本のページ

SINCE 1991

アフガニスタンで銃撃されて亡くなった医師・中村哲さん証言録『わたしは「セロ弾きのゴーシュ」~中村哲が本当に伝えたかったこと』が刊行 生前にNHK「ラジオ深夜便」で語った貴重な証言録を書籍化

中村哲さん著『わたしは「セロ弾きのゴーシュ」~中村哲が本当に伝えたかったこと』

中村哲さん著『わたしは「セロ弾きのゴーシュ」~中村哲が本当に伝えたかったこと』

2019年にアフガニスタンで亡くなった医師・中村哲さんが、生前にNHK「ラジオ深夜便」で語った貴重な証言録を書籍化した『わたしは「セロ弾きのゴーシュ」~中村哲が本当に伝えたかったこと』がNHK出版より刊行されました。

 

自伝『天、共に在り』から8年、改めて注目を集める中村哲さんの功績

自伝『天、共に在り』は、1984年よりパキスタン、アフガニスタンで30年にわたって支援活動を続ける医師・中村哲さんが、なぜ1600本もの井戸を掘り、25.5キロにもおよぶ用水路を拓くに至ったのかを描きました。

 
「天」(自然)と「縁」(人間)をキーワードに、その数奇な半生をつづった著者初の自伝として、2013年の刊行後、第1回 城山三郎賞や第4回 梅棹忠夫 山と探検文学賞受賞を受賞するなど高い評価を得ています。

そして中村さんの言葉は、アフガニスタン情勢を理解するための貴重な資料としても広く引用され続けています。

 

65万人の命をつないだ医師は、何を語ったのか

『わたしは「セロ弾きのゴーシュ」』は、中村さんが出演したNHK「ラジオ深夜便」の6番組より、インタビューに答えるその肉声を忠実に再現するものです。

 
ハンセン病根絶計画から、空爆下の診療所開設と水源確保事業、そして用水路開通まで。「長年の活動の原動力は何ですか」という問いに対して、中村さんは自らを、宮沢賢治の童話の主人公「セロ弾きのゴーシュ」にたとえました。

本書には、本人が執筆したらおそらく触れなかったと思われる感慨や本音が随所に表れているのが特長です。自身について多くを語らなかった中村哲さんの心の内を知ることのできる貴重な証言の記録です。

 
今、奇しくもアフガニスタンのニュースが注目を集めていますが、NHK出版では、その理解の一助となるとともに、改めて中村さんの言葉から命について考える機会をつくるため、書籍化を決定しました。

 

本書の目次

第一章 ハンセン病根絶を目指して (1996年2月22日 中村哲49歳)

第二章 もの言わぬ民の命を (2002年2月16日 中村哲55歳)

第三章 アリの這う如く (2004年6月5日 中村哲57歳)

第四章 命の水 (2005年8月20日 中村哲58歳)

第五章 難民と真珠の水 (2006年9月16日 中村哲60歳)

第六章 開通した命の用水路 (2009年12月5日 中村哲63歳)

 

読者や書店からの反響を受け、自伝『天、共に在り』は累計10万部を突破

今、アフガニスタン情勢が連日ニュースとなっていますが、その状況を深く理解するため、中村医師の言葉に再び注目が集まっています。

読者書店からの多くの問い合わせに対応し、中村哲医師の著書『天、共に在り』の増刷(20刷)され、累計発行部数は10万を突破しています。

 
担当編集者が本書制作時の中村医師とのやり取りを回想した寄稿文「中村哲さんとの思い出」も、NHK出版WEBマガジン「本がひらく(https://nhkbook-hiraku.com/n/n58f84ead1aa2)」で公開中です。中村医師の実直な人柄がうかがい知れるエピソードも、ご一読ください。

<寄稿文「中村哲さんとの思い出」より(抜粋)>
「最近になって、初版時の帯のメインコピーについて尋ねられる機会が増えてきました。そのコピーとは、「道で倒れている人がいたら手を差し伸べる――それは普通のことです」というもので、(中略)あの言葉の出典は何かと聞かれるようになったのです。実はあの一文は、『天、共に在り』や中村先生のほかの本に出てくるものではありません。私が何度かうかがった先生の講演会で幾度となく耳にしたのが、あの言葉だったのです。」

 

中村哲さん プロフィール

写真提供:ペシャワール会・PMS

写真提供:ペシャワール会・PMS

中村哲(なかむら・てつ)さんは、1946年生まれ。福岡県出身。九州大学医学部卒業。日本国内の診療所勤務を経て、1984年にパキスタンのペシャワールに赴任。以来、ハンセン病を中心とした貧困層の診療に携わる。

1986年よりアフガニスタン難民のための医療チームを結成し、山岳無医地区での診療を開始。1991年よりアフガニスタン東部山岳地帯に3つの診療所を開設し、1998年には基地病院PMSを設立。

2000年からは診療活動と同時に、大旱魃に見舞われたアフガニスタン国内の水源確保のために井戸掘削とカレーズ(地下水路)の復旧を行う。2003年より2009年にかけて全長25キロメートルに及ぶ灌漑用水路を建設。その後も砂嵐や洪水と闘いながら沙漠開拓を進めた。マグサイサイ賞「平和と国際理解部門」、福岡アジア文化賞大賞など受賞多数。アフガニスタン政府から名誉市民権を授与。

著書に『天、共に在り』『ペシャワールにて』『医者 井戸を掘る』『医者、用水路を拓く』『希望の一滴』など。

2019年12月4日、アフガニスタンのジャララバードで凶弾に倒れる。享年73。

 

わたしは「セロ弾きのゴーシュ」: 中村哲が本当に伝えたかったこと
中村 哲 (著)

<既刊>

天、共に在り アフガニスタン三十年の闘い
中村 哲 (著)

困っている人がいたら手を差し伸べる
――それは普通のことです。

1984年よりパキスタン、アフガニスタンで支援活動を続ける医師・中村哲。治療のために現地へ赴いた日本人の医者が、なぜ1600本もの井戸を掘り、25.5キロにもおよぶ用水路を拓くに至ったのか?「天」(自然)と「縁」(人間)をキーワードに、その数奇な半生をつづった著者初の自伝。

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です