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中編小説レーベル「100 min. NOVELLA」第2弾!津村記久子さん『うどん陣営の受難』&高山羽根子さん『ドライブイン・真夜中』を同時刊行

動画配信サービス「U-NEXT」は、4月に創刊した中編小説の季刊レーベル「100 min. NOVELLA」の第2弾として、芥川賞作家の津村記久子さん、高山羽根子さんの書き下ろし小説2冊を刊行しました。
なお、10月には吉川トリコさん、2024年1月は高瀬隼子さんの作品を予定しています。

 

津村記久子さん『うどん陣営の受難』(イラスト:大河紀さん、デザイン:森敬太さん)

四年ごとに開かれる会社の代表選挙。一回目の投票は票が散らばったため、上位二名による決選投票が行われることになった。現体制は手堅い保守層から支持を集め、二番手につく候補は吸収合併した会社のプロパー社員のリストラ等過激なスローガンを掲げる。

接戦が予想される中、両陣営共に動向を窺うのは、一回目で三位につけた候補の支持者たちであった。運動員の送り込み、ハラスメント手前の圧力、上司からの探り…。社内政治の面倒臭さをリアルにコミカルに描く。

 
<津村記久子(つむら・きくこ)さん プロフィール>

1978年生まれ、大阪市出身。2005年「マンイーター」(のちに『君は永遠にそいつらより若い』に改題)で第21回太宰治賞、2009年「ポトスライムの舟」で第140回芥川賞、2016年『この世にたやすい仕事はない』で芸術選奨新人賞、2019年『ディス・イズ・ザ・デイ』でサッカー本大賞を受賞。

他の著作に『ミュージック・ブレス・ユー!!』『ワーカーズ・ダイジェスト』『サキの忘れ物』『つまらない住宅地のすべての家』『現代生活独習ノート』『やりなおし世界文学』『水車小屋のネネ』などがある。

 

高山羽根子さん『ドライブイン・真夜中』(イラスト:メリヤス ミドリさん、デザイン:森敬太さん)

芥川賞作家・高山羽根子さんが移民と差別をはらむ近未来を鋭利な筆致で描きとるディストピア小説。

移民は二通りの生き方を選択させられる。セイカツシャかヒョウゲンシャか。
ある日、セイカツシャである主人公は、勤めるドライブイン・レストランにやってきた刑事から「テロの予告があった」と知らされる。予告日は、ヒョウゲンシャの互助組織であるトモダチのパーティが開かれる日でもあった。

突然世話することになったノラ犬、騒擾の予告、深夜の乱痴気騒ぎ、それぞれが絡み合い行きつく結末は?

 
<高山羽根子(たかやま・はねこ)さん プロフィール>

1975年生まれ、富山県出身。2010年「うどん キツネつきの」で第1回創元SF短編賞佳作に選出され、デビュー。

2015年、短編集『うどん キツネつきの』が第36回日本SF大賞最終候補に選出。2016年「太陽の側の島」で第2回林芙美子文学賞を受賞。2019年「居た場所」で第160回芥川龍之介賞候補。「カム・ギャザー・ラウンド・ピープル」で第161回芥川龍之介賞候補。2020年「首里の馬」で第163回芥川龍之介賞を受賞。

他の著書に『オブジェクタム/如何様』『パレードのシステム』などがある。

 

「100 min. NOVELLA」について

「100 min. NOVELLA」《読み:ハンドレッド ミニッツ ノヴェラ》は、「今を生きる、生き抜いていく。」その伴走をする小説レーベルです。

約100分で夢中で読める中編小説を、1月、4月、7月、10月の年4回刊行。 装幀およびレーベルロゴは森敬太さんが担当。手に取りやすい判型と価格ながら、単行本のような豪華なアートワークでお届けします。

 

うどん陣営の受難
津村 記久子 (著)

ドライブイン・真夜中
高山 羽根子 (著)

<既刊>

観音様の環
李 琴峰 (著)

芥川賞作家・李琴峰が「家族」について問い直す傑作中編。田舎の狭い人間関係、排他的な空気、暴力的な父親、そして母親からの過度な期待と支配から逃れるように、瀬戸内の島から憧れの東京に出たマヤは、二丁目で出会った恋人・ジェシカとの結婚を機に、彼女の故郷であり、母の故郷でもある台湾へ渡る。旧暦の大晦日、ジェシカの親族が集まる年夜飯に誘われたマヤは、思いがけず母の生まれ育った町を訪れることになり、自分自身で封印していた記憶がどんどん蘇ってくる…。

 


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