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比嘉健二さん〈第29回小学館ノンフィクション大賞〉受賞作を書籍化『特攻服を着た少女と1825日』が刊行

2022年に第29回小学館ノンフィクション大賞を受賞した比嘉健二さんの「特攻服を着た少女と1825日」が書籍化され、同名タイトルで小学館より刊行されました。

 

辻村深月さん、星野博美さん、白石和彌さん、瀧川鯉斗さん、ラランド ニシダさんも絶賛! 小学館ノンフィクション大賞受賞作『特攻服少女と1825日』

◇辻村深月さん(小説家)
この著者でしか語り得ない当時の日々と、登場する少女たちが非常に魅力的。無視できない熱量を感じた。

◇星野博美さん(ノンフィクション作家)
一生懸命全力で怒り、楽して生きようとは露ほども思わず、落とし前は自分でつける彼女たちのまっとうさが愛おしくなった。これぞ、生きた歴史の証。多くの読者と共有したい作品だ。

◇白石和彌さん(映画監督)
出てくる少女たちがみんないい。

◇瀧川鯉斗さん(落語家)
“暴走族のルール”がここまで繊細に描かれていることに脱帽した。

◇ラランド ニシダさん(芸人)
一時代の一瞬の熱狂の生き証人。比嘉さんが書き残したことでレディースの女たちが、令和の今に生き生きと蘇ってきた。

 
「多摩のジェイソン」「ユーミンと“共演”したレディース」「レディースの次に賭けるのは老人介護」など、キャッチーな見出しに目を奪われる本作は、1980~90年代に人気を博した雑誌「ティーンズロード」の編集長だった著者の体験をまとめたノンフィクション作品です。

“暴走族”について知らないはずなのに、どこか懐かしさを覚える本作は、小学館ノンフィクション大賞を受賞。当時の読者が「救われた」という伝説的雑誌の物語に、各界の著名人も、唯一無二の作品だと太鼓判を押します。“レディース”とはどんな生き方だったのか、彼女たちは今どうしているのか――。

 

著者プロフィール

著者の比嘉健二(ひが・けんじ)さんは、1956年生まれ、東京都足立区出身。1982年にミリオン出版に入社し、雑誌『ティーンズロード』『漫画ナックルズ』などを立ち上げ、後に社長に就任。現在は編集プロダクション「V1パブリッシング」代表。

 

小学館ノンフィクション大賞について

小学館ノンフィクション大賞は、小学館の『週刊ポスト』『女性セブン』2誌主催による、ノンフィクションを対象とする公募の文学賞です。受賞作は、小学館より単行本として刊行されます。

1993年、創刊25周年を迎えた『週刊ポスト』が『SAPIO』とともに、21世紀へ向け新しい感覚で時代を切り拓いていく新進気鋭のライターの登竜門となるべく「21世紀国際ノンフィクション大賞」として創設。第7回より現在の名称となりました。

「第29回」の最終選考会の選考委員は、星野博美さん(ノンフィクション作家)、白石和彌さん(映画監督)、辻村深月さん(小説家)。

 

特攻服少女と1825日
比嘉 健二 (著)

【編集担当からのおすすめ情報】
青年漫画や学園ドラマに登場する「ヤンキー少女」として、あるいはドキュメンタリーやニュース映像にモザイクつきで登場する「非行少女」として――
これまで、「キャラクター」としてデフォルメされて描かれて来たレディースたちの姿をフラットでありのままにとらえた、懐かしいのに新しい、唯一無二のノンフィクション作品です。
《喧嘩は数え切らないくらい、タイマンは100回以上やってる。負けたことはないね。自然と勝ち方を身につけた。まず相手の眉間とみぞおちを狙いますね。負けた相手は裸にしてその辺を走らせますよ、そんなの何度もありますね》
《もう少しで卒業式、卒業式の日は派手にやってやるからな、先公見てやがれ》
《鑑別所出た後、試験観察で何日間か老人ホームで働いたの。老人のニコってする顔見たらレディースの次に賭けるものはこれだって決めたの》
こんな風に本書には、レディースたちの生々しくもエネルギッシュな発言がちりばめられています。
彼女たちの言葉や姿に惹きつけられて雑誌『ティーンズロード』を創刊し、雑誌編集者という立場で特攻服少女の背中を追い続けた著者の目線はどこまでも対等であり、そこには「正しい方に導いてやろう」という押しつけがましさもなければ「不良になる理由は家庭にある」などのレッテル貼りも同情もありません。

原稿の中には、当時の喧噪だけでなく13歳でで地元のチームに入り2年で総長に登り詰め、テレビや週刊誌でも特集が組まれるほどの知名度を得るもチームを破門させられたたすえこや歴史・規模とともに日本一を誇る『スケ連』を率いたのぶこほか、当時の誌面を飾った人気レディースたちの「その後」も描かれます。
彼女たちのいまの姿からは、著者が『ティーンズロード』の編集を通して「はみ出した少女」たちに提供した居場所が、またそれを作ろうとする魂が、いまに引き継がれていることが伝わって来ます。

当時を知る人もそうでない人も、「はみ出た」経験がある人ならば必ず心の柔らかい部分に触れる箇所がある、そんな作品です。

 
【関連】
「特攻服少女と1825日」|小学館

 


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