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中世北欧文学の最高傑作『アイスランド サガ』がアイスランド独立記念日に復刊!

中世北欧文学の最高傑作と讃えられながら、長く入手困難だった『アイスランド サガ』が、「新版」として6月17日(アイスランド独立記念日)に新潮社より復刊されます。

 

13世紀のアイスランドで花開いた雄渾華麗な物語が、最新の研究成果を踏まえた図版・系図・地図・文献案内を備えて復刊

「サガ」とは、語り、語られた出来事、物語の意で、ヴァイキング時代の9~10世紀に人々がノルウェーからアイスランドへ入植した経緯、活躍した英雄、血族同士の復讐の応酬、異教時代の魔法や呪いなどを活写した壮大な史伝的散文作品が200篇ほど伝わっています。

 
本書は北欧文学研究者の谷口幸男さんが、その中から圧巻とされる6篇を選んで古アイスランド語から直接に翻訳し、『アイスランド サガ』として1979年に刊行された旧版をもとに、監修者による訳文の点検や文字拡大を施し、新たに図版・系図・地図・文献案内を加えた「新版」としての復刊です。長らく入手困難だった「幻の名著」がついに蘇ります。

 
<幸村誠さん、推薦!>
漫画『ヴィンランド・サガ』を描く上で、本書が最大の参考資料、一番の元ネタです!

 
【本書に収録されるサガ】

◎エギルのサガ:巨漢のエギルが、ヴァイキング気質と比類ない詩才をもって王や難敵と渡り合う激動の生涯。

◎グレティルのサガ:人を殺め追放されたグレティルの、十九年間にわたる数々の武勇伝。

◎ラックサー谷の人びとのサガ:美貌で誇り高く、情熱を内に秘めた女性グズルーンの悲劇的な物語。

◎エイルの人びとのサガ:首長スノッリの政治や宗教的祭式、民衆の生活や習俗。

◎ヴォルスンガサガ:ワグナーの楽劇やトールキンの『指輪物語』の題材となった異色譚。

◎ニャールのサガ:最も長いサガ。海の勇士グンナルの一生と、ニャール一族の死とその復讐。

 

訳者・監修者の言葉

 
◆訳者・谷口幸男さん
サガ作品は、異教時代からキリスト教改宗期にまたがる、いわゆるヴァイキング時代と呼ばれる激動の時期を生きた北欧の農民層を活写しているという意味において、世界文学史上の偉観ということができる。()

 
◆監修者・松本涼さん
サガを読むと、ふだん何気なくゲームのなかで接している名前がじつは七百年以上前のアイスランドで書かれた文献にルーツをもつことがわかる。

 

訳者、監修者プロフィール

 
■訳者:谷口幸男(たにぐち・ゆきお)さん

1929年生まれ、東京都出身。東京大学文学部独文科卒業。広島大学名誉教授。ドイツ語学・文学、北欧文学、ゲルマン文化史専攻。アイスランドを中心とする中世期の北欧文学を体系的に翻訳・紹介するとともに、日本アイスランド研究会(現・日本アイスランド学会)初代会長を務めるなど、日本における古北欧文学研究を牽引。

『エッダ―古代北欧歌謡集』(新潮社)で日本翻訳文化賞を、本書初版『アイスランド サガ』(新潮社)で藤村記念歴程賞を受賞。1990年、アイスランド政府より鷹勲章を、2012年には瑞宝中綬章を受章。2021年没。

 
■監修者:松本涼(まつもと・さやか)さん

1982年生まれ、静岡県出身。京都大学文学研究科修了。福井県立大学学術教養センター准教授。中世アイスランド史専攻。中世アイスランド社会を対象に、権力行使の在り方や人々の生活について研究。

共著に『アイスランド・グリーンランド・北極を知るための65章』(小澤実さん・中丸禎子さん・高橋美野梨さん編著/明石書店)など。

 

【新版】アイスランド サガ
谷口 幸男 (翻訳), 松本 涼 (監修)

これぞ中世北欧文学の最高峰――幻の名著が新装版で待望の復刊!
「サガ」とは、語り、語られた出来事、物語の意。十三世紀頃のヴァイキング時代に人々がノルウェーからアイスランドへ入植した経緯、活躍した英雄、血族同士の復讐、異教時代の魔法や呪いなどを活写した壮大な史伝的散文作品のうち、本書は圧巻とされる六篇を収める。最新の研究を踏まえた図版・系図・地図・文献案内付き。

 


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