【第22回野間文芸翻訳賞】村上春樹さん・東野圭吾さん作品翻訳者ウルズラ・グレーフェさんと大江健三郎さん作品翻訳者ノラ・ビーリッヒさんが受賞
講談社は4月16日、優れた翻訳をした者に贈られる第22回野間文芸翻訳賞の受賞者を発表しました。
第22回野間文芸翻訳賞が決定!
第22回野間文芸翻訳賞の受賞者は、次の通りです。
なお今回の対象言語はドイツ語です。ドイツ語が対象となるのは1999年以来2回目。
■第22回野間文芸翻訳賞
◎ウルズラ・グレーフェ(Ursula Graefe)さん
◎ノラ・ビーリッヒ(Nora Bierich)さん
ウルズラ・グレーフェさんは、1956年生まれ。フランクフルト出身。今回、村上春樹さん『1Q84』(新潮社)および東野圭吾さん『容疑者 X の献身』(文藝春秋)の翻訳を中心とする永年の業績を評価され受賞となりました。なお、川上弘美さんや小川洋子さんの翻訳も手掛けています。
ノラ・ビーリッヒさんは、1958年生まれ。大江健三郎さん『取り替え子(チェンジリング)』(講談社)の翻訳を中心とする永年の業績を評価され受賞となりました。三島由紀夫さん、柄谷行人さんらの作品も手掛けています。
選考委員は、松永美穂さん(早稲田大学教授・翻訳家)、高橋慎也さん(中央大学教授)、ドゥッペル メヒティルドさん。(上智大学教授)。
贈呈式は2019年10月17日にドイツ・フランクフルトで開催。
野間文芸翻訳賞について
野間文芸翻訳賞は、講談社が創業80周年を記念して1989年に創設。日本文化の海外への紹介および国際相互理解の増進に寄与することを目的に、戦後(1945年以降)の日本の文学作品を外国語に翻訳、刊行した作品の中から、最も優れた翻訳をした者に贈られる文学賞です。隔年開催。
受賞者には、正賞として賞状、副賞として10,000米ドルが贈られます。
1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉前編 (新潮文庫) 村上 春樹 (著) 1Q84年――私はこの新しい世界をそのように呼ぶことにしよう、青豆はそう決めた。Qはquestion markのQだ。疑問を背負ったもの。彼女は歩きながら一人で肯いた。好もうが好むまいが、私は今この「1Q84年」に身を置いている。私の知っていた1984年はもうどこにも存在しない。……ヤナーチェックの『シンフォニエッタ』に導かれ、主人公青豆と天吾の不思議な物語がはじまる。 |
容疑者Xの献身 (文春文庫) 東野 圭吾 (著) 第134回(平成17年度下半期) 直木賞受賞 運命の数式。命がけの純愛が生んだ犯罪。 東野圭吾作品読者人気ランキング第1位。累計220万部突破、直木賞受賞の大ベストセラー。 天才数学者でありながら不遇な日々を送っていた高校教師の石神は、一人娘の美里と暮らす隣人の花岡靖子に秘かな想いを寄せていた。 ある日、靖子の前夫・富樫が母娘の居場所を突き止めて訪ねてきた。金を無心し、暴力をふるう富樫を、靖子と美里は殺してしまう。 呆然とする二人を救うために、石神は完全犯罪を企てる。 だが皮肉にも、石神と帝都大学の同期であり、親友である物理学者の湯川学がその謎に挑むことになる。 ガリレオシリーズ初の長編。第134回直木賞受賞作。第6回本格ミステリ大賞受賞。2005年度の国内の主要ミステリランキング「本格ミステリ・ベスト10」「このミステリーがすごい! 」「週刊文春ミステリベスト10」すべてにおいて1位獲得、エドガー賞(MWA主催)候補作にもなった。日本では福山雅治主演で映画化、韓国、中国でも映画化。舞台化もされた。 |
取り替え子 (講談社文庫) 大江 健三郎 (著) 国際的な作家古義人(こぎと)の義兄で映画監督の吾良(ごろう)が自殺した。動機に不審を抱き鬱々と暮らす古義人は悲哀から逃れるようにドイツへ発つが、そこで偶然吾良の死の手掛かりを得、徐々に真実が立ち現れる。ヤクザの襲撃、性的遍歴、半世紀前の四国での衝撃的な事件…大きな喪失を新生の希望へと繋ぐ、感動の長篇! “まだ生まれて来ない者”たちへの希望を拓く、感動の長篇小説 チェンジリング【Changeling:英】 |
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▼2019年度(第22回)「野間文芸翻訳賞」決定のお知らせ〔PDF〕