踏まれても抜かれても「そんなの関係ねぇ!」雑草芸人・小島よしおさん×植物学者・稲垣栄洋さん『雑草はすごいっ!』が刊行
稲垣栄洋さん・小島よしおさん共著『雑草はすごいっ!』がPHP研究所より刊行されました。
しぶといイメージの雑草は、実は弱い植物です。ライバルのいない場所を見つけては生き残り、生物多様性を守り高めてきました。この生存戦略の体現者として、芸人の小島よしおさんに注目したのが、雑草生態学を専門とする植物学者の稲垣栄洋さんです。「一発屋」から「子どものカリスマ」へと独自のポジショニングで芸能界を生き抜く戦略が、「まさしく雑草芸人」だと絶賛しています。本書は、学者と芸人の草思草愛コンビによる、雑草的生き方エッセイです。
芸能界での居場所を作った雑草戦略
雑草は競争に弱い植物です。でも、踏まれたり、抜かれたり、刈られることには強く、公園の端っこやアスファルトの割れ目など、ライバルのいない場所を見つけて生き残っています。
このことを稲垣栄洋さんの著書『弱者の戦略』(新潮新書)で知った小島よしおさんは、自分は雑草と同じだと気づきました。海パンスタイルもフレーズネタも子ども向けの単独ライブも、「誰もやってないことは、逆にチャンスなんだ」と確信したのです。
今回の共著ではネタ切れの不安もあったという小島さんですが、稲垣栄洋さんにかかれば、自分の行動や考え方が、ことごとく雑草の習性や戦略に当てはまることに驚いています。芸能界で居場所を作ることができた理由も「腑に落ちた」と述べ、本書「おわりに」では、雑草芸人として胸を張ります。
自分だけじゃなくて、みんなに当てはまるんじゃないかな
植物や生物の生存戦略は、何億年という長い時間をかけてトライアンドエラーを繰り返して淘汰されてきました。つまり、明確な成功事例ばかりだということです。本書の制作過程で小島さんは、稲垣さんの解説が「自分だけじゃなくて、みんなに当てはまるんじゃないかな」という思いを強めました。
<本書「おわりに」より>
雑草の生き方というのは、きっと我々人類のお手本とすべき生き方になるのではないか。
居場所をそれぞれ探して、楽しく暮らせるんじゃないか。
(中略)
多様性がテーマのこれからの世の中に、ジャストフィットするであろう雑草イズムが、この本を通して一人でも多くの皆さんに届くことを切に願います。
【本書で紹介する雑草イズム】
雑草イズムは、がんばり方がわからなくなったときや、生きづらさを感じたときの、生きるヒントです。
◇予測不可能な環境では、小さなタネをたくさんばらまくことが大切
◇植物は環境を受け入れて、自分を変えていく
◇「得意なところ」の周辺に「ナンバー1になれそうな場所」がある
◇競争しない努力もある
◇自分が伸びていく方向が間違いなく「前」なのである
◇大切なことは誰かより優れていることではなく、誰かとは違うこと
著者プロフィール
■稲垣栄洋(いながき・ひでひろ)さん
農学博士、植物学者。1968年生まれ、静岡県出身。静岡大学大学院教授。岡山大学大学院農学研究科修了後、農林水産省、静岡県農林技術研究所等を経て現職。
主な著書に、『弱者の戦略』(新潮選書)、『面白くて眠れなくなる植物学』(PHP文庫)、『生き物の死にざま』(草思社文庫)、『はずれ者が進化をつくる』(ちくまプリマー新書)、『大事なことは植物が教えてくれる』(マガジンハウス)、『子どもと楽しむ草花のひみつ』(エクスナレッジ)、『面白すぎて時間を忘れる雑草のふしぎ』(王様文庫)、『植物に死はあるのか』(SB新書)、『手を眺めると、生命の不思議が見えてくる』(家の光協会)、『雑草学研究室の踏まれたら立ち上がらない面々』(小学館)などがある。
■小島よしお(こじま・よしお)さん
芸人。1980年生まれ、沖縄県出身。早稲田大学在学中にコントグループ「WAGE」でデビュー。2006年より、ピン芸人として活動。2007年に「そんなの関係ねぇ!」で大ブレーク。年間100本以上の子ども向け単独ライブを行い、“日本一子どもに人気のお笑い芸人”として活躍している。
主な著書に、『おっぱっぴー小学校算数ドリル』(KADOKAWA)、『小島よしおのボクといっしょに考えよう』(朝日新聞出版)などがある。
雑草はすごいっ! 稲垣 栄洋 (著), 小島 よしお (著) 芸能界での生き残り戦略は雑草の戦略と同じ!? |
◆中学受験国語問題に登場多数!稲垣栄洋さん『生き物の死にざま』がコミック化 | 本のページ
◆短歌×エッセイ×自然科学! 稲垣栄洋さん『雑草先生の短歌教室』が刊行 | 本のページ
◆生物学者・稲垣栄洋さん〈新しい短歌&俳句鑑賞の手引き〉『古池に飛びこんだのはなにガエル?』が刊行 | 本のページ
◆『小島よしおのボクといっしょに考えよう』が3刷重版 茨城・水戸&福島・いわきで出版記念イベントも開催 | 本のページ