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アフガン支援に半生を捧げた医師・中村哲さん自伝『天、共に在り』が増刷&担当編集者による寄稿文をWebで公開

中村哲さん第1回城山三郎賞受賞作『天、共に在り~アフガニスタン三十年の闘い』が増刷

中村哲さん第1回城山三郎賞受賞作『天、共に在り~アフガニスタン三十年の闘い』が増刷

アフガニスタンで長年、支援活動を行ってきた医師の中村哲さんが2019年12月4日に銃弾に倒れてから一年、アフガンNGOガフワラによる絵本『カカ・ムラド~ナカムラのおじさん』や『天、共に在り~アフガニスタン三十年の闘い』の英語版が出版され、テレビや新聞、雑誌で特集が組まれるなど、今も多くの人がその死を悼んでいます。

2020年12月、NHK出版は、書店や読者からの多くの問い合わせに対応し、中村哲医師の著書『天、共に在り』の17刷増刷(累計6万8500部)を決定しました。同書は、日本から6000キロ彼方のアフガンの地で1600本の井戸を掘り、25.5キロに及ぶ用水路を拓いた日本人医師の唯一の自伝で、第1回 城山三郎賞および第4回 梅棹忠夫 山と探検文学賞の受賞作です。

今回の増刷に合わせて、担当編集者が本書制作時の中村医師とのやり取りを回想した寄稿文「中村哲さんとの思い出」をNHK出版WEBマガジン「本がひらく(https://nhkbook-hiraku.com/n/n58f84ead1aa2)」に公開しました。

 

寄稿文「中村哲さんとの思い出」より(抜粋)

「最近になって、初版時の帯のメインコピーについて尋ねられる機会が増えてきました。そのコピーとは、「道で倒れている人がいたら手を差し伸べる――それは普通のことです」というもので、(中略)あの言葉の出典は何かと聞かれるようになったのです。実はあの一文は、『天、共に在り』や中村先生のほかの本に出てくるものではありません。私が何度かうかがった先生の講演会で幾度となく耳にしたのが、あの言葉だったのです。」
(特別寄稿より抜粋)

 

中村哲さん プロフィール

著者の中村 哲(なかむら・てつ)さんは、1946年福岡県生まれ。九州大学医学部卒業。医師・PMS(平和医療団・日本)総院長。

1984年にパキスタンのペシャワールに赴任。1991年よりアフガニスタン東部山岳地帯に診療所を開設し、1998年に基地病院PMSを設立。2000年からは水源確保のための井戸掘削とカレーズ(地下水路)復旧を行う。2003年より2009年にかけて灌漑用水路を建設。マグサイサイ賞「平和と国際理解部門」、第61回菊池寛賞、第24回福岡アジア文化賞大賞、旭日双光章、アフガニスタン国家勲章、旭日小綬章(追贈)など、受賞(受章)多数。

著書に『ペシャワールにて』『医は国境を越えて』『医者 井戸を掘る』『医者、用水路を拓く』(以上、石風社)など。

 

天、共に在り アフガニスタン三十年の闘い
中村 哲 (著)

困っている人がいたら手を差し伸べる
――それは普通のことです。

1984年よりパキスタン、アフガニスタンで支援活動を続ける医師・中村哲。治療のために現地へ赴いた日本人の医者が、なぜ1600本もの井戸を掘り、25.5キロにもおよぶ用水路を拓くに至ったのか?「天」(自然)と「縁」(人間)をキーワードに、その数奇な半生をつづった著者初の自伝。

 
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