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【第7回河合隼雄物語賞・学芸賞】物語賞は三浦しをんさん『ののはな通信』、学芸賞は藤井一至さん『土 地球最後のナゾ』が受賞

河合隼雄財団は5月29日、第7回河合隼雄物語賞および第7回河合隼雄学芸賞の受賞作を発表しました。

 

第7回河合隼雄物語賞・学芸賞が決定!

第7回河合隼雄物語賞および第7回河合隼雄学芸賞の受賞作は次の通りです。

 
■第7回河合隼雄物語賞
三浦しをん(みうら・しをん)さん
『ののはな通信』(KADOKAWA)

■第7回河合隼雄学芸賞
藤井一至(ふじい・かずみち)さん
『土 地球最後のナゾ 100億人を養う土壌を求めて』(光文社新書)

 
受賞者の三浦しをんさんと藤井一至さんには記念品および副賞100万円が贈られます。

授賞理由や受賞の言葉など詳細は、
物語賞:http://www.kawaihayao.jp/ja/prize/2293.html
学芸賞:http://www.kawaihayao.jp/ja/prize/2297.html
をご覧ください。

また、正式な受賞の言葉や選評は『新潮』8月号(7月5日発売)誌上で発表されます。

 

受賞者プロフィール

■物語賞:三浦しをんさん

写真/石田祥平

写真/石田祥平

1976年生まれ。東京出身。2000年『格闘する者に〇(まる)』でデビュー。以後、『月魚』『ロマンス小説の七日間』『秘密の花園』などの小説を発表。『悶絶スパイラル』『あやつられ文楽鑑賞』『本屋さんで待ちあわせ』など、エッセイ集も注目を集める。

2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞、2012年『舟を編む』で本屋大賞、2015年『あの家に暮らす四人の女』で織田作之助賞、2019年『ののはな通信』で島清恋愛文学賞を受賞。

ほかの小説として、『むかしのはなし』『風が強く吹いている』『仏果を得ず』『光』『神去なあなあ日常』『天国旅行』『木暮荘物語』『政と源』『愛なき世界』などがある。

 
■学芸賞:藤井一至さん

1981年生まれ。富山県出身。京都大学農学研究科博士課程修了。博士(農学)。土の研究者。国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所主任研究員。
京都大学研究員、日本学術振興会特別研究員を経て、現職。カナダ極北の永久凍土からインドネシアの熱帯雨林までスコップ片手に世界各地、日本の津々浦々を飛び回り、土の成り立ちと持続的な利用方法を研究している。

第1回日本生態学会奨励賞(鈴木賞)、第33回日本土壌肥料学会奨励賞、第15回日本農学進歩賞を受賞。

著書に『大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち』(山と溪谷社)など。

 

河合隼雄物語賞・学芸賞について

河合隼雄さんは、臨床心理学者で、京都大学名誉教授、文化庁長官などを歴任。臨床心理学にとどまらず、日本文学をはじめ、児童文学、絵本、神話、昔話などの研究に取り組みました。

河合隼雄物語賞および河合隼雄学芸賞は、その河合隼雄さんの遺志を受け継ぎ、現代社会を生きる人びとのこころを豊かにし、日本文化の発展に寄与することを目的として設立された河合隼雄財団が主催。

 
物語賞は、人のこころを支えるような物語をつくり出した優れた文芸作品に与えられる賞で、児童文学もその対象としています。
選考委員は、上橋菜穂子さん、小川洋子さん、後藤正治さん、中島京子さん。

学芸賞は、優れた学術的成果と独創をもとに、様々な世界の深層を物語性豊かに明らかにした著作に与えられる賞です。
選考委員は、岩宮恵子さん、中沢新一さん、山極寿一さん、鷲田清一さん。

両賞とも、選考は1年ごとに行われ、毎年3月からさかのぼって2年の期間内に発表・発行された作品を選考対象とします。

 

ののはな通信
三浦 しをん (著)

最高に甘美で残酷な女子大河小説の最高峰。三浦しをん、小説最新作。

横浜で、ミッション系のお嬢様学校に通う、野々原茜(のの)と牧田はな。
庶民的な家庭で育ち、頭脳明晰、クールで毒舌なののと、
外交官の家に生まれ、天真爛漫で甘え上手のはな。
二人はなぜか気が合い、かけがえのない親友同士となる。
しかし、ののには秘密があった。いつしかはなに抱いた、友情以上の気持ち。
それを強烈に自覚し、ののは玉砕覚悟ではなに告白する。
不器用にはじまった、密やかな恋。
けれどある裏切りによって、少女たちの楽園は、音を立てて崩れはじめ……。

運命の恋を経て、少女たちは大人になる。
女子の生き方を描いた傑作小説。

土 地球最後のナゾ 100億人を養う土壌を求めて (光文社新書)
藤井 一至 (著)

土は地味だ。その研究者の扱いも、宇宙飛行士とは雲泥の差がある。
空港で土とスコップの機内持ち込みを謝絶されて落ち込んでいる大人を見たことがあるだろうか。業務として土を掘っているのに、通報され、職務質問を受けることすらある。やましいところは一切なく、土を掘るのを仕事にしている。何を好き好んで土なんて掘っているのかと思われるかもしれない。家や道をつくるためでもなければ、徳川埋蔵金を捜すためでも……ない。100億人を養ってくれる肥沃な土を探すためだ。
(「まえがき」を一部改変)

世界の土はたった12種類。しかし、毎日の食卓を支え、地球の未来を支えてくれる本当に「肥沃な土」はどこにある? そもそも土とは一体何なのか?
泥にまみれて地球を巡った研究者の汗と涙がにじむ、一綴りの宝の地図。

 
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