【訃報】スペインの作家・ゴイティソーロさんが死去 『サラエヴォ・ノート』など
戦後スペインを代表する作家で、『サラエヴォ・ノート(Cuaderno de Sarajevo)』などで知られるフアン・ゴイティソーロ(Juan Goytisolo)さんが4日、居住先のモロッコ・マラケシュで死去しました。86歳。
フアン・ゴイティソーロさんは、1931年にスペイン東部のバルセロナで出生。スペインが内戦中だった幼少期に、フランシスコ・フランコ総統を支持する陣営が行った空爆で母親を亡くしています。1950年代半ばからパリに亡命し、フランコ政権を批判する文筆活動を続けました。1990年代にモロッコに移住。
1954年に『手の遊戯』で小説家としてデビュー。1990年代に内戦があったボスニア・ヘルツェゴビナの悲惨な光景を描いた『サラエヴォ・ノート』が大きな反響を呼びました。2014年には”スペイン語圏のノーベル賞”と言われるセルバンテス賞を受賞。
著書に『嵐の中のアルジェリア』『パレスチナ日記』『戦いの後の光景』など。
サラエヴォ・ノート
93年夏、サラエヴォを訪れそこで遭遇した破滅的な世界の光景を描き、大きな反響を得たルポルタージュをまとめたもの。この町の悲劇は終わっていない。包囲され、脅かされ、分割の危機に瀕している。文学者から世界への言葉。
93年夏、サラエヴォを訪れそこで遭遇した破滅的な世界の光景を描き、大きな反響を得たルポルタージュをまとめたもの。この町の悲劇は終わっていない。包囲され、脅かされ、分割の危機に瀕している。文学者から世界への言葉。