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人気ライター嘉島唯さんデビュー短編集『つまらない夜に取り残されそうで』が刊行

人気ライター嘉島唯さんのデビュー短編集『つまらない夜に取り残されそうで』が小学館クリエイティブより刊行されました。

オンラインプラットフォームnoteで5万人から支持される嘉島唯さんがnoteで発信した記事に、cakesでの人気連載「匿名の街、東京」を加えて大幅アップデート。さらに、書き下ろし原稿も多数加えた短篇集です。

 

アラサーになると誰もがぶつかる「安定をとるか、刺激をとるか問題」に迫った一冊

「お前はつまらない男にひっかかって、いずれこの業界から消える。俺はそういう女をたくさん見てきた」

本書に登場する女性の主人公が年上から浴びせられたこの言葉。男女を問わず30歳前後になると、結婚、育児、キャリア…人生におけるあらゆる岐路に立たされます。とくに女性が選択を迫られがちなのが、「やりたいこと」をとるか、「安定した生活」をとるか。

 
「結婚や育児を選択するなら、女性は社会から“退場”しなければならない」「やりたいことをしたいなら、生活は犠牲に」といった価値観が未だに世間には残っており、本書は、そんな二択で揺れる若者男女を描いた作品です。

SNSで他の家庭の幸せそうな投稿を見て鬱々とする独身アラサー男子、“社会”に入った友達を見て寂しく思う女性…リアルすぎるストーリーの数々に、共感が止まらない一冊です。

 

解釈が読者の手に委ねられた新感覚の短篇集

本書は「恋と友情」「東京」「労働と自立」の三テーマに分かれており、各テーマに沿った10ページ前後のショートストーリーを綴った短篇集です。ノンフィクションとフィクションを曖昧にしており、捉え方は読者の自由です。連作やつがいとなる話もありますが、どこから読んでも楽しめます。

 
【章立て】

第一篇「恋と友情」
 きみも「卒業」してしまうのか/アラサー、恋人ができない、わからない…etc.

第二篇「東京」
 匿名性をくれる街、東京/「面白いヤツ」になりたかった…etc.

第三篇「労働と自立」
 お前はつまらない男にひっかかって、この業界から消える/女子大生からの説教/20代 前半、生きづらかったのは、何故

 

著者コメント

cakesで連載させてもらっていた『匿名の街、東京』が、サービス終了から約2年、ようやく1冊の本になりました。この連載は、チェーン店が並べられたコンクリートの埋立地出身の自分が、12歳で地元に限界を感じ、東京の学校に通い始めたところからスタートしています。上京物語だと、東京で素敵な仲間に出会い、成長していくのでしょうけれど、人生はそんなにうまくいかない……。「東京にいても、何かを手に入れられない」ことを日々実感しています。そういう「◯◯未満」の話がメインです。SNSや実社会で「手に入れられている側」を見ると、劣等感が芽生えることもありますが、何も手に入れられていないのは、自分だけじゃないんだなぁと思っていただけると嬉しいです。

 

著者プロフィール

嘉島唯(かしま・ゆい)さんは、新卒で通信会社に営業として入社、ギズモードを経て、ハフポスト、バズフィード・ジャパンで編集・ライター業に従事。現在はニュースプラットフォームで働きながら、フリーランスのライターとしてインタビュー記事やエッセイ、コラムなどを執筆。フィクション・ノンフィクション問わず、東京で生きる独身男女の姿を描いた作品が人気を博す。

2024年2月にデビュー作『つまらない夜に取り残されそうで』を出版。

 

つまらない夜に取り残されそうで
嘉島 唯 (著)

刺激をとるか、安定をとるか。

「面白い仕事のためなら、生活や人間性は捨てなくてはいけない?」
安定したら面白くなくなるなんて、その人がつまらない人間だったにすぎないのだ。

いつまでも子どもの私を置いて君は「大人」になっていく。
結婚、育児、安定…社会のレールに乗り損ねたわたしたちに“人権”はあるのか。
SNSで他の家庭の幸せそうな投稿を見て鬱々とする独身アラサー男子、会社からドロップアウトした20代女子…都会に生きる男女のリアルすぎる短篇集がここに。

 


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