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【第6回河合隼雄物語賞・学芸賞】物語賞は松家仁之さん『光の犬』、学芸賞は鶴岡真弓さん『ケルト再生の思想』が受賞

第6回河合隼雄物語賞および第6回河合隼雄学芸賞の選考会が5月30日、京都市内で開催され、受賞作品が決定しました。

 

第6回河合隼雄物語賞・学芸賞 受賞作品

第6回河合隼雄物語賞および第6回河合隼雄学芸賞の受賞作品は次の通りです。

 
■第6回河合隼雄物語賞
松家仁之(まついえ・まさし)さん
『光の犬』(新潮社)

■第6回河合隼雄学芸賞
鶴岡真弓(つるおか・まゆみ)さん
『ケルト再生の思想 ハロウィンからの生命循環』(筑摩書房)

 
物語賞を受賞した松家仁之さんは、1958年生まれ。1982年、新潮社に入社。新潮クレスト・ブックス、季刊誌『考える人』を創刊。『芸術新潮』編集長などを務め、2010年退職。2012年、長篇小説『火山のふもとで』で読売文学賞、2017年『光の犬』で芸術選奨を受賞。

学芸賞を受賞した鶴岡真弓さんは、1952年生まれ。早稲田大学大学院修了。立命館大学教授を経て、現在は多摩美術大学教授、同大学芸術人類学研究所・所長。専門はケルト芸術、芸術文明史など。

なお、松家仁之さんと鶴岡真弓さんには記念品および副賞100万円が贈られます。

 
※授賞理由や受賞の言葉など詳細は、
物語賞:http://www.kawaihayao.jp/ja/prize/prize-1886.html
学芸賞:http://www.kawaihayao.jp/ja/prize/prize-1884.html
をご覧ください。
また、正式な受賞の言葉や選評は『新潮』8月号(7月7日発売)誌上で発表されます。

 

河合隼雄物語賞・学芸賞について

河合隼雄さんは、臨床心理学者で、京都大学名誉教授、文化庁長官などを歴任。臨床心理学にとどまらず、日本文学をはじめ、児童文学、絵本、神話、昔話などの研究に取り組みました。

河合隼雄物語賞および河合隼雄学芸賞は、その河合隼雄さんの遺志を受け継ぎ、現代社会を生きる人びとのこころを豊かにし、日本文化の発展に寄与することを目的として設立された河合隼雄財団が主催。

 
物語賞は、人のこころを支えるような物語をつくり出した優れた文芸作品に与えられる賞で、児童文学もその対象としています。
選考委員は、上橋菜穂子さん、小川洋子さん、後藤正治さん、中島京子さん。

学芸賞は、優れた学術的成果と独創をもとに、様々な世界の深層を物語性豊かに明らかにした著作に与えられる賞です。
選考委員は、岩宮恵子さん、中沢新一さん、山極寿一さん、鷲田清一さん。

両賞とも、選考は1年ごとに行われ、毎年3月からさかのぼって2年の期間内に発表・発行された作品を選考対象とします。

 

光の犬
北の町に根づいた一族三代と、そのかたわらで人びとを照らす北海道犬の姿。信州・追分に生まれ、助産婦となって道東の町・枝留にやってきた祖母。戦前に隆盛をきわめた薄荷工場の役員である祖父。川釣りと北海道犬が趣味の生真面目な父。子どもたちを頼みに生きる専業主婦の母。幼なじみの牧師の息子と恋をする歩。レコードと本に没頭する気難しい始。いずれも独身のまま隣に暮らす、父の三姉妹。祖母の幼少時である明治期から、50代になった始が東京から帰郷し、父母と三人のおばたちの老いにひとり向きあう現在まで、100年にわたる一族の、たしかにそこにあった生のきらめきと生の翳りを、ひとりひとりの記憶をたどるように行きつ戻りつ描きだす、新作長篇小説。

 
ケルト 再生の思想――ハロウィンからの生命循環: ハロウィンからの生命循環 (ちくま新書)
近年、急速に広まったイヴェント「ハロウィン」。この祭りに封印されたケルト文明の思想を解きあかし、古代ヨーロッパの精霊を現代へよみがえらせる。

 
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