斉藤倫さん&西村ツチカさん『さいごのゆうれい』×田中哲弥さん&加藤久仁生さん『オイモはときどきいなくなる』フェアを開催
代官山 蔦屋書店(東京・渋谷)では7月20日から、『さいごのゆうれい』(作:斉藤倫さん、画:西村ツチカさん)と『オイモはときどきいなくなる』(作:田中哲弥さん、画:加藤久仁生さん)、2つの書籍のクロス企画でフェアを開催します。
西村ツチカさん、加藤久仁生さんの描きおろし原画がお目見えするだけでなく、一部販売も行われます。パティスリーRyouraとのコラボ商品など、このフェアのためだけのオリジナルグッズも用意。
また、会期中の7月28日には西村ツチカさんと加藤久仁生さんのトークイベントをオンラインで開催します。
フェア「『さいごのゆうれい』×『オイモはときどきいなくなる』 ー往還-うら山のロールキャベツ」について
この4月に刊行された斉藤倫さん3年ぶりの書き下ろし長編『さいごのゆうれい』、そして7月に刊行される田中哲弥さん7年ぶりの新作『オイモはときどきいなくなる』。
まったく違う時間を通り抜けてきたにも関わらず、このふたつの作品は、その誕生の瞬間から、どこか不思議に静かに響き合っていました。
そのかすかな音を頼りに、まじわらないはずだったふたつの作品と、4人の作り手が、邂逅を果たします。
『さいごのゆうれい』の絵を描いた西村ツチカさんが、『オイモはときどきいなくなる』の絵を、『オイモはときどきいなくなる』の絵を描いた加藤久仁生さんが『さいごのゆうれい』の絵を、それぞれ新たに描き下ろします。
そして、斉藤倫さんは『オイモはときどきいなくなる』によせた詩を、田中哲弥さんは『さいごのゆうれい』をモチーフにした短編を創作しました。
4人の作り手が互いの作品を往還しながらいったい何を生み出すのか。そして、作品のなかで、彼らのなかで響き合うものは何なのか。これまでになかった、贅沢な試みです。
★フェア詳細:https://store.tsite.jp/daikanyama/event/kids/20848-2021320625.html
<展示内容>
◎西村ツチカさん描きおろし原画『オイモはときどきいなくなる』展示販売5点
◎加藤久仁生さん描きおろし原画『さいごのゆうれい』展示5点うち販売1点
◎斉藤倫さん 詩『レオンさんに』
◎田中哲也さん 短編『ミャオ・ターさんが来た』
◎『さいごのゆうれい』原画(展示)
◎『オイモはときどきいなくなる』原画(展示)
<西村ツチカさん×加藤久仁生さん トークイベント>
7月28日19時~ZOOMオンライン配信!
★詳細&申込み:https://store.tsite.jp/daikanyama/event/kids/21023-1500350704.html
<フェアグッズ(販売)>
◎額装アートプリント
◎一筆箋
◎お菓子BOX
◎マグカップ
◎ポストカードセット
著者プロフィール
■斉藤倫(さいとう・りん)さん
1969年生まれ。詩人。2004年『手をふる手をふる』(あざみ書房)でデビュー。
長篇デビュー作『どろぼうのどろぼん』(福音館書店)で第48回児童文学者協会新人賞、第64回小学館児童出版文化賞を受賞。
主な作品に『せなか町から、ずっと』『クリスマスがちかづくと』『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』(以上福音館書店)、『レディオワン』(光村図書)、絵本『とうだい』(絵小池アミイゴ/福音館書店)、『レミーさんのひきだし』(共作うきまる・絵くらはしれい/小学館)『まちがいまちにようこそ』(共作うきまる・絵及川賢治/小峰書店)などがある。
■田中哲弥(たなか・てつや)さん
1963年生まれ。神戸市出身。関西学院大学卒行。文学修士。大学在学中の1984年に星新一ショートショートコンテスト優秀賞を受賞。放送作家、コピーライターなどを経て、1993年『大久保町の決闘』(電撃文庫のちハヤカワ文庫)で長編デビュー。
主な作品に『鈴狐騒動変化城』(福音館書店)、『やみなべの陰謀』(ハヤカワ文庫)など。
■西村ツチカ(にしむら・つちか)さん
1984年生まれ。漫画家。2010年、短篇集『なかよし団の冒険』(徳間書店)でデビュー。同作で、第15回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞。
主な作品に『かわいそうな真弓さん』(徳間書店)、『北極百貨店のコンシェルジュさん』『西村ツチカ短編集アイスバーン』『さよーならみなさん』(以上小学館)などがある。そのほか、装画、挿絵も『シンドローム』(作:佐藤哲也さん/福音館書店)、『赤毛のゾラ上・下』(作:クルト・ヘルト・訳:酒寄進一さん/福音館文庫)など、多数手がけている。
■加藤久仁生(かとう・くにお)さん
1977年生まれ。鹿児島出身。2001年、多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。アニメーションや絵本などを制作している。
主なアニメーション作品に『或る旅人の日記』『つみきのいえ』『情景』など。著書に『つみきのいえ』『あとがき』(ともに白泉社)などがある。
さいごのゆうれい (福音館創作童話シリーズ) 斉藤倫 (著), 西村ツチカ (イラスト) これは、きみたちから見たら、ちょっとだけ、未来の話。ぼくからしたら、ちょっとだけ、昔の話。世界中が「かなしみ」や「こうかい」を忘れて、だれもができたてのパンみたいに、ふわふわして、しあわせだった時代。みんなが〈大幸福じだい〉と呼んだ、そんなときがあった。その〈大幸福じだい〉の夏休み、小五だったぼくは、いなかのおばあちゃんちにあずけられた。空港と大自然のあるその町で、大好きな飛行機と空港をながめてすごしていたぼくは、いわゆる「お盆」っていわれる何日間かの、その最初の日に、ちいさなゆうれいに出会った。そのゆうれいは、ゆうれいの国から「お盆航空」乗って、たったひとり、このいなかの空港に降り立った。名前はネム。ネムがいうには、いまやゆうれいは絶滅の危機にひんしているという。もしかしたら、自分がさいごのひとりかもしれないと。ゆうれいを救い、そして世界をとりもどすために、ゆうれいと過ごした四日間。 |
オイモはときどきいなくなる (福音館創作童話シリーズ) 田中 哲弥 (著), 加藤 久仁生 (イラスト) モモヨは小学三年生。おねえちゃんのみどりちゃんは中学生。部活は科学技術部。なんだか早口言葉みたい。赤科学技術部青かばこぎじゅぷじゅ黄かがちゅきちゅぶちゅ。近くにモモヨがよく遊びに行ってた、レオンさんの住んでるお屋敷がある。レオンさんはかなりおばあさん。オイモはモモヨの家の犬のこと。子犬のときジャガイモみたいだったからそういう名前になった。今はシカっぽい。オイモはときどきいなくなるけど、いつも暗くなる前に帰ってくる。それが、その日は晩ごはんの時間になっても帰ってこなくて、モモヨは、ずっとあわあわしてた。でも心配してるのはモモヨだけで。みんななんでか気にしてなくて。そこにいること、もうそこにはいないこと、今のこと、昔のこと、ほんとうのこと、ゆめのこと。そのすべての境目が浮かんでは消えながら、四季の移り変わりのなかで、『つみきのいえ』の加藤久仁生の絵とともにつむがれる、ときどきとえいえんの物語。 |
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