トーハンが3月期月間ベストセラーを発表 樹木希林さん『一切なりゆき』が3ヶ月連続1位
書店取次大手のトーハンが、2019年3月期の月間ベストセラーを発表しました。1位には樹木希林さん著『一切なりゆき 樹木希林のことば』(文藝春秋)がランクインしています。
【2019年3月期月間ベストセラー(トーハン調べ)】〔敬称略〕
★印は初登場 ☆印は再登場
1位 『一切なりゆき 樹木希林のことば』樹木希林 著/文藝春秋
2位 『樹木希林 120の遺言 死ぬときぐらい好きにさせてよ』樹木希林 著/宝島社
3位 『妻のトリセツ』黒川伊保子 編著/講談社
4位 『ゼロトレ』石村友見 著/サンマーク出版 ☆
5位 『医者が考案した「長生きみそ汁」』小林弘幸 著/アスコム
6位 『すぐ死ぬんだから』内館牧子 著/講談社
7位 『メモの魔力 The Magic of Memos』前田裕二 著/幻冬舎 ☆
8位 『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド 著/日経BP社
9位 『ノースライト』横山秀夫 著/新潮社 ★
10位 『日本国紀』百田尚樹 著/幻冬舎
11位 『麦本三歩の好きなもの』住野よる 著/幻冬舎 ★
12位 『探偵チームKZ事件ノート 学校の影ボスは知っている』藤本ひとみ 原作、住滝 良 文、駒形 絵/講談社 ★
13位 『遊☆戯☆王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ 公式カードカタログ ザ・ヴァリュアブル・ブック(21)』Vジャンプ編集部 編/集英社 ★
14位 『お金の流れで読む 日本と世界の未来 世界的投資家は予見する』ジム・ロジャーズ、大野和基 訳/PHP研究所
15位 『おしりたんてい みはらしそうの かいじけん』トロル 作・絵/ポプラ社
16位 『宝島』真藤順丈 著/講談社
17位 『英単語の語源図鑑』清水建二、すずきひろし 著、本間昭文 イラスト/かんき出版 ☆
18位 『おしりたんてい あやうし たんていじむしょ』トロル 作・絵/ポプラ社 ☆
19位 『デスマーチからはじまる異世界狂想曲(16)』愛七ひろ 著/KADOKAWA ★
20位 『東大ナゾトレ 東京大学謎解き制作集団AnotherVisionからの挑戦状(8)』東京大学謎解き制作集団AnotherVision 編/扶桑社 ★
「求めすぎない。欲なんてきりなくあるんですから」心に沁みる希林流生き方のエッセンス!
2018年9月15日、女優の樹木希林さんが永眠されました。樹木さんを回顧するときに思い出すことは人それぞれです。古くは、テレビドラマ『寺内貫太郎一家』で「ジュリー~」と身悶えるお婆ちゃんの暴れっぷりや、連続テレビ小説『はね駒』で演じた貞女のような母親役、「美しい方はより美しく、そうでない方はそれなりに……」というテレビCMでのとぼけた姿もいまだに強く印象に残っています。近年では、『わが母の記』や『万引き家族』などで見せた融通無碍な演技は、瞠目に値するものでした。まさに平成の名女優と言えるでしょう。
樹木さんは活字において、数多くのことばを遺しました。語り口は平明で、いつもユーモアを添えることを忘れないのですが、じつはとても深い。彼女の語ることが説得力をもって私たちに迫ってくるのは、浮いたような借り物は一つもないからで、それぞれのことばが樹木さんの生き方そのものであったからではないでしょうか。本人は意識しなくとも、警句や名言の山を築いているのです。
それは希林流生き方のエッセンスでもあります。表紙に使用したなんとも心が和むお顔写真とともに、噛むほどに心に沁みる樹木さんのことばを玩味していただければ幸いです。