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【第75回毎日出版文化賞】松岡和子さん個人全訳『シェイクスピア全集』、河尻亨一さん、益田肇さん、田中久美子さんが受賞 特別賞に工藤正廣さん

第75回毎日出版文化賞が決定!

第75回毎日出版文化賞が決定!

毎日新聞社は11月3日、優れた出版物の著編者、出版社を顕彰する「第75回毎日出版文化賞」の受賞作品を発表しました。

 

第75回毎日出版文化賞が決定!

第75回毎日出版文化賞の受賞作品が、次の通り決定しました。
なお、贈呈式は12月13日午後2時、東京都文京区のホテル椿山荘東京で開催されます。

 
<第75回毎日出版文化賞 受賞作品>

■文学・芸術部門
河尻亨一(かわじり・こういち)さん
『TIMELESS 石岡瑛子とその時代』(朝日新聞出版)

■人文・社会部門
益田肇(ますだ・はじむ)さん
『人びとのなかの冷戦世界 想像が現実となるとき』(岩波書店)

■自然科学部門
田中久美子(たなか・くみこ)さん
『言語とフラクタル 使用の集積の中にある偶然と必然』(東京大学出版会)

■企画部門
松岡和子(まつおか・かずこ)さん個人全訳
『シェイクスピア全集』全33巻(筑摩書房)

 
<特別賞>
 ※広く読者に支持され、出版文化に貢献した出版物
工藤正廣(くどう・まさひろ)さん
『チェーホフの山』(未知谷)

 

毎日出版文化賞について

毎日出版文化賞は1947年に創設。毎日新聞社が主催し、優れた出版物の著編者、出版社などを顕彰する文学・文化賞です。大日本印刷が特別協力。

「文学・芸術」、「人文・社会」(ノンフィクション、歴史、民俗、思想、哲学、宗教、政治、経済など)、「自然科学」、「企画」(全集、講座、辞典、事典、書評など)および、広く読者に支持され、出版文化の向上に貢献した出版物に贈られる「特別賞」の5部門で選考が行われます。対象となるのは、前年9月1日から当年8月31日までの間に初版が刊行された出版物、同時期に完結した全集などです。

「文学・芸術」「人文・社会」「自然科学」「企画」の各部門の受賞者には、賞状と記念品、賞金100万円が贈られます。また、「特別賞」の受賞者には、賞状と記念品が贈られます。

 

TIMELESS 石岡瑛子とその時代
河尻 亨一 (著)

こんな人、ちょっといない――
伝説のデザイナー・石岡瑛子、世界初の評伝を刊行!

資生堂やパルコのキャンペーンで、時代にセンセーションを巻き起こし、1980年代に活動の拠点をニューヨークに移して以降は、映画や演劇など境界を超えた創作活動を展開。
アカデミー賞やグラミー賞を受賞するなど、世界を沸かせたデザイナー・石岡瑛子。

ポスターや衣装など、瑛子が手がけた数々の仕事は、命のエネルギーに満ち溢れ、いまなお輝きを失っていない。

その才能と人柄は、フランシス・コッポラにマイルス・デイヴィス、そしてスティーブ・ジョブズをも魅了した。

石岡瑛子のラストインタビューも手がけたジャーナリストが、彼女とともに仕事をした日米のクリエイター、関係者に取材を重ねながら、遺された膨大な作品および資料をリサーチ。
生涯アップデートを続けた「私」と、変わりゆく「時代」のミステリーに迫る本格評伝。

石岡瑛子の主な仕事・作品をまとめたビジュアルページ(32ページ)付き。

人びとのなかの冷戦世界: 想像が現実となるとき
益田 肇 (著)

冷戦とは何だったのか。大国同士の駆け引きや政治リーダーを主人公とする従来の物語とは一線を画し、無数の名もなき人びとの日常的な想像と行為の連鎖と、現実政治との影響関係から冷戦初期の歴史を描く。恐怖、不安、敵意、憎悪、願望……現実は人びとにどう想像され、それは増幅拡散してどのように新しい現実を生み出していったのか。

言語とフラクタル: 使用の集積の中にある偶然と必然
田中 久美子 (著)

「壊れたフラクタル」?
膨大なデータに分け入り、言語の統計的普遍に挑む

これほど複雑・多様かつ変化する人間のことばにあって、どんな時代の、どんな言語の、どんなジャンルでも成り立つという「統計的言語普遍」。現代の計算機言語学が提示する不思議を検証し、その意味を考えることから、人間の記号使用の深奥に迫ってゆく。東京大学出版会創立70周年記念出版。

シェイクスピア全集 (1) ハムレット (ちくま文庫)
W. シェイクスピア (著), William Shakespeare (原著), 松岡 和子 (翻訳)

デンマークの王子ハムレットは、父王の亡霊から、叔父と母の計略により殺されたことを知らされ、固い復讐を誓った。悩み苦しみながらも、狂気を装い、ついに復讐を遂げるが自らも毒刃に倒れる。美しい恋人オフィーリアは、彼の変貌に狂死する。数々の名セリフを残したシェイクスピア悲劇の最高傑作の新訳。脚注・解説・日本での上演年表付き。

 
【シェイクスピア全集 全33巻セット】https://amzn.to/3BHpPKU

チェーホフの山
工藤 正廣 (著)

極東の最果てサハリン島は太平洋への要衝地でもある。ロシアは一八五九年以来徒刑囚を送り植民を続けた。流刑者の労働と死によって育まれる植民地サハリンを一八九〇年チェーホフが訪れた。作家は八千余の囚人に面談調査、人間として生きる囚人たちを知った。一九九X年ユジノ・サハリンスク、チェーホフ山を主峰とする南端の丘、アニワ湾を望むサナトリウムをガスパジン・セッソンが訪れる―先住民、囚人、移住農民、孤児、それぞれの末裔たちを介し人がその魂で生きる姿を描く物語。

 
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