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【訃報】ドイツの作家・ペーター・ヘルトリングさんが死去 『風に向かっての旅』『ヒルベルという子がいた』など

ドイツの作家で詩人のペーター・ヘルトリングさんが7月10日、ドイツ・リュッセルスハイムで死去しました。83歳。

 
ペーター・ヘルトリングさんは、1933年、東部ケムニッツ生まれ。新聞記者、雑誌の編集者を務めながら詩や小説を発表し、1970年頃から子ども向けの作品を書き始めました。

著書に、『ヨーンじいちゃん』『ひとりだけのコンサート』『屋根にのるレーナ』『風に向かっての旅』『ヒルベルという子がいた』『おばあちゃん』など多数。

 

ヒルベルという子がいた (現代の翻訳文学( 3))
施設で暮らすヒルベルと呼ばれている男の子。ヒルベルの深い喜びや恐れは、誰にも理解されない。社会の不条理を鋭くつく作品。

 
ヨーンじいちゃん (現代の翻訳文学(28))
頑固で心やさしいヨーンじいちゃんと暮らし始めてから、毎日はらはらすることばかり。ユーモアたっぷりに老人の命の輝きを描く。

 
ひとりだけのコンサート
父の失業で壊れそうな家族のために、13才の少女は地下街でヴァイオリンを弾く。家族とは、親子の絆とは何かを問いなおす作品。

 
おくればせの愛
ハーモニカを買おうと小銭をもちだした幼いペーター。その罰として彼を完全に無視する父。幼年時代の些事を軸に多感な息子と内面的な父親の姿を執拗に追いながら、次第に父への愛を自覚する作家の精神の自伝。『ヒルベルという子がいた』などで知られる児童文学作家ヘルトリングが自分の創作活動の根底にある〈わだかまり〉を直視しようと試みた作品。

 


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