【第48回大佛次郎賞・第21回大佛次郎論壇賞】大佛次郎賞に堀川恵子さん『暁の宇品』 大佛次郎論壇賞は益田肇さん『人びとのなかの冷戦世界』が受賞
朝日新聞社は、優れた散文作品に贈る「第48回大佛次郎賞」および、優れた論考に贈る「第21回大佛次郎論壇賞」の受賞作品を発表しました。
第48回大佛次郎賞&第21回大佛次郎論壇賞が決定!
第48回大佛次郎賞および第21回大佛次郎論壇賞の受賞作品は次の通りです。
■第48回大佛次郎賞
堀川恵子(ほりかわ・けいこ)さん
『暁の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ』(講談社)
〔選考委員〕後藤正治さん、斎藤美奈子さん、田中優子さん、辻原登さん、船橋洋一さん
■第21回大佛次郎論壇賞
益田肇(ますだ・はじむ)さん
『人びとのなかの冷戦世界 想像が現実となるとき』(岩波書店)
〔選考委員〕苅谷剛彦さん、酒井啓子さん、大竹文雄さん、杉田敦さん、根本清樹さん(朝日新聞本社論説主幹)
大佛次郎賞を受賞した堀川惠子さんは、1969年生まれ。広島県出身。広島大学総合科学部卒業。広島テレビ放送での報道記者、ディレクター、フリーのドキュメンタリーディレクターを経てノンフィクション作家に。『チンチン電車と女学生』(小笠原信之さんと共著)を皮切りに、ノンフィクション作品を次々と発表。『死刑の基準―「永山裁判」が遺したもの』で第32回講談社ノンフィクション賞、『裁かれた命―死刑囚から届いた手紙』で第10回新潮ドキュメント賞、『永山則夫―封印された鑑定記録』(岩波書店)で第4回いける本大賞、『教誨師』で第1回城山三郎賞、『原爆供養塔―忘れられた遺骨の70年』で第47回大宅壮一ノンフィクション賞と第15回早稲田ジャーナリズム大賞、『戦禍に生きた演劇人たち―演出家・八田元夫と「桜隊」の悲劇』で第23回AICT演劇評論賞、『狼の義―新 犬養木堂伝』 (林新さんと共著)で第23回司馬遼太郎賞を受賞。
大佛次郎論壇賞を受賞した益田肇さんは、1975年生まれ。大阪府出身。立命館大学卒業。新聞社勤務を経て、コーネル大学大学院で博士号(歴史学)を取得。今回の受賞作は今年11月に第75回毎日出版文化賞も受賞。
堀川さんと益田さんには、それぞれ賞金200万円が贈られます。贈呈式は2022年1月28日に東京都内で、朝日賞、朝日スポーツ賞とともに開催。
大佛次郎賞および大佛次郎論壇賞について
大佛次郎賞は、小説、ノンフィクション、歴史記述など幅広い分野で活躍した作家・大佛次郎(おさらぎ・じろう)さんの業績をたたえて、1973年に朝日新聞社が創設。その形式のいかんを問わず、優れた散文作品に贈られます。
大佛次郎論壇賞は、大佛次郎賞の評論部門として2001年に創設。「よりよい社会の創造を目指し、日本の政治・経済・社会・文化・国際関係等をめぐる優れた論考」を顕彰します。
暁の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ 堀川 惠子 (著) 広島の軍港・宇品に置かれた、陸軍船舶司令部。 昭和16年、日本軍の真珠湾攻撃によって始まった太平洋戦争は、広大な太平洋から南アジアまでを戦域とする「補給の戦争」となった。 そして、昭和20年8月6日。 |
人びとのなかの冷戦世界: 想像が現実となるとき 益田 肇 (著) 冷戦とは何だったのか。大国同士の駆け引きや政治リーダーを主人公とする従来の物語とは一線を画し、無数の名もなき人びとの日常的な想像と行為の連鎖と、現実政治との影響関係から冷戦初期の歴史を描く。恐怖、不安、敵意、憎悪、願望……現実は人びとにどう想像され、それは増幅拡散してどのように新しい現実を生み出していったのか。 |
【関連】
▼大佛次郎賞・大佛次郎論壇賞
▼第48回大佛次郎賞 『暁の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ』 堀川惠子氏:朝日新聞デジタル
▼第21回大佛次郎論壇賞 『人びとのなかの冷戦世界 想像が現実となるとき』 益田肇さん:朝日新聞デジタル
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