本のページ

SINCE 1991

【第20回石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞】三上智恵さん『証言 沖縄スパイ戦史』などが受賞

早稲田大学は、広く社会文化と公共の利益に貢献したジャーナリストを顕彰する2020年度(第20回)「石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞」の受賞作品を発表しました。

 

第20回石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞が決定!

早稲田大学は、受付期間内に応募・推薦された147作品の中から、次のとおり2部門にて「大賞」3作品、および3部門にて「奨励賞」3作品を決定しました。

 
<「第20回石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞」 受賞作品>

【大賞】

第20回 早稲田ジャーナリズム大賞大賞作品

第20回 早稲田ジャーナリズム大賞大賞作品

■公共奉仕部門

◎かんぽ生命不正販売問題を巡るキャンペーン報道(西日本新聞)

◎「桜を見る会」追及報道と『汚れた桜「桜を見る会」疑惑に迫った49日』の出版
 ネットを主舞台に多様な手法で読者とつながる新時代の試み (毎日新聞ニュースサイト、毎日新聞出版)

■草の根民主主義部門

◎『証言 沖縄スパイ戦史』 書籍(著:三上智恵さん/集英社新書)

 
【奨励賞】

第20回 早稲田ジャーナリズム大賞奨励賞作品

第20回 早稲田ジャーナリズム大賞奨励賞作品

■公共奉仕部門
『ふくしま原発作業員日誌 イチエフの真実、9年間の記録』 書籍(著:片山夏子さん/朝日新聞出版)

■草の根民主主義部門
NHK BS1スペシャル「封鎖都市・武漢~76日間 市民の記録~」(NHK BS1スペシャル)

■文化貢献部門
サクラエビ異変(静岡新聞、静岡新聞HP)

 
選考委員は、秋山耿太郎さん(朝日新聞社元社長)、瀬川至朗さん(早稲田大学政治経済学術院教授<ジャーナリズム研究>)、高橋恭子さん(早稲田大学政治経済学術院教授<映像ジャーナリズム論>)、武田徹さん(ジャーナリスト/専修大学文学部教授)、土屋礼子さん(早稲田大学政治経済学術院教授<メディア史、歴史社会学>)、中谷礼仁さん(早稲田大学理工学術院教授<建築史、歴史工学研究>)、中林美恵子さん(早稲田大学社会科学総合学術院教授<政治学、国際公共政策>)、アンドリュー・ホルバートさん(城西国際大学招聘教授/元日本外国特派員協会会長)、山根基世さん(アナウンサー)、吉岡忍さん(作家/日本ペンクラブ会長)。

各受賞作品の詳細、授賞理由、受賞者コメントなどは、https://www.waseda.jp/top/news/71585 をご覧ください。

 

「石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞」について

早稲田大学は、建学以来多くの優れた人材を言論、ジャーナリズムの世界に送り出してきました。同大学では、「先人たちの伝統を受け継ぎ、この時代の大きな転換期に自由な言論の環境を作り出すこと、言論の場で高い理想を掲げて公正な論戦を展開する人材を輩出すること」を使命であり、責務としています。

 
「石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞」は、このような背景のもと、社会的使命・責任を自覚した言論人の育成と、自由かつ開かれた環境の形成への寄与を目的として2000年に創設。翌2001年より毎年、不特定多数を対象としたメディアに公表された作品を対象に、広く社会文化と公共の利益に貢献したジャーナリスト個人の活動を発掘、顕彰しています。

本賞は、公共奉仕部門・草の根民主主義部門・文化貢献部門の3部門が設けられており、各部門の大賞受賞者には正賞(賞状)と副賞(記念メダル)および賞金50万円が贈呈されます。また、奨励賞を贈呈する場合があり、受賞者には正賞(賞状)と副賞(記念メダル)および賞金10万円が贈られます。

また、各部門受賞者はジャーナリストを志す同大学の学生のための記念講座にて講義を行う予定です。

★歴代受賞作品:https://www.waseda.jp/top/about/activities/j-award/winning

 

汚れた桜 「桜を見る会」疑惑に迫った49日
毎日新聞「桜を見る会」取材班 (著)

明細書のない前夜祭、黒い友達関係、消された招待者名簿…「まるで『脱法内閣』じゃないか!」その時、記者たちが動いた!

――本書は世の中を揺るがしたスクープの回顧録ではない。生々しい政界の裏話でもない。ただ、SNSを通じて届く人々の声を背に、桜を見る会で何が起きたのか、そもそも何が問題なのかを、問題が発覚してから2019年最後の野党による政府ヒアリング(12月26日)までの49日間、できるだけ分かりやすく伝えようとしてきた記者たちの記録である。 そして、記者の動きを追っていただくことで、日々SNSに流れてくる断片的なニュースにどういう意味があるのか、理解を深めていただくための書である。
――「はじめに」より

証言 沖縄スパイ戦史 (集英社新書)
三上 智恵 (著)

陸軍中野学校「秘密戦」の真相

証言と追跡取材で迫る、青年将校の苦悩と少年兵が戦った沖縄戦、最暗部の記録

軍隊が来れば必ず情報機関が入り込み、住民を巻き込んだ「秘密戦」 が始まる――。
第二次大戦末期、民間人を含む20万人余が犠牲になった沖縄戦。
第32軍牛島満司令官が自決し、1945年6月23日に終わった表の戦争の裏で、北部では住民を巻き込んだ秘密戦が続いていた。
山中でゲリラ戦を展開したのは「護郷隊」という少年兵達。
彼らに秘密戦の技術を教えたのは陸軍中野学校出身の青年将校達だった。
住民虐殺、スパイリスト、陰惨な裏の戦争は、なぜ起きたのか?
2018年公開後、文化庁映画賞他数々の賞に輝いた映画「沖縄スパイ戦史」には収まらなかった、30名余の証言と追跡取材で、沖縄にとどまらない国土防衛戦の本質に迫る。

ふくしま原発作業員日誌 イチエフの真実、9年間の記録
片山 夏子 (著)

青木理氏も絶賛した東京新聞記者9年に渡る壮絶な「現場」取材
終わらない廃炉、イチエフ作業員たちの生の声が詰まった一冊
箝口令が敷かれた作業員たちを、東京新聞記者が9年にわたり取材して見えてきた、福島第一をめぐる真実。

【終わらない廃炉、イチエフ作業員たちの声】
「誰かがやらなきゃらないなら俺が……」(47歳・下請け作業員)
「ゼネコンはいいなあ。俺らは原発以外仕事がないから、使い捨て」(35歳・カズマさん)
「自分は“高線量要員”だった」(45歳・下請け作業員)
「作業員が英雄視されたのなんて、事故後のほんの一瞬」(56歳・ヤマさん)
「地元では、東電社員になることは憧れだった」(30代・下請け作業員)

【内容】
水素爆発が何度も発生し、高い被ばくをする危険な場所で、命を賭してまで働くのはなぜなのか――
2011年3月に起こった福島第一原発事故当初から、片山記者が抱えてきた疑問を胸に、作業員たちへの取材がはじまった。

高線量下で日当6500円、7次請け、8次請け……原発の多重下請け構造、政府の事故収束宣言とともに悪化する作業員たちの待遇、1日400トン生まれる汚染水との闘い、作業員の被ばく隠し、がん発病と訴訟……、作業員たちの生の声を9年間聞き続けて浮き彫りになった、福島第一をめぐる真実。

 
【関連】
第20回ジャーナリズム大賞作品決定 – 早稲田大学

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です