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【第24回手塚治虫文化賞】高浜寛さん『ニュクスの角灯』がマンガ大賞を受賞 新生賞に田島列島さん、短編賞は和山やまさん『夢中さ、きみに。』

朝日新聞社は4月28日、第24回手塚治虫文化賞の受賞作品・受賞者を発表しました。

 

第24回手塚治虫文化賞が決定!

第24回手塚治虫文化賞の各賞が、次の通り決定しました。

 
<第24回手塚治虫文化賞 受賞作品・受賞者>

■マンガ大賞(年間のベスト作品)

高浜寛(たかはま・かん)さん
『ニュクスの角灯(ランタン)』(リイド社)

『ニュクスの角灯』(c)高浜寛/リイド社

『ニュクスの角灯』(c)高浜寛/リイド社

■新生賞(斬新な表現、画期的なテーマなど清新な才能の作者)

田島列島(たじま・れっとう)さん

『水は海に向かって流れる』『田島列島短編集 ごあいさつ』(講談社)などで、家族や男女の機微を柔らかな絵と言葉で表現する独自性に対して

『水は海に向かって流れる』(c)田島列島/講談社

『水は海に向かって流れる』(c)田島列島/講談社

■短編賞(短編、4コマ、1コマなどが対象)

和山やま(わやま・やま)さん
『夢中さ、きみに。』(KADOKAWA)

『夢中さ、きみに。』(c)和山やま/KADOKAWA

『夢中さ、きみに。』(c)和山やま/KADOKAWA

■特別賞(マンガ文化の発展に寄与した個人・団体)

長谷川町子(はせがわ・まちこ)さん

生誕100年を迎えた今も愛される作品の力とマンガ文化への貢献に対して

『サザエさん』(c)長谷川町子美術館

『サザエさん』(c)長谷川町子美術館

選考委員は、秋本治さん(漫画家)、杏さん(俳優)、桜庭一樹さん(小説家)、里中満智子さん(漫画家)、中条省さん(学習院大学フランス語圏文化学科教授)、南信長さん(マンガ解説者)、みなもと太郎さん(漫画家・マンガ研究家)、ヤマダトモコさん(マンガ研究者)、中村史郎さん(朝日新聞社執行役員編集担当)、
山口進さん(朝日新聞東京本社編集局長補佐〈前東京本社文化くらし報道部長〉)。

なお、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、6月に都内で予定されていた贈呈式は延期となりました。

 

手塚治虫文化賞について

手塚治虫文化賞は、日本のマンガ文化の発展・向上に大きな役割を果たした手塚治虫さんの業績を記念し、手塚さんの志を継いでマンガ文化の健全な発展に寄与することを目的に、朝日新聞社が1997年に創設したものです。

昨年刊行された単行本(シリーズ作品も含む)を対象に、8人の社外選考委員によるポイント投票(持ち点15点、最高5点は1作品のみに配点可)と、書店員・マンガ関係者による推薦をもとに10作品が選ばれました。

もっとも優れた作品に与えられる「マンガ大賞」のほかに、清新な才能を顕彰する「新生賞」と、短編・4コマ・1コマなどを対象とする「短編賞」、マンガ文化の発展に寄与した個人・団体に贈る「特別賞」があります。
受賞者には、鉄腕アトム像と賞金(大賞200万円/その他100万円)、賞状が贈られます。

鉄腕アトム像

鉄腕アトム像

 

ニュクスの角灯 1 (SPコミックス)
高浜寛 (著)

1878年(明治11年)、動乱の幕末は遠ざかり、長崎では海外貿易で莫大な利益を得る商人が多く現れはじめていた。

西南戦争で親を亡くした少女・美世(みよ)は奉公先を求めて鍛冶屋町の道具屋「蛮」(ばん)の扉を叩くが、そこで彼女を待っていたのは、店主・小浦百年(こうら・ももとし)がパリ万博で仕入れてきた最先端の品々と、それらに宿るベルエポックの興奮と喧騒だった……

ジャック・ドゥーセのドレス、ダニエル・ペーターのミルクチョコレート、シンガー社のミシン、セーラー服、エジソンの蓄音機、革ブーツ、眼鏡、幻灯機(マジック・ランタン)……
先進と享楽の都・パリ渡来からやってきた”夢の品々”に導かれ、少女はまだ見ぬ世界へ歩み出す……

水は海に向かって流れる(1) (KCデラックス)
田島 列島 (著)

「俺がいなければ、この人の肩が濡れることはなかったのに」

高校への進学を機に、おじさんの家に居候することになった直達。だが最寄の駅に迎えにきたのは見知らぬ大人の女性の榊さん。
案内された家の住人は26歳OLの榊さんと、なぜかマンガ家になっていたおじさんの他にも女装の占い師、メガネの大学教授と、いずれも曲者揃いの様子。

ここに高校1年生の直達を加えた男女5人での一つ屋根の下、奇妙な共同生活が始まったのだが、直達と榊さんとの間には思いもよらぬ因縁が……。

久しぶりに始動した田島列島が自然体で描くのは、家族のもとを離れて始まる、家族の物語。

夢中さ、きみに。 (ビームコミックス)
和山 やま (著)

気になる君はうしろの席に――。

古屋兎丸先生も夢中!?
「ずっとワヤマさんのツイッターやピクシブで漫画やイラスト拝見してました。
実は隠れファンなんです!
古屋兎丸」

WEBなどで噂の作品たちが待望のコミックス化。
話題の作品「うしろの二階堂」は全ページ加筆修正のうえ、30ページ以上の描き下ろし続編を収録。

サザエさん 1巻サザエさん 1巻
長谷川町子 (著)

27年ぶりに復刊!!
長谷川町子 生誕100年記念
みんなが待っていた、オリジナル版『サザエさん』がパワーアップして戻ってきました!

昭和21年(1946年)~昭和49年(1974年)に『夕刊フクニチ』『朝日新聞』などで連載され、長谷川町子が設立した出版社『姉妹社』で刊行された『サザエさん』全68巻。
「復刊してほしい」という多くのファンからの声に応え、姉妹社解散後、入手困難だった幻のオリジナル版をさらにパワーアップし、復刊します!
大人には懐かしい!お子さまでも楽しめる!

【特徴1】新聞掲載日が付いています
オリジナル版には掲載されていなかった新聞掲載日が付き、その当時の出来事や生活、季節の移り変わりもよく分かります。昭和世代の方々にはご自分の思い出と重ね合わせて読むことができ、いろんな記憶が呼び起こされること間違いなしです。

【特徴2】注釈も付いています
令和の時代となり、洗濯板や紙芝居など今では見られない光景が鮮やかに描かれているのも『サザエさん』の魅力です。当時を知らない人にも漫画の面白さをより伝えるべく、巻末に注釈がついています。時事的な出来事も分かり、生活史だけでなく昭和史も学べます。

 
【関連】
高浜寛「ニュクスの角灯」がマンガ大賞 手塚治虫文化賞:朝日新聞デジタル

 


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