五木寛之さん「人生のレシピ」シリーズ第4弾『疲れた心の癒し方』が刊行 老いの時間を楽しむために必要なのは、回想すること
作家・五木寛之さんによるシリーズ「人生のレシピ」の第4弾『人生のレシピ 疲れた心の癒し方』がNHK出版より刊行されました。90歳の「生き方の先輩」がNHK「ラジオ深夜便」の語りを再現して贈る、人生100年時代の道案内シリーズです。
今回のテーマは、「思い出」の活用です。一人の人間の中には、語りつくせない歴史があります。その〈心の資産〉を存分に回想してはいかがでしょうか。
シリーズ累計10万部の最新刊! ストレスを克服する「回想法」とは?
一か所にとどまることのない「移動の人生」を送ってきたという五木寛之さん。今回は、敗戦後の朝鮮半島からの引き揚げをはじめ、海外渡航自由化直後に敢行したシベリア鉄道の旅など、自身の強烈な体験を打ち明けながら、老いの時間を楽しむための「回想法」について語ります。
よい思い出であれば「あのときは幸せだったな」と郷愁に浸れるし、悪い思い出でも「あのときと比べたらまだましだ」と開き直ることができる。「思い出は、高齢者の特権ともいえる〈心の資産〉です」。
【「はじめに」より抜粋】
人間は誰でも苦い思い出と同じくらいプラスの思い出の量を持っています。それを掘り起こして、まざまざと実感することをしなければ、いつか記憶は錆(さ)びついて呼び起こすことが難しくなっていきます。
ストレスは未来への不安から生じるものです。「なんとかなる」「これまでなんとかなった」という実感を回復することで、ストレスは軽くなっていくものです。それは過去の栄光や成功体験に沈潜(ちんせん)する、言い換えれば「思い出にふけること」ではありません。「回想の力」ともいうべき心の状態を作り出すことが大事なのです。うしろを振り返ることで前へ進むエネルギーを生み出す。ぜひ思い出を活用してみてはいかがでしょうか。
<NHKデジタルマガジンでは、シリーズ既刊の一部を公開中>
★人生のギアチェンジとは。五木寛之さんが語る、人生百年時代の生き方。:https://mag.nhk-book.co.jp/article/15960
★孤独を恐れる必要はない。五木寛之さんが語る、人生百年時代の生き方。:https://mag.nhk-book.co.jp/article/19169
★病とは「治す」ものではない? 五木寛之さんが語る、人生百年時代の生き方。:https://mag.nhk-book.co.jp/article/22475
本書の構成
はじめに
第1章 私の「移動の人生」について
第2章 食べることが、生きることだった
第3章 映画は人生の1ページ
第4章 三つの「想」のすすめ
第5章 思い出をいつくしむこと
著者プロフィール
著者の五木寛之(いつき・ひろゆき)さんは、作家。1932年生まれ、福岡県出身。朝鮮半島で幼少期を送り、引き揚げ後、1952年に上京して早稲田大学文学部露文科に入学。1957年に中退後、編集者、ルポライターなどを経て、1966年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、1967年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、1976年『青春の門 筑豊篇』ほかで吉川英治文学賞、2010年『親鸞』で毎日出版文化賞特別賞など受賞多数。
ほかの代表作に『風の王国』『大河の一滴』『蓮如』『下山の思想』『百寺巡礼』『生きるヒント』『孤独のすすめ』など多数。
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