本のページ

SINCE 1991

【訃報】仏文学者・三輪秀彦さんが死去 『オペラ座の怪人』の翻訳など

フランス文学者で翻訳家の三輪秀彦(みわ・ひでひこ)さんが12月15日、肺炎のため死去しました。88歳。愛知県名古屋市出身。葬儀は近親者で行われました。

 
三輪秀彦さんは、1930年生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。國學院大學講師、明治大学教授などを歴任。

現代フランス文学の翻訳で活躍し、モーリス・ブランショ『死の宣告』やマルグリット・デュラス『ジブラルタルの水夫』などの先鋭的な作品から、「メグレ警部」シリーズのジョルジュ・シムノンなどの推理小説や、ジェラール・ド・ヴィリエのスパイ小説「SAS」シリーズ、ジュール・ヴェルヌのSF小説まで幅広く翻訳。ガストン・ルルー『オペラ座の怪人』の翻訳でも知られています。

著書に『猫との共存』『夢の中間に』『19ひきの猫と暮らすには』『夢と変容 二十世紀小説の軌跡』など。

 

ジブラルタルの水夫
第二次大戦後、アンチロマンの旗手とみなされて登場したフランスの女流作家デュラスの中期の代表作。「ジブラルタルの水夫」をどこまでも追いかけることが唯一の生きる目的となった不思議な女と、それに惹かれて付いていく一人の男…はたして「ジブラルタルの水夫」は見つかるのか?

 
オペラ座の怪人 (創元推理文庫 (530‐2))
夜ごと華麗な舞台が繰り広げられるオペラ座。だが、その地下では全く別のドラマが進行していた。幽霊騒ぎを端緒に、続発する奇怪な出来事。恋い慕う歌姫を追って事件に巻き込まれたシャニイ子爵の運命は? 人外境と化したオペラ座の奈落の闇にひそむ幽霊とは何ものなのか? 『黄色い部屋の謎』と並び称される、ルルーの代表的傑作!

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です