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国私立中学入試の国語で最もよく出題された作者・稲垣栄洋さん科学エッセイ『手を眺めると、生命の不思議が見えてくる』が刊行

稲垣栄洋さん著『手を眺めると、生命の不思議が見えてくる』

稲垣栄洋さん著『手を眺めると、生命の不思議が見えてくる』

植物学者・稲垣栄洋さんの科学エッセイ『手を眺めると、生命の不思議が見えてくる』が家の光協会より発売中です。

 

国私立中学入試の国語で最もよく出題された作者、 稲垣栄洋さんが「人体」の奇跡を描いた最新刊

著者は、『生き物の死にざま』『世界史を大きく動かした植物』等、多くのベストセラーを持つ植物学者の稲垣栄洋さん。これまで、動物や植物をテーマとしたさまざまな書籍を執筆してきましたが、最新刊は「人体」をテーマとした科学エッセイです。

 
本書は、一匹の蚊に手の甲を刺されたことから始まり、「手」を通して人体の奇跡とも呼べる機能と進化を探ります。

病原菌を撃退する白血球たちの奮闘や、自らの命を犠牲にして出血を止める血小板の働き、「細胞の自殺」によってつくられる指の仕組みなど、思わず自分の手を見つめてしまう20編を掲載。指先の皮膚と指紋についてとりあげた第18話「一兆分の一の文様」などは、すぐにでも誰かに話したくなります。

 
風呂に入ると、指先はしわしわになります。ほとんどの人は、単に水分を吸ってふやけてしまっただけと考えますが、じつはそうではありません。

指の神経に損傷を受けた人は、しわしわになりません。つまり、しわしわになる現象は、自然にふやけて生じるのではなく、神経組織が意図的に引き起こしているのです。これは、一説には、わたしたちの祖先が樹上生活をしていたことに由来すると考えられています。そのときに、雨に濡れた枝をしっかりつかめるよう、「滑り止め」として進化したというのです。

 
また、指紋鑑定に使う指紋が他者と一致する確率は、一兆分の一といわれます。これは、たとえ同一の遺伝子を持つ一卵性の双子であっても、指紋は異なるためです。遺伝的には同じでも、母親の胎内にいるときの位置、血圧、ホルモンレベルなどの僅かな違いが影響し、同じ指紋にならないのです。まさに世界中の誰ともかぶらないオンリーワンなのです。

 
奇跡ともいえる様々な機能や仕組みを通して、人体の面白さ、生きることの尊さまでを綴る一冊です。

 

本書の目次

第1話 夏の夜のできごと
第2話 尊く美しい分身たち
第3話 死に体の運び屋
第4話 爪の悲しい細胞
第5話 不老不死以上
第6話 昔の私はどこにいる?
第7話 指と指の間にあるもの
第8話 個性があることの意味
第9話 イヌの指は何本?
第10話 謎に満ちた「目」
第11話 つかむための進化
第12話 指毛と戦いの歴史
第13話 手に汗にぎる
第14話 私と世界との間
第15話 あなたという名の生態系
第16話 コップをつかむ不思議
第17話 名前のない指
第18話 一兆分の一の紋様
第19話 ナンバー1になる確率
第20話 じっと手を見る

 

著者プロフィール

著者の稲垣栄洋(いながき・ひでひろ)さんは、1968年生まれ。静岡市出身。岡山大学大学院修了。農学博士。静岡大学農学部教授。

農林水産省、静岡県職を経て、現職。著書は150冊以上。海外での出版も30冊を超える。「国私立中学入試の国語で最もよく出題された作者」調査において5年連続1位。

主著に『生き物の死にざま』(草思社)、『雑草は踏まれても諦めない』(中央公論新社)、『なぜ仏像はハスの花の上に座っているのか』(幻冬舎)、『はずれ者が進化をつくる』(筑摩書房)、『弱者の戦略』(新潮選書)、『世界史を大きく動かした植物』(PHP研究所)などがある。

 

手を眺めると、生命の不思議が見えてくる
稲垣 栄洋 (著)

『生きものの死にざま』の著者が、“人体”の生きざまを語る!

奇跡にもほどがある人体のミステリー
人間の体は、こんなに不思議でおもしろい!

「国私立中学入試の国語で最もよく出題された作者」ランキング5年連続1位の著者が、手を中心とした人体のしくみや、人間の進化の軌跡を描くサイエンスエッセイ。
「どうして爪は伸びるのか」といった素朴な疑問から、血管の驚くべき機能、自分自身が生まれる奇跡的確率についてなど、読みやすい文章で人体の奥深さを伝えます。
思わず自分の体を二度見してしまう、全20話を収録!

 


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