祝!貫井徳郎さん作家デビュー30年×実業之日本社創業125周年!貫井さん文庫作品の連続刊行プロジェクトがスタート

貫井徳郎さん(写真:近藤篤)
実業之日本社は、貫井徳郎さんの作家デビュー30年と同社の創業125周年を記念して、2022年6月より「貫井徳郎文庫作品連続刊行プロジェクト」をスタートします。
実業之日本社文庫より貫井徳郎さん作品を6・8・10月連続刊行
6月発売予定『プリズム』(1999年単行本刊)、8月発売予定『追憶のかけら』(2004年単行本刊)は、豪華クリエイター陣による新たなビジュアルで実業之日本社文庫として刊行されます。
『プリズム』は、カバーデザイン・川谷康久さん×カバーイラスト・青依青さん。『追憶のかけら』は、カバーデザイン・坂野公一さん(welle design)×カバーイラスト・げみさん。
プロジェクトのラストを飾る10月は単行本刊行時にも大きな反響を呼んだ『罪と祈り』を初文庫化します。単行本に引き続き、カバーデザインは岩郷重力さんが担当します。
また7月には既刊の『微笑む人』をカバーデザイン・円と球による新たなビジュアルカバーにて展開します。
実業之日本社 創業125周年記念ムック『THE FORWARD Vol.3』(5/31発売予定)にて、貫井徳郎さんインタビュー「作家デビュー30年の結晶(仮)」を掲載予定です。
貫井徳郎さんコメント
作家デビュー30年の節目の年に連続刊行できること、大変嬉しいです。今回の作品群はそれぞれ方向性が異なり、ぼくの作風を網羅した4冊になっています。これまで貫井徳郎作品を知らなかった方々にとっての入り口になるといいなと思っています。『追憶のかけら』は旧字旧仮名遣いだった作中作を現代語にし、『罪と祈り』は主人公たちに感情移入しやすいよう加筆しました。新しいカバーがかかりますので、新しい気持ちで読んでいただけたら幸いです。
どうぞよろしくお願いします。
<各作品について>
『プリズム』
ぼくは物事を決めつけるのが嫌いで、多面的な見方を提示することが多いです。そういったスタイルの原点となったのが、この『プリズム』でした。ミステリーとしても薄味から濃いものまで書いていますが、これはかなり濃い方です。ミステリーの面白さを味わいたい人に、ぜひ手に取ってもらいたいです。
『追憶のかけら』
ぼくは後味が悪い作品を書く小説家というイメージがあるかと思いますが、そうでもないものも書いています。その代表格が、この『追憶のかけら』です。とはいえ、単にいい話ではなく、話が二転三転、いや四転五転六転する、ぼくには珍しい緻密な構成のミステリーです。旧字旧仮名遣いだった作中作を現代語にし、読みやすくしました。
『微笑む人』
『追憶のかけら』とは一転、後味が悪い貫井徳郎を代表する一冊です。事件の渦中の人物を、過去に遡って調べるという形式の作品をいくつか書いていて、これもそのひとつです。ラストではかなりぶっ飛んだことをやっているのでミステリー上級者向けと言えますが、むしろ「ミステリーはこういうもの」という決めつけをしていない人にお薦めしたいです。ミステリーの限界の向こうを見てもらいたいです。
『罪と祈り』
上記三作のように、実業之日本社では実験的な作品を書かせてもらっていましたが、初めて王道の作風に挑みました。前例のない誘拐のアイディアを盛り込み、かなり力を込めて書いた作品ではありましたけれども、読者に理解してもらう努力が足りなかったという反省が残りました。そこで、文庫版では主人公の心情を丁寧に描き、納得してもらえるものに磨き上げたつもりです。今度こそ、より多くの読者に届くことを願っています
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