TVドラマ化、実写映画化、コミカライズ、スピンオフ小説などのメディアミックス展開もされている。

 

ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~ (メディアワークス文庫)
三上 延 (著)

シリーズ累計700万部の人気古書ミステリ、最新作は丸ごと「横溝正史」!

 
【関連】
人気シリーズ再始動!一冊まるごと「横溝正史」がテーマの最新作を著者と横溝研究者が深堀!? 『ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~』刊行記念対談 | カドブン
『ビブリア古書堂の事件手帖』公式サイト

 


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