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【2019年度俳人協会四賞】俳人協会賞を小川軽舟さん『朝晩』が受賞 新人賞は沼尾将之さんと藤本夕衣さん、評論賞に角谷昌子さん

俳人協会は、優れた句集や評論などに贈られる俳人協会四賞(第59回俳人協会賞および第43回俳人協会新人賞、第34回俳人協会評論賞、第34回俳人協会評論新人賞)の受賞作を発表しました。

 

俳人協会四賞が決定!

俳人協会四賞が次の通り決定しました。

 
■第59回俳人協会賞

小川軽舟さん(おがわ・けいしゅう)さん
句集『朝晩』(ふらんす堂)

 
■第43回俳人協会新人賞

沼尾将之(ぬまお・まさゆき)さん
句集『鮫色』(ふらんす堂)

藤本夕衣(ふじもと・ゆい)さん
句集『遠くの声』(ふらんす堂)

 
■第34回俳人協会評論賞

角谷昌子(かくたに・まさこ)さん
『俳句の水脈を求めて 平成に逝った俳人たち』(角川文化振興財団)

 
■第34回俳人協会評論新人賞

該当者なし

 
俳人協会賞を受賞した小川軽舟さんは、1961年生まれ。千葉市出身。東京大学法学部卒業。1986年「鷹」に入会し、藤田湘子さんに師事。1999年「鷹」編集長に就任。2005年、藤田湘子さん逝去により「鷹」主宰を継承。2002年に句集『近所』で俳人協会新人賞、2005年に評論集『魅了する詩型』で俳人協会評論新人賞を受賞。

俳人協会新人賞を受賞した沼尾将之さんは、1980年生まれ。埼玉県狭山市出身。武蔵野美術大学油絵学科卒業。2009年「橘」入会。松本旭さんに師事。2011年に「橘」新人賞と埼玉文学賞を受賞。

同じく新人賞を受賞した藤本夕衣さんは、1979年生まれ。愛知県出身。京都大学教育学部卒業、同大大学院教育学研究科博士後期課程修了。2004年「ゆう」に入会し田中裕明さんに師事。2005年「ゆう」終刊後、「晨」「泉」に入会し、大峯あきらさん、綾部仁喜さんに師事。2008年に泉新人賞、2014年に泉賞を受賞。「晨」同人、「静かな場所」同人。清泉女子大学特任講師。

俳人協会評論賞を受賞した角谷昌子さんは、1954年生まれ。東京都出身。1988年「未来図」入会。1991年に「未来図」新人賞を受賞。

 
なお、授賞式は3月3日、東京都新宿区の京王プラザホテルで開催されます。

 

俳人協会四賞について

俳人協会賞は、俳人協会が1961年に創設した俳句の賞です。過去1年間に刊行された協会会員の句集を対象とします。1977年に、50歳以下の協会会員の第一句集を対象とした俳人協会新人賞が創設されました。

俳人協会評論賞は、1979年に創設された俳句評論賞です。協会会員による評論的著作を対象とします。1993年より新人賞も設けられています。

 

朝晩
小川 軽舟 (著)

句集名の『朝晩』は、文字通り朝と晩であるとともに、いつも、常々、日々の暮らしの中で、という意味合いが込められている。二〇一二年以降の作品から三六〇句を収録した第五句集。

◆自選一二句より
妻来たる一泊二日石蕗の花
雪降るや雪降る前のこと古し
葬送の鈸や太鼓や山笑ふ
夕空は宇宙の麓春祭
レタス買へば毎朝レタスわが四月
飯蛸やわが老い先に子の未来
松蝉の声古釘を抜くごとし
月涼し配管老いし雑居ビル
めらめらと氷にそそぐ梅酒かな
ひぐらしや木の家に死に石の墓

鮫色 (第一句集シリーズ―新橘叢書)
沼尾 将之 (著)

遠くの声
藤本夕衣 (著)

俳句の水脈を求めて 平成に逝った俳人たち (未来図叢書 第 210篇)
角谷 昌子 (著)

26名の俳人の作品・境涯から見えてくるものとは――

飯田龍太、飯島晴子、金子兜太など、昭和俳句を彩り、平成に逝去した26俳人。彼らはさまざまな苦難をどのように乗り越え、いかに俳句に光を求めたのか――。その作品と境涯から、俳句の力の根源を探る評論集。

 
【関連】
公益社団法人 俳人協会・俳句文学館

 


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