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極小サイズの新聞「Silenced Newspaper」が世界人権デー(12/10)に発行

極小サイズの新聞「Silenced Newspaper」が世界人権デー(12/10)に発行

極小サイズの新聞「Silenced Newspaper」が世界人権デー(12/10)に発行

東京新聞(中日新聞社)は、12月10日の「世界人権デー」に、社会的少数者といわれる人びとの声を集めた小さな新聞「Silenced Newspaper」を発行します。

 

「東京新聞」が世界人権デー当日に、多様な人びとが交わる街・渋谷にて限定数配布 ズームアップしないと閲覧できない極小特設サイトも登場

「世界人権デー」は、国際連合が世界における自由、正義及び平和の基礎である基本的人権を確保するため、すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準として世界人権宣言を12月10日に採択したことで定められました。

日本では、法務省と全国人権擁護委員連合会が、同宣言の採択を記念して毎年12月10日を最終日とする一週間(12/4~12/10)を「人権週間」としています。

昨今、人権問題は新聞をはじめ、多くの団体やマスメディアで取り上げられていますが、2017年の現在においても、女性の人権や、貧困家庭の子どもの権利、障害者、LGBTなど埋もれている声、声にならない声を全て拾い上げているとは言い難い状況です。

「Silenced Newspaper」は、そんな社会的少数者といわれる人びとの現状を視覚化することで、人権について考えるきっかけになればと製作されました。

「Silenced Newspaper」は、12月10日に、様々な人種・多様な人びとが交差する街の象徴である渋谷など3か所と、郵送希望者のうち、抽選で1000名に配布される予定です。

また、ズームアップをすることで記事を読める東京新聞の極小特設サイト(http://www.tokyo-np.co.jp/ad/silencednewspaper/)でも閲覧可能です。

 

「Silenced Newspaper」概要

小さな新聞「Silenced Newspaper」の大きさは1ページが約89mm×約63mmです。

見開き8面の新聞には、ミッツ・マングローブさんや、日本初FtM(元女性)アイドルのSECRET GUYZ(シークレットガイズ)をはじめ、ダウン症候群の若者や視覚障害者、高齢者、シングルマザー、貧困家庭の子どもを支える子ども食堂の理事長など、8組の社会的少数者といわれる人びとの記事が掲載されています。

「Silenced Newspaper」紙面イメージ

「Silenced Newspaper」紙面イメージ

 

「Silenced Newspaper」掲載 取材対象者の方々 記事内容一部

 
■視覚障害者 宇野和博さん

「日本が資本主義である以上、我々は競争社会の中で、多様な人と共に生きていく発想をもたなければならない」 そう話す宇野さんは、「『きょうそう』と平仮名で書く。 あいうえお順で『そ』の前は『せ』、『う』の前は『い』。競争の前に共生はある」と語ってくれた。

 
■ミッツ・マングローブさん

「LGBTという言葉自体に違和感がある。自分がマイノリティーであることは自覚しているが、普通に生きているだけ」。当事者の立場からミッツ・マングローブさんは語り、 レズ?ゲイ?などとその人をカテゴライズしてしまう風潮に疑問を呈する。現在は、当事者に対する理解ではなく、LGBTとは?という解釈だけが先行していると話し、もとより「理解することも、されたいとも思わない。それは敵対ではなく」。

 
■シングルマザー 原田桃子さんと娘さん

「お金のことはとても大事。私は徹底的に調べるタイプだけど、泣き寝入りしているシングルマザーはたくさんいると思う。そういった人が少しでも減ってほしい」

 
■トランスジェンダー SECRET GUYZ(シークレットガイズ)

左から、諭吉さん、 吉原シュートさん、池田タイキさん

左から、諭吉さん、 吉原シュートさん、池田タイキさん

実は全員が元女性、心と体の性に不一致を感じるトランスジェンダーだ。LGBTへの理解を広めるため、レインボーアイドルとして活動する。先月、都内のワンマンライブのステージで、諭吉さんは呼びかけた。「僕らこれからも何やりだすかわからない、お手本がいないから。僕らが切り拓いていくから、ついてきてほしい」

 
■NPO法人川崎寺子屋食堂の理事長 竹岸章さん

「子どもの貧困は見えにくい」と話す。どの子も一見、貧困に苦しんでいるようには見えない。しかし、共通しているのは「遠慮がちで自己主張をしない。いつも空腹のため気力がなく学習意欲も低い傾向がある。」 貧困は親から子へ連鎖する。その悪循環を断ち切るには、教育格差是正のためのインフラ整備とともに、地域においても寺子屋食堂のような取り組みの活性化が必要だという。

 
■ゲイを公表し行政で働く 永田龍太郎さん

「不思議なことにカミングアウト後は仕事の評価が上がった。ばれないようにと二十四時間臨戦態勢で常に気を張って、自分を100%出せていなかったのかも。でも、普通に生きるためにカミングアウトせざるをえない社会こそ、変ですよね」

 
■高齢者 古賀大介さん

生活苦や社会参加、趣味のためと、就業理由も十人十色の現状から「独居老人など支援する制度は必要だが、全ての老人に優しい社会は成り立たない。厳しさも必要。これまでの人生に対して矜持をもつが、それに縛られていては、明日は来ないよ」と自らを鼓舞した。

 
■ダウン症候群の若者 佐々木一洋さんとご家族

四人兄妹の第三子である一洋さんは母・由佳さんにとって「心優しい自慢の息子」。ダウン症を障害ではなく「個性」と受け入れ大切に育ててきた。ダウン症など知的障害のある方は、ゆっくり丁寧な説明が必要だという。「例えば、突然アフリカに連れて行かれて、スワヒリ語で話しかけられたらどれだけ混乱するか。その状況と一洋たちの世界は近いと思う」

 
■「Silenced Newspaper」現物(A4印刷で実寸サイズ)

 

「Silenced Newspaper」配布場所

この「Silenced Newspaper」は、12月10日に様々な人種・多様な人びとが交差する街の象徴である渋谷のJR渋谷駅マークシティ下、渋谷男女平等・ダイバーシティセンター<アイリス>、掲載されているSECRET GUYZのイベントの3か所に加え、郵送希望者のうち、抽選で1000名に配布される予定です。

 
■JR渋谷駅マークシティ下

■渋谷男女平等・ダイバーシティセンター<アイリス>

 

「Silenced Newspaper」特設サイト

また、配布を受け取れない方も、記事を特設サイトで閲覧することが可能です。

この特設サイトは極小で作成されており、ズームアップしないと記事が読めないことで埋もれた声に気付いてもらう仕掛けが施されたサイトとなっています。

8組の社会的少数者といわれる人びと、すべての記事を閲覧することができます。

★特設サイト URL: http://www.tokyo-np.co.jp/ad/silencednewspaper/

 

「Silenced Newspaper」 ストーリームービー ストーリーボード

「Silenced Newspaper」の紹介ムービーが東京新聞のYouTubeチャンネル「東京新聞チャンネル」に掲載されます。

★ムービー URL : https://youtu.be/uJSquU5O62I

 
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Silenced Newspaper | #silencednews

 


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