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『すべての働く人のための新しい経営学』MBA式の経営学には「限界」がある!学生バイトから経営者まで、あらゆるビジネスの見え方を変える入門書

三谷宏治さん著『すべての働く人のための新しい経営学』

三谷宏治さん著『すべての働く人のための新しい経営学』

三谷宏治さん著『すべての働く人のための新しい経営学』が、ディスカヴァー・トゥエンティワンより刊行されました。

 

ビジネスアワード2冠『経営戦略全史』著者が19歳に経営学を教えたら

本書は、KIT虎ノ門大学院教授で、『経営戦略全史』などのベストセラーで知られる三谷宏治さんが、女子栄養大学で開講した「基礎経営学入門」をもとに書籍化したものです。

 
経営学を専攻していない大学生たちに理解してもらうために三谷さんが考えたのは、学問視点で「専門分野別」になってしまっている経営学を、ビジネスを構成する4つの要素で「目的別」に再構築するというもの。

この「新しい経営学」により、事業をマネジメントする人が実践的に使える学問として経営学を学び、どんな人でも「経営視点」を手に入れることができるのです。

そうして、女子栄養大学での講義を始めて4ヶ月経った頃、学生たちから次のような反応が上がるようになったといいます。

「お店に行ってもモノを簡単に買えなくなった。ダマされないぞって思います」
「バイト先(チェーン店)でよく本部のヒトが来て話をするんですけど、意味あるんだなってわかってきました」
「やっぱり店長次第ですよねえ。店長がわかってないとなにしてもダメ」
「いまのバイト先にあと3年勤めるつもりなので、つぶれては困ります。最近はヒマな時間帯のお客さんを大切にするようになりました。長居しててもすぐお水を足しに行きます!」

 
経営学を専門的に学んでこなかった19歳の学生たちが、「新しい経営学」によって経営学の基礎と本質を掴むことができた――。このとき得た感触をもとに、三谷さんは本書の原稿を一気に書き上げたそうです。

 

ビジネスモデルの4要素とは?

 
(1) ターゲット(狙うべき相手)

ビジネスとはその活動によって利益を上げる存在。であれば、事業には必ずその商品やサービスの利用者や対価の支払者がいて、それらがその事業のターゲット(標的)となる。

 
(2) バリュー(ターゲットに提供する価値)

なぜその商品が使われ、対価を支払ってもらえるかといえば、それは価値があるから。

 
(3) ケイパビリティ(バリューをターゲットにどう提供するか)

商品を開発したら営業・販促をかけて受注し、部材を調達、生産・配送して、最後は集金、アフターサービスまで行わなくてはならない。多くの人や設備(経営資源)に支えられた、膨大なオペレーションが関わる。そこに十分なノウハウや工夫がなくては、結局は競争に負けてしまう。

 
(4) 収益モデル(対価とコストは見合っているか)

(1)(2)(3)が揃っても、コスト以上の対価を得られなければ、事業は永続的には回らない。その算段が収益モデル。

 

「新しい経営学」は、MBAの限界を超える

事業経営とは、その事業分野において自社独自のビジネスモデルをつくりあげ、それを回していく活動にほかならないと、三谷さんは言います。

したがって、ビジネスモデルの4要素が何で、どうつながっていて、それをどうやったらよりよくできるのかを学ぶことで、学生でも経営者でも、自分が関わるビジネスの本質を理解し、それを改良していくことができるようになる、つまりは経営学を体得できるようになるというわけです。

言い換えれば、「目的別」の新しい経営学は、MBA式の経営学における各専門分野と次のように連関していると言えます。

◎ターゲットやバリューを定めるために、経営戦略論とマーケティング論を学び
◎ケイパビリティの設計とその実現のために、人・組織論とオペレーション論を学び
◎収益モデルをつくり上げていくために、アカウンティング論をさらに学ぶ

 

本書の構成

序章 経営学の全体像とこの本での学び方

1章 ターゲット:誰を狙う?

2章 バリュー:提供価値は何?

3章 ケイパビリティ:どうやって価値を提供する?

4章 収益モデル:どうお金を回す?

5章 あと3つ:事業目標、共通言語、IT・AI

補章 ミクロ経済学基礎と経営戦略史

 

三谷宏治さん プロフィール

著者の三谷宏治(みたに・こうじ)さんは、KIT(金沢工業大学)虎ノ門大学院 教授。

東京大学 理学部物理学科卒業後、BCG、アクセンチュアで経営戦略コンサルタントとして活躍。2003年から2006年までアクセンチュア戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。

2006年から教育の世界に転じ、子ども・保護者・教員向けの授業・講演に注力。年間1万人以上と接している。現在、KIT(金沢工業大学)虎ノ門大学院 教授の他、早稲田大学ビジネススクール/女子栄養大学 客員教授、放課後NPOアフタースクール/NPO法人3keys 理事、永平寺ふるさと大使を務める。

著書多数。2013年に出版された『経営戦略全史』はビジネス書2冠を獲得した。3人娘の父で、小学校PTA会長も務めた。

 

新しい経営学
三谷 宏治 (著)

あらゆるビジネスの見え方が変わる!
“専門分野の寄せ集め”だった経営学をビジネスの目的別に再構築した画期的入門書

■経営学をビジネスモデルで理解する「常識破り」の入門書
そもそも「経営学」という学問は、「経営戦略」や「マーケティング」「アカウンティング」「ファイナンス」「人・組織」「オペレーション」といった専門分野の集合体です。
それゆえ、経営学の「入門」をうたっている本はどれも、各分野の寄せ集めでしかなく、経営学がわかりにくい原因となっていました。

本書は、そうした経営学“入門書”の「常識」を打ち破るもの。
「ターゲット」「バリュー」「ケイパビリティ」「収益モデル」という、現実のビジネスを構成する4つの要素から経営学を「目的別」に理解してしまおうという前代未聞の試みが結実したものです。

この4要素が組み合わさることで、「ビジネスモデル」が成立します。
ビジネスモデルは、事業を統合的に運営していくために欠かせない「経営視点」。
事業運営を任されたビジネスパーソンも、アルバイトをする学生も、会社そのものを経営する経営者も、誰にとってもためになる、面白く学べて実践できる画期的な一冊が、ここに誕生しました。

 


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