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霊長類学者・山極寿一さんとシジュウカラの言葉を解明した動物言語学者・鈴木俊貴さんが対談!『動物たちは何をしゃべっているのか?』が刊行

霊長類学者で京都大学前総長の山極寿一さんと、シジュウカラの言葉を解明した気鋭の動物言語学者で、“シジュウカラ語”を使った絵本『にんじゃシジュウカラのすけ』を監修した鈴木俊貴さんの対談本『動物たちは何をしゃべっているのか?』が集英社より刊行されました。

 

史上初!ゴリラと鳥の異種対談 動物と話したくて森で暮らした研究者の二人だからわかった、驚くべき知性の数々!

つい最近まで、動物には複雑な思考はないとされ、研究もほとんどされてきませんでした。ところが近年、動物の認知やコミュニケーションに関する研究が進むと、驚くべきことが分かってきました。

 
例えば、小鳥のシジュウカラは仲間にウソをついてエサを得るそう。ほかにも、サバンナモンキーは、見つけた天敵によって異なる鳴き声を発して警告を促します。

 
動物たちは何を考え、どんなおしゃべりをしているのか?
ゴリラになりたくて群れの中で過ごした霊長類学者にして京大前総長の山極寿一さんと、シジュウカラの言葉を解明した気鋭の研究者・鈴木俊貴さんが、最新の知見をとことん語り合います。

 
折しも今年の4月、鈴木さんにより、世界に先駆けて東京大学に動物言語学の研究室が設置されました。
鈴木さんにとっては本書が初の著書であり、最先端の学問領域である動物言語学のエッセンスも学べる一冊となりました。

 
ふたりの話はヒトの言葉の起源、ヒトという生物の特徴、そして現代社会批評へと及びます。その果てに見えた、ヒトの言語にしかない特徴は?

 

本書の構成

Part1 おしゃべりな動物たち
動物たちも会話する/ミツバチの「言葉」/動物の言葉の研究は難しい/言葉は環境への適応によって生まれた/シジュウカラの言葉の起源とは?/文法も適応によって生まれた etc.

Part2 動物たちの心
音楽、ダンス、言葉/シジュウカラの言葉にも文法があった/ルー大柴がヒントになった/とどめの一押し「マージ」/言葉の進化と文化/共感するイヌ/動物の意識/シジュウカラになりたい/人と話すミツオシエ etc.

Part3 言葉から見える、ヒトという動物
アイコン、インデックス、シンボル/言葉を話すための条件/動物も数が分かる?/動物たちの文化/多産化と言葉の進化/人間の言葉も育児からはじまった?/音楽と踊りの同時進化/俳句と音楽的な言葉/意味の発生/霊長類のケンカの流儀/文脈を読むということ etc.

Part4 暴走する言葉、置いてきぼりの身体
鳥とヒトとの共通点/鳥とたもとを分かったヒト/文字からこぼれ落ちるもの/ヒトの脳は縮んでいる/動物はストーリーを持たない/Twitterが炎上する理由/言葉では表現できないこと/バーチャルがリアルを侵す/新たな社交/人間とはどういう動物なのか? etc.

 

著者プロフィール

 
■山極寿一(やまぎわ・じゅいち)さん ※写真右

1952年生まれ。霊長類学者。総合地球環境学研究所所長。日本モンキーセンター・リサーチフェロー、京都大学霊長類研究所助手、同大学院理学研究科教授、京都大学総長などを経て現職。鹿児島県屋久島で野生のニホンザル、アフリカ各地でゴリラの行動や生態をもとに初期人類の生活を復元し、人類に特有な社会特徴の由来を探っている。『ゴリラからの警告』(毎日文庫)など著書多数。

 
■鈴木俊貴(すずき・としたか)さん ※写真左

1983年生まれ。動物言語学者。東京大学先端科学技術研究センター准教授。日本動物行動学会賞、日本生態学会宮地賞、文部科学大臣表彰若手科学者賞など受賞歴多数。シジュウカラ科に属する鳥類の行動研究を専門とし、特に鳴き声の意味や文法構造の解明を目指している。2023年4月に東京大学にて世界初の動物言語学分野の研究室を創設。

 

動物たちは何をしゃべっているのか?
山極 寿一 (著), 鈴木 俊貴 (著)

 


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