本のページ

SINCE 1991

五木寛之さん「人生のレシピ」シリーズ第6弾『新しい自分の見つけ方』が刊行

刊行開始から1周年、そして累計12万部を超えた作家・五木寛之さんの「人生のレシピ」シリーズの最新刊『人生のレシピ 新しい自分の見つけ方』がNHK出版より刊行されました。91歳になった「生き方の先輩」がNHK「ラジオ深夜便」の語りを再現して贈る、後半生を快活に過ごす道案内のシリーズです。

今回のテーマは「旅と人生」について。五木さんは、日本各地の見知らぬ土地を訪れ、そこで泊まることを志しているといいます。旅の途上で人と触れあい、その肉声に学ぶことが、日本再発見、ひいては自分発見につながると語ります。

 

「千所千泊。そうして私は自分の知らない自分を見つけてきた。」

今回のテーマは「旅と人生」。日本各地の見知らぬ土地を訪れ、そこで泊まることを志しているという作家・五木寛之さん。

なぜ旅に出かけるのか?
旅に出ると発見がある。自分の目で見て、足で歩き、人々と触れあい、その肉声に学ぶことで、その土地の陰影が生じて旅の面白さが増す。それを味わい、反すうすることで、新しい自分を知ることができる。そして、今や「百年人生」と言われる人間の寿命そのものが長い旅でもある。

――心に刺さる言葉の数々を収録したシリーズ第6弾です。

 
【「はじめに」より抜粋】

私は生まれて間もなく、教師だった両親に連れられて海を渡り、父親の転勤に伴って、朝鮮半島の各地を転々としました。敗戦後は、今の北朝鮮の首都・平壌から福岡へと引き揚げましたが、正式な引き揚げではありません。「脱北」、つまり北朝鮮から徒歩で三十八度線を越え、開城付近の、今でいう難民キャンプに収容されて、数年たってから帰国したのです。それは難民というよりも、いわば「棄民」でした。「国に捨てられた」。私はそんな気持ちを抱きながら、見知らぬ祖国・日本と向き合うことになったのです。

その後、昭和二十七年(一九五二年)に大学に通うために上京しますが、後にも先にも一か所に落ち着いて暮らしたことはありません。大学を抹籍(のち中退)になってからいくつもの仕事を渡り歩きましたが、雑誌の取材記者をしていた三十歳のころは、まさに旅することが仕事のような生活を送っていました。

それから六十年、その間海外渡航の自由化が許された後のモスクワへの旅をはじめ、日本各地はもちろん、世界中を旅してまわりましたが、九十歳になった今もなお月に数度は講演などで地方へ出る生活を送っています。

 
★NHKデジタルマガジンでシリーズからの抜粋記事を公開:https://mag.nhk-book.co.jp/tag/%e4%ba%94%e6%9c%a8%e5%af%9b%e4%b9%8b

 

本書の構成

第1章 日本の旅が示唆してくれるもの

第2章 食の体験を思い返しながら

第3章 人と芸能――山形と秋田の旅

第4章 風景と伝承――鳥取と島根の旅

第5章 宗教と文化――大阪の旅

第6章 「心の武器」が人生を豊かにする

 

著者プロフィール

五木寛之(いつき・ひろゆき)さんは、1932年生まれ、福岡県出身。朝鮮半島で幼少期を送り、引き揚げ後、1952年に上京して早稲田大学文学部露文科に入学。1957年に中退後、編集者、ルポライターなどを経て、1966年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、1967年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、1976年『青春の門 筑豊篇』ほかで吉川英治文学賞、2010年『親鸞』で毎日出版文化賞特別賞など受賞多数。

ほかの代表作に『風の王国』『大河の一滴』『蓮如』『下山の思想』『百寺巡礼』『生きるヒント』『孤独のすすめ』など多数。日本芸術院会員。

 

 
【関連】
五木寛之 | NHK出版デジタルマガジン

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です