五木寛之さん「人生のレシピ」シリーズ第5弾『幸せになる聞き方・話し方』が刊行
作家・五木寛之さんによるシリーズ「人生のレシピ」の第5弾『人生のレシピ 幸せになる聞き方・話し方』がNHK出版より刊行されました。90歳の「生き方の先輩」がNHK「ラジオ深夜便」の語りを再現して贈る、人生100年時代の道案内シリーズです。
「自分が知らなかった自分を知る。対話は私にとって最高の授業だと思っています」
今回のテーマは「対話」について。作家・五木寛之さんが、文字を読むこと、書くことよりも大切にしているのが、人の話を聞くこと、そして人に語ること。
「対話とは、新しいことの発見であり、自分自身への問いかけでもある」。
ブッダも孔子もソクラテスもイエス・キリストもみな肉声で語りかけ、人々はその言葉を聞いて覚えたのであり、文字は二次的なもの、つまり、人の口から語られた言葉を記録するための道具にすぎないといいます。
【「はじめに」より抜粋】
「ラジオ深夜便」では、「レシピ」というと大げさですけれども、日常生活の中で、人との対面の仕方、聞き方、話し方、暮らしの知恵、そういうものを自分の九十年の体験から取り出して、具体的にみなさんに語ってきたつもりです。
今回はそのなかから、「人に話す、人と語る」というテーマでしゃべったお話を五つ選んで掲載しますが、そもそも私の五十年以上に及ぶラジオの仕事のほとんどが対話、対談でした。
年齢も職業も実に多様な方々と対面でお話しする機会を持てたことは、幸せでした。私にとって対談は、いわば授業を受けているようなもので、先生から知識や経験を授けてもらう貴重な機会です。相手の思いがけない反応が返ってくると、そこから思いもよらぬインスピレーションが湧いてきます。人に話す、人と語ることは、新しいことの発見であり、自分への問いかけでもあるのです。
現在は本当に困難な時代で、生きづらい、あるいは孤独を感じる時代ですが、そんな時代に、言葉として、どこまで自分の考えていることが読者に伝わるかということが、今一番自分にとって関心が深いことです。
★NHKデジタルマガジンにて一部を公開:https://mag.nhk-book.co.jp/article/32925
本書の構成
第1章 対話の中に発見がある
第2章 面授の歓びを求めて
第3章 会話とはアートのようなもの
第4章 忘れがたい人々との思い出
第5章 真剣勝負こそが対談の魅力
著者プロフィール
著者の五木寛之(いつき・ひろゆき)さんは、1932年生まれ、福岡県出身。朝鮮半島で幼少期を送り、引き揚げ後、1952年に上京して早稲田大学文学部露文科に入学。1957年に中退後、編集者、ルポライターなどを経て、1966年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞を受賞。
1967年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、1976年『青春の門 筑豊篇』ほかで吉川英治文学賞、2010年『親鸞』で毎日出版文化賞特別賞など受賞多数。ほかの代表作に『風の王国』『大河の一滴』『蓮如』『下山の思想』『百寺巡礼』『生きるヒント』『孤独のすすめ』など。
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