本のページ

SINCE 1991

土葬、風葬、両墓制――多様な葬送文化を明らかにする『絶滅する「墓」 日本の知られざる弔い』が刊行

鵜飼秀徳さん著『絶滅する「墓」 日本の知られざる弔い』がNHK出版より刊行されました。

 

ベストセラー『寺院消滅』の著者が描く、驚くべき墓制史

時の権力や死生観、土地や風土に根ざした習俗によって、日本では古来、じつに多様な葬送文化が育まれてきました。しかし、過疎化や高齢化により、現在その文化は風前の灯となっています。

 
土葬の現在から、肉体と魂を分けて埋葬する「両墓制」、奄美の樹上葬、沖縄の風葬やアイヌの男女別葬、無数の遺骨を粉末状にして固めた「骨仏(こつぼとけ)」まで。全国各地で著者が取材し撮影した写真を多数収載しながら、日本人が古来育んできた「死」に対する豊かな向き合い方を描き出します。

また、樹木葬や海洋散骨、自動搬送式の納骨堂、コンポスト葬など、新たな弔いの形にも触れながら、広い視点で「日本人の死生観」を捉えなおす一冊です。

 
<図版資料も多数収載>

志々島の霊屋(第3章 捨てる墓、詣る墓)

志々島の霊屋(第3章 捨てる墓、詣る墓)

東京・新島にある流人墓(第4章 権力と墓)

東京・新島にある流人墓(第4章 権力と墓)

遺体を堆肥にするコンポスト葬(第6章 生きた証としての墓、証を残さない墓)

遺体を堆肥にするコンポスト葬(第6章 生きた証としての墓、証を残さない墓)

※図版の一部は本文中ではモノクロとなります。

 

本書の構成

第1章 私たちにとって「墓」とは何か――墓制史が教える日本人の死生観

第2章 滅びる土葬、増える土葬――土葬の現在

第3章 捨てる墓、詣る墓――消えゆく「両墓制」

第4章 権力と墓――生き様を映し出す鏡として

第5章 独自の意匠をもつ“北”と“南”の墓――奄美、沖縄、アイヌの弔い

第6章 生きた証としての墓、証を残さない墓――骨仏からコンポスト葬まで

 

著者プロフィール

著者の鵜飼秀徳(うかい・ひでのり)さんは、京都・嵯峨の正覚寺に生まれる。成城大学文芸学部卒業後、新聞記者・雑誌編集者に。オウム真理教事件、東日本大震災、チェルノブイリ原子力発電所、北方領土など国内外の多くの取材現場に足を運ぶ。2018年に独立。

2021年に正覚寺住職に就任(三十三世)。主に「宗教と社会」をテーマに取材、執筆、講演を続ける。近年は企業や大学などと連携し、「寺院再生を通じた地方創生」に携わる。

著書に『寺院消滅―失われる「地方」と「宗教」』(日経BP)、『仏教抹殺―なぜ明治維新は寺院を破壊したのか』『仏教の大東亜戦争』(文春新書)など多数。大正大学招聘教授、東京農業大学・佛教大学非常勤講師。一般社団法人良いお寺研究会代表理事。

 

絶滅する「墓」: 日本の知られざる弔い (NHK出版新書)
鵜飼 秀徳 (著)

私たちにとって、墓とは何か?

時の権力や死生観、土地や風土に根ざした文化によって、日本ではじつに多様な葬送文化が育まれてきた。
だが、過疎化や高齢化により、今その文化が風前の灯となっている。
土葬の現在から、肉体と魂を分けて埋葬する「両墓制」、沖縄の風葬やアイヌの男女別葬、無数の遺骨を粉末状にして固めた「骨仏(こつぼとけ)」まで――。
全国各地を歩いて取材した僧侶が、知られざる弔いのかたちを写真とともに明らかにしながら、日本人がいかにして死と向き合ってきたかを問いなおす。

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です