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立原透耶さん編纂の中華SFアンソロジー第2弾『宇宙の果ての本屋』が刊行

2021年に「中華圏SF作品の翻訳・紹介の業績」を評価されて「第41回日本SF大賞」特別賞を受賞した立原透耶さん編纂の中華SFアンソロジー第2弾『宇宙の果ての本屋』が新紀元社より刊行されました。

 
『時のきざはし 現代中華SF傑作選』に続き、掲載作家は『三体』の著者・劉慈欣さんと並び称される、王晋康さんや韓松さん、何夕さんといったベテランをはじめ、梁清散さん、陳楸帆さん、宝樹さんなど、中堅・新人の全15人。

陸秋槎さんの新作「杞憂」の初邦訳作品をはじめ、20年前にこのコロナ禍を予言したかのような「死神の口づけ」(潭楷さん)ほか、SFから幻想譚まで豊富な内容で、表題作「宇宙の果ての本屋」(江波さん)は本好きなら誰もが感動する一編となっています。

 
【収録作家】 ※敬称略
顧適/何夕/韓松/宝樹/陸秋槎/陳楸帆/王晋康/王侃瑜/程婧波/梁清散/万象峰年/譚楷/趙海虹/昼温/江波
翻訳者:立原透耶ほか

 
<本書「解説」より>

「世界の中で中国とは何か?」との問いかけが無意識のうちになされているように思う。
つまり中国SFが世界で読まれることを理解している中国作家の多くは、人類もしくは現代世界の諸問題への問題意識を他国の作家と共有しているということだ。
――林譲治

 
<編纂者プロフィール>

立原透耶(たちはら・とうや)さんは、1969年生まれ、奈良県出身。大阪市立大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。大学在学中の1991年に「夢売りのたまご」(立原とうや名義)で第18回コバルト・ノベル大賞読者大賞を受賞、翌年『シャドウ・サークル 後継者の鈴』(コバルト文庫)でデビュー。

以後、《冥界武侠譚》シリーズ(集英社スーパーファンタジー文庫/1997~2000年)、『竜と宙』(幻狼ファンタジアノベルス/2008年)、《ひとり百物語 怪談実話集》シリーズ(メディアファクトリー、2009~2012年)など多数の作品を発表(2000年から現在の名義を使用)。2016~2018年にかけてその一部が『立原透耶著作集』全5巻(彩流社)にまとめられた。

中国文学研究者として、札幌の大学で教鞭を執る傍ら多くの論文やエッセイなどを執筆。2007年に横浜で開催された世界SF大会では、パネリストに韓松さん、 狩野あざみさんを招き、「アジアのSFと周辺事情~現状を語る」パネルの司会を務めた。呉岩さん「マウスパッド」をはじめとする中華SFの翻訳も多く手掛け、翻訳監修を務めた劉慈欣さん『三体』日本語版(早川書房/2019年)は第51回星雲賞海外長編部門を受賞した。

 

宇宙の果ての本屋 現代中華SF傑作選
顧適 (著), 何夕 (著), 韓松 (著), 宝樹 (著), 陸秋槎 (著), 陳楸帆 (著), 王晋康 (著), 王侃瑜 (著), 程婧波 (著), 梁清散 (著), 万象峰年 (著), 譚楷 (著), 趙海虹 (著), 昼温 (著), 江波 (著), 立原 透耶 (編集, 翻訳)

第41回 日本SF大賞 特別賞を受賞した立原透耶編纂の中華SFアンソロジーがついに発売。

<既刊>

時のきざはし 現代中華SF傑作選
江波 (著), 何夕 (著), 糖匪 (著), 昼温 (著), 陸秋槎 (著), 陳楸帆 (著), 王晋康 (著), 黄海 (著), 梁清散 (著), 凌晨 (著), 双翅目 (著), 韓松 (著), 吴霜 (著), 潘海天 (著), 飛氘 (著), 靚霊 (著), 滕野 (著), 立原 透耶 (編集)

本邦における中華SF紹介の第一人者たる立原透耶氏が、数多ある短編作品から十七篇の傑作を厳選。
劉慈欣と並び「中国SF四天王」と称される王晋康、韓松、何夕の三大家をはじめ、台湾SF界の長老・黄海から、ハードSFの江波、詩情に満ちた作風の潘海天、清朝スチームパンクの梁清散ら中堅・ベテラン作家、日本でもおなじみの陸秋槎、さらには糖匪、昼温ら、若手・女性作家の作品までを収録。
全編本邦初訳。表題作「時のきざはし」は、ここ数年次々と大きな賞を獲得している期待の新鋭、滕野の代表作のひとつ。
個性豊かな物語の紡ぎ手十七名による、多彩な現代中華SFを、存分にお楽しみください。

 


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