第7回斎藤茂太賞受賞作『ホームレス女子大生川を下るinミシシッピ川』佐藤ジョアナ玲子さん〈自由旅行〉第2弾『ホープレスinドナウ川』が刊行
旅行記の文学賞「第7回斎藤茂太賞」を受賞した『ホームレス女子大生川を下るinミシシッピ川』の著者・佐藤ジョアナ玲子さんが贈る、涙と笑いがたっぷり詰まった第2弾旅行エッセイ『ホープレスinドナウ川 世界の川を下る旅 ヨーロッパ編』が報知新聞社より刊行されました。
ホームレスの次はクビ? 夢も希望もなくした“ホープレス”ドナウ川を一人下る
前回のミシシッピ川下りで「剥製職人」という新たな夢を得て、米国の地で仕事にまい進していた著者。生まれて初めて「このまま一生、働いてもいい!」と思える職場に出会え、一目ぼれした彼とのプライベートも充実していたのに、転機は突然やってきます。
職場を「クビ」になったのです。著者に落ち度があったわけではなく、単純にビザの問題からだったのですが、クビには変わりありません。このままでは米国にも留まれない。それなら「結婚もありかなあ」と淡い期待を抱いていたけれど、彼からは「幸せは自分の中に見つけないといけない」と言われただけ。もう、どうすれば……。
「あれ? 無職なら旅に出られるじゃないの!」
テレビ番組「激レアさんを連れてきた。」に出演するなど話題の著者
ひらめいてしまったら、止まれない。仕事も恋もいったん忘れて、ヨーロッパ10カ国を流れるドナウ川をひと漕ぎ、のカヤック旅に乗り出しました。
真冬のドイツから黒海に向かい、さらに東西文明が交わるトルコへ。米国内を漕いだ前回とは異なる、国境をいくつも越えながらの旅は困難も多かった分、楽しさも気付きの数もケタ違い。
著者が旅路の果てに見た景色は、どんなものだったのか。今もなお世界を揺らし続けている「国境」の意味、そしてそれを巡る各国の歴史、そこに住む人々の想いが、胸に迫りまする。
カラー8ページで紹介されているカヤック旅の光景は楽しく美しく、“おまけ”の東南アジア自転車旅も面白さ満載。普通の海外ツアーではなかなかできない珍しい旅を、読むだけで追体験できる一冊に仕上がっています。
なお、カバーは著者の友人で画家の小俣花名さんの書き下ろしです。
本書の目次
はじめに
第一部 西ヨーロッパ 編
ドナウ川の禁じられた新国家
無職になって
ドナウ川はなかなか流れない(ドイツ)
レーゲンスブルクの人間流しそうめん(ドイツ)
パッサウとドナウの旅人
ウィーンで貧乏を考える(オーストリア)
コラム「節約料理は調味料から」
初めてなのに懐かしい町(スロバキア)
コマールノで困るのは(スロバキア)
ブダペストと船の家(ハンガリー)
コラム「ハンガリーのどろぼう市」
行くなと言われた町パクシュ(ハンガリー)
コラム「ハンガリーのホームレス事情」
第二部 東ヨーロッパ 編
ブコバルと廃墟群(クロアチア)
リベルランドの秘密とエコビレッジ
ノビサドの酔っ払いたち(セルビア前編)
旧ユーゴスラビア
ジェルダップを越えろ(セルビア後編)
スマホより正確な腹時計
ドナウを空から見下ろして
アウトドアとラグジュアリーの両立
ビディンの宴会文化(ブルガリア)
ルゼのヨット乗り
フルショバと根無し草(ルーマニア)
別れのトゥルチャ
黒海の色は何色か
帰り道
イスラム教国とあの約束
仏教国と自転車旅行
あとがき
著者プロフィール
佐藤ジョアナ玲子(さとう・じょあな・れいこ)さんは、1996年生まれ、東京都港区出身。日比ハーフ。都立工芸高校卒業後、生物学を志し米・ネブラスカ州に大学留学。
コロラド州とニュージーランドの剥製工場で職人修行。現在はドナウ川下りの体験がきっかけでハンガリーに建築留学をしている。
ホープレスinドナウ川 佐藤ジョアナ玲子 (著) 高校卒業後に単身渡米し、色々あってホームレスとなった女子大生時代に、カヤック・テントに10万円を握りしめ、単独で北米・ミシシッピ川のおよそ3000kmの川下りを敢行。 |
<既刊>
ホームレス女子大生川を下る―inミシシッピ川 佐藤 ジョアナ玲子 (著) 訳あって単身異国の地に渡った著者のノンフィクション冒険記。ワクワクとドキドキが詰まった一冊です。 <目次> |
◆【第7回斎藤茂太賞】佐藤ジョアナ玲子さん『ホームレス女子大生 川を下る inミシシッピ川』が受賞 旅の魅力を伝える優れた書籍を選出した第4回「旅の良書」も発表 | 本のページ