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養老孟司さん×C・W ニコルさん『「身体」を忘れた日本人』が刊行

養老孟司さんとC・W ニコルさんが自然と切り離された現代人のさまざまな問題を語る『「身体」を忘れた日本人』がヤマケイ文庫より刊行されました。

 

養老孟司さんとC・W ニコルさんが現代人の自然欠乏による「身体感覚の衰え」を語る

本書は、解剖学者・養老孟司さんと作家・冒険家の故C・Wニコルさんが、2014年に黒姫の「アファンの森」と箱根の「箱根昆虫館」で実施したお二人の対談をもとに構成されています。

 
現代の森や川といった自然環境の話から始まり、日本人の食や住まいに関すること、教育のこと、意識のこと、生物のこと―。自然が大好きでさまざまな経験をしてきたお二人の軽快なやり取りを挟みつつ、話は進んでいきます。

 
アレルギーになる子ども、災害時に火をおこすことが出来ない大人たち。便利になりすぎた都市生活によって、あまりに自然と切り離された生活になっていないだろうか。そして自然と触れる機会もなくなった現代人は、嗅覚、免疫といった身体機能も衰えている―。そんな都市生活によって「身体」感覚の衰えた日本人と自然との関係をテーマに、さまざまな問題について熱く語り合います。

 
幼少の頃から自然に深く触れてきたお二人が、自然欠乏となった現代の日本のさまざまな問題に触れ、その解決方法を提示しています。

 
※本書は、2015年10月に刊行した同名の書籍を文庫化したものです。文庫化に伴い、お二人と交流のある武術研究家・甲野善紀さんの解説を追加しています。

 

本書の構成

第一章  森と川と海のこと

第二章  食べること、住まうこと

第三章  子どもたちと教育のこと

第四章  虫のこと、動物のこと

第五章  五感のこと、意識のこと

第六章  聞くこと、話すこと

第七章  これからの日本のこと

対談を終えて

文庫版解説 甲野善紀

 

著者プロフィール

 
■養老孟司(ようろう・たけし)さん

1937年生まれ、神奈川県鎌倉市出身。解剖学者。東京大学名誉教授。1962年に東京大学医学部を卒業。1981年、東京大学医学部教授に就任。1995年に東京大学を退官。脳科学や人間の身体に関するテーマをはじめ、幅広い執筆活動を行う。昆虫研究でも知られ、2022年7月まで福島県須賀川市の科学館「ムシテックワールド」の館長を務めた。

著書に『養老先生と虫』(山と渓谷社)、『バカの壁』『「自分」の壁』(新潮社)ほか多数。

 
■C・Wニコル(クライヴ・ウィリアム・ニコル)さん

1940年生まれ、英国ウェールズ出身。作家、環境保護活動家、探検家。カナダ水産調査局主任技官、エチオピア・シミエン山岳国立公園長などを歴任後、1980年長野県に居を定める。1986年、荒れ果てた里山を購入し「アファンの森」と名付け、森の再生活動を始める。2002年「一般財団法人C.W.ニコル・アファンの森財団」を設立し、理事長となる。

著書に『勇魚』(文藝春秋)、『風を見た少年』(講談社)ほか多数。2020年、79歳で逝去。

 

ヤマケイ文庫 「身体」を忘れた日本人 JAPANESE,AND THE LOSS OF PHYSICAL SENSES
養老 孟司 (著), C.W.ニコル (著), 青山 聖子 (その他)

豊かな自然と付き合う中で、身体を使って暮らしてきたはずの日本人。
解剖学者・養老孟司とナチュラリストのC・W ニコルが、現代人の自然欠乏による「身体感覚の衰え」を語る。

解剖学者・養老孟司氏と作家・冒険家のC・W ニコル氏が、都市生活によって衰えた日本人の身体をテーマに、子どもたちのこと、食べるということ、極地での気づきなどさまざまな問題に切り込んだ対談集。

アレルギーになる子ども、災害時に火をおこすことが出来ない大人たち。
便利になりすぎた都市生活によって、あまりに身体を使わない世の中になっていないだろうか。
そして自然と触れる機会もなくなった現代人は、嗅覚、免疫といった身体機能も衰えている―。
そんな問題意識から、話は広がっていきます。

文庫版には、著者のお二人と交流がある甲野善紀先生による解説を追加しています。

 


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