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台湾ハードボイルド『台北プライベートアイ』文庫化&続篇『DV8』刊行記念!紀蔚然さん来日イベントが続々!

文藝春秋は5月上旬に台湾生まれのハードボイルド小説『台北プライベートアイ』を文庫化し、同月24日には続編となる『DV8 台北プライベートアイ2』も刊行しました。

これを記念して、著者・紀蔚然さんの来日&イベント開催も決まりました。

 

「台北プライベートアイ」シリーズについて

劇作家で大学教授だった呉誠(ウー・チェン)は50歳を前に路地裏に私立探偵の看板を掲げたが、やがて台北中を震撼させる連続殺人事件に巻き込まれ、己の冤罪をはらすために素人探偵ながら活躍。

――探偵vs犯人のスリリングなストーリー展開と、シニカルなモノローグや丁々発止の会話で話題となった『台北プライベートアイ』は、台北国際ブックフェア大賞を受賞。2021年に邦訳が刊行されると、日本でも第13回翻訳ミステリー大賞とファルコン賞(マルタの鷹協会日本支部主催)を受賞しました。

 
それから3年。今回刊行される『DV8 台北プライベートアイ2』では、台北市郊外の風光明媚な街・淡水に舞台を移します。台北から移り住んだ呉誠は、近所のバー「DV8」に入り浸り、魅力的な女性マスターのエマをめぐり常連仲間とつばぜり合い。

そこに若い女性がやって来て、幼い頃に別れたきりの男の子を探してほしいとの依頼が。男の子の母親は連続殺人犯に殺され、その時2人は現場のすぐ近くで遊んでいたという。事件は容疑者死亡のため捜査終了したものの、違和感を抱いた呉誠はその真相究明に乗り出します。はたして20年前の事件の真相とは――。

 

著者プロフィール

 
■紀蔚然(き・うつぜん)さん

紀蔚然さん

紀蔚然さん

1954年生まれ、台湾・基隆出身。輔仁大学卒業。アメリカのアイオワ大学で博士号を取得。台湾大学戯劇学系(演劇学部)名誉教授。2013年に国家文藝賞(演劇部門)を受賞。舞台演劇の脚本を多数発表。

2011年、推理小説『台北プライベートアイ』(原題『私家偵探』)を発表。現在までにフランス、韓国、イタリア、トルコ、タイ語版及び中国語簡体字版などが刊行されている。
2021年3月、『私家偵探』シリーズ第2部『DV8』を発表。

 
■訳:舩山むつみ(ふなやま・むつみ)さん

東北大学文学部(フランス文学専攻)、慶應義塾大学法学部(政治学専攻)卒業。日経国際ニュースセンター、在日スイス大使館科学技術部などを経て、翻訳者に。

訳書に『ジャック・マーの生声』『2000年前からローマの哲人は知っていた 選ばれる方法』(ともに文響社)、『7つの階級――英国階級調査報告』(東洋経済新報社)、第9回日本翻訳大賞を受賞した『辮髪のシャーロック・ホームズ 神探福邇の事件簿』(文藝春秋)など。全国通訳案内士(英語・中国語・フランス語)。

 

紀蔚然さん来日イベントを開催

『DV8 台北プライベートアイ2』刊行にあわせ、台湾文化センターの協力で著者の紀蔚然さんが来日し、下記のイベントが行なわれます。

 
◆6月6日(木)18時半~ 誠品生活日本橋 イベントスペース「FORUM」にて

『DV8 台北プライベートアイ2』刊行&『台北プライベートアイ』文庫化記念
台湾ハードボイルドの傑作はいかにして生まれたのか?

【出演】紀蔚然さん、杉江松恋さん(文芸評論家)

元劇作家で大学教授だったという異色の経歴を持つ私立探偵を主人公に据えた作品はいかにして生まれたのか?
古今東西のミステリー小説に精通する文芸評論家の杉江松恋さんを聞き手に迎え、作者の紀蔚然さんに『台北プライベートアイ』シリーズの創作の舞台裏や今後の構想、愛読するミステリー作品、影響を受けた作家などについて大いに語っていただきます。
トークショーの後でミニサイン会も開催。オンラインでの視聴も可能です。

★詳細:https://www.eslitespectrum.jp/news/9f7cfd57-538d-445c-9ac5-012d89ed8530

 
◆6月8日(土)14時~ 東京堂書店 神田神保町店6階 東京堂ホールにて

『DV8 台北プライベートアイ2』刊行&『台北プライベートアイ』文庫化記念
ハードボイルドと台湾の街

【出演】紀蔚然さん 舩山むつみさん(翻訳者)

ハードボイルドにおいて物語の舞台となる街の魅力は読みどころの一つですが、探偵・呉誠は台北の街はずれから郊外の風光明媚な「台湾のベニス」こと淡水にお引っ越し。行きつけのバー「DV8」の美人マスターなど、新たな仲間たちと事件に立ち向かいます。
「台北プライベートアイ」シリーズで描かれた台北、淡水の魅力を、自らも取材に訪れた翻訳者の舩山むつみさんを相手に、著者にじっくり語っていただきます。
舩山さん撮影の現地の写真も多数ご披露。トークの後、サイン会も予定しています。

★詳細:http://www.tokyodo-web.co.jp/blog/?p=23326

 
◆6月9日(日)14時~ 紀伊國屋書店新宿本店 9階イベントスペースにて

『DV8 台北プライベートアイ2』刊行&『台北プライベートアイ』文庫化記念
台湾ハードボイルドと華文ミステリーの現在

【出演】紀蔚然さん 阿津川辰海さん(作家)

台湾発のネオ・ハードボイルド小説は、なぜ日本のミステリーファンの心を掴んだのか? 『台北プライベートアイ』を高く評価する阿津川辰海さんをお迎えし、同シリーズの読みどころや創作秘話、そして近年勢いを増す華文ミステリーの魅力と可能性について、著者の紀蔚然さんと語り合っていただきます。
トークショーの後でサイン会も開催します。

★詳細:https://store.kinokuniya.co.jp/event/1715595480/

 

著者コメント

私の小説『台北プライベートアイ』が、日本の読者にこんなに愛していただけるとは思いもしませんでした。

私が初めて日本を訪れたのは 1984年、妻との2回目の新婚旅行で、京都と東京で過ごしました。当時、私たちは貧しい学生で、一晩5ドルの寺院に宿泊したものです。あれから40年が経ち、私は大学教授も退職しましたが、作家としてこの地を訪れることができて大変光栄に思います。

子供の頃、父が雑誌「文藝春秋」のページをめくっていたのを覚えています。まさかそれから何十年も経って、同じ出版社から私の小説が出版されるとは! ミステリー作家は決して偶然を信じないと言われますが。

東京で皆さんにお会いできるのをとても楽しみにしています。

――紀蔚然さん

 

台北プライベートアイ (文春文庫)
紀 蔚然 (著), 舩山 むつみ (翻訳)

劇作家で大学教授でもある呉誠(ウ―チェン)は若い頃からパニック障害と鬱に悩まされてきた。ある日、日頃の鬱憤が爆発して酒席で出席者全員を辛辣に罵倒してしまう。恥じ入った呉誠は芝居も教職もなげうって台北の裏路地・臥龍街に隠棲し、私立探偵の看板を掲げることに。

にわか仕立ての素人探偵は、やがて台北中を震撼させる六張犂(リョウチャンリ)連続殺人事件に巻き込まれる。呉誠は己の冤罪をはらすため、自分の力で真犯人を見つけ出すことを誓う。
監視カメラが路地の隅々まで設置された台北で次々と殺人を行う謎のシリアルキラー〈六張犂の殺人鬼〉の正体は?

探偵VS犯人のスリリングなストーリー展開と、ハードボイルド小説から受け継いだシニカルなモノローグ、台湾らしい丁々発止の会話。

台湾を代表する劇作家が満を持して放った初めての小説は台湾で話題を呼び、台北国際ブックフェア大賞などを受賞。フランス、イタリア、トルコ、韓国、タイ、中国語簡体字版が刊行された。

2021年に邦訳が刊行されると日本でも話題を呼び、2022年には第13回翻訳ミステリー大賞とファルコン賞(マルタの鷹協会日本支部主催)のダブル受賞を果たした。

DV8 台北プライベートアイ2
紀 蔚然 (著), 舩山 むつみ (翻訳)

台北郊外の街・淡水に引っ越した私立探偵の呉誠は、人捜しをきっかけに20年前に容疑者死亡で幕を閉じた連続殺人事件の真相に迫る。

 
【関連】
トークイベント「台湾ハードボイルドの傑作はいかにして生まれたのか? 」|誠品生活日本橋
2024年6/8(土)14:00~ 『DV8 台北プライベートアイ』刊行&『台北プライベートアイ』文庫化記念(ともに文藝春秋刊) 紀蔚然さん・舩山むつみさんトークイベント     『ハードボイルドと台湾の街』 | 東京堂書店 最新情報
【9階イベントスペース】《台湾文化センター×紀伊國屋書店共同企画》『DV8 台北プライベートアイ2』刊行&『台北プライベートアイ』文庫化記念 台湾ハードボイルドと華文ミステリーの現在 | 紀伊國屋書店

 


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