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神木隆之介さん主演「らんまん」のモデルとして注目!『牧野富太郎の植物学』が発売即増刷

田中伸幸さん著『牧野富太郎の植物学』(NHK出版新書)

田中伸幸さん著『牧野富太郎の植物学』(NHK出版新書)

連続テレビ小説「らんまん」の植物監修者でもある田中伸幸さんが牧野富太郎博士の業績に光を当てた『牧野富太郎の植物学』(NHK出版)が3月の刊行直後から大きな反響を呼び、増刷が決定しました。

牧野博士は独学で研究を極め、植物知識の普及にも尽力した「日本の植物学の父」とよばれています。しかし、これまでは破天荒な人物像ばかりが注目され、研究者としての業績はあまり顧みられてきませんでした。命名した植物・集めた標本の数がいまだ定まらないのはなぜか? 研究、普及活動の真価とは?「天才植物学者」と呼ばれた牧野博士の実像を描きだします。

 

牧野博士の仕事がわかれば、植物学の面白さがわかる!

本書の著者は、牧野博士と同じ植物分類学者で、高知県立牧野植物園に勤務した経験もある田中伸幸さん。
博士が残した膨大な標本をはじめとする資料を分析し、その研究や教育者としての実績、当時の植物学を取り巻く環境などを丹念に解き明かしていきます。

 
本書を読めば、“朝ドラ”「らんまん」を見てみたくなること間違いなし。ドラマでは、神木隆之介さん演じる槙野万太郎がどんな人物として描かれるのか? ひと味違う視点からもドラマを楽しむことができる一冊です。

 

『牧野富太郎の植物学』概要

『牧野日本植物図鑑』や、牧野博士を主人公とする伝記や小説を読んだことがある人は多いのではないでしょうか。小学校を自主退学し、独学で植物分類学を修め、命名した植物は1,500種、生涯集めた標本は40万点とも言われています。

しかし、こうしたエピソードや数字が果たしてどのような意味を持っているのか、はたまた真実なのかということについては、これまで十分に語られてきませんでした。

 
本書は、植物分類学者としての博士の活動・業績を理解するため、植物学と植物分類学の違いについて解説するところからスタートします。続いて、学名の仕組みや植物分類学の原点となる標本採集の意義、日本人による成果発表の場として創刊され、博士の初めての論文が掲載された『植物学雑誌』について説明します。

また、著者独自の調査により明らかになった、博士の付けた学名の実数や標本数、業績のひとつに挙げられる植物図に対するこだわりなどについても解説。さらに、後半生における研究活動から植物知識の啓蒙・教育活動へのシフトや、博士が集めた標本の行方などについても言及します。

 
「植物を学んだというより遊んだ」と自身について語る牧野博士。本書は、植物研究と多くの植物愛好家を育てるために奮闘した“植物オタク”の人生の実像と、その業績のすべてを明らかにします。

牧野博士の人柄が垣間見えるエピソードや、植物学にまつわるコラムなどを交えて、植物学の「奥深さ」そして「面白さ」をも伝える充実の内容です。

 

本書の構成

はじめに

第一章 植物分類学者・牧野富太郎

第二章 本草学から植物学へ

第三章 日本植物学と東京大学

第四章 標本採集の意義

第五章 新種を記載するということ

第六章 『植物学雑誌』の刊行

第七章 記載された学名の数

第八章 植物図へのこだわり

第九章 教育者という選択

第十章 植物の知識を広める

第十一章 残された標本の行方

第十二章 これからの牧野富太郎へ

おわりに

牧野富太郎年譜
主要参考文献

 

著者プロフィール

著者の田中伸幸(たなか・のぶゆき)さんは、1971年生まれ、東京都出身。国立科学博物館植物研究部陸上植物研究グループ長。東京都立大学大学院理学研究科博士課程修了。博士(理学)。専門は植物分類学。高知県立牧野植物園研究員、同標本室長、高知大学客員准教授などを経て、2015年4月より国立科学博物館勤務。茨城大学大学院農学研究科客員教授兼任。

 

牧野富太郎の植物学 (NHK出版新書)
田中 伸幸 (著)

「天才植物学者」の真の業績とは?

牧野富太郎は、「日本の植物学の父」と呼ばれ、貧窮の中にあって独学で植物分類学を修め、アカデミズムと対峙しつつも、偉大な業績を残し、植物知識の普及に尽力したとされる。しかし、そうした人物像や人間ドラマばかりが脚光を浴び、研究者としての業績はこれまで十分に顧みられてこなかった。命名した植物数や集めた標本の数が定まらないのはなぜか? 研究、普及活動の真価とは? 2023年度前期の連続テレビ小説「らんまん」の植物監修者が、「天才植物学者」の足跡を追いながら明らかにしていく。

 


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