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地味で平凡な主婦×キャバクラ嬢〈異色バディ〉のノンストップ逃走劇! 宇佐美まことさん『誰かがジョーカーをひく』が刊行

宇佐美まことさん著『誰かがジョーカーをひく』(カバーイラスト:原倫子さん/徳間書店)

宇佐美まことさん著『誰かがジョーカーをひく』(カバーイラスト:原倫子さん/徳間書店)

宇佐美まことさんによる、地味で平凡な主婦とキャバクラ嬢による異色のバディ・ミステリー『誰かがジョーカーをひく』が徳間書店より刊行されました。

 

「現金3000万円。このお金、二人で山分けしない?」地味で平凡な主婦×行動力あるキャバクラ嬢、異色バディのノンストップ逃走劇が始まった!

 
【あらすじ】

沙代子は夫の暴言に耐えきれず、衝動的に家を出て、車を走らせていた。そこに飛びだしてきたのはキャバクラ嬢の紫苑(しおん)。彼女は沙代子の車に乗り込んできて、スポーツ公園の体育館の植栽に隠されているボストンバッグの回収を命じた。中に入っていたのは、なんと現金3000万円!

紫苑は金の持ち逃げを提案。この金があれば、沙代子の実家・印刷所の倒産はまぬがれる。しかし、その金は実は誘拐事件の身代金で……。暴力団に、闇の犯罪集団。想定外の連中に追われる羽目に陥った二人。

異色のバディは窮地を乗り切ることが出来るのか?

 
<著者コメント>

女性が主人公のハードボイルドな小説が書きたかった。
期せずして巻き込まれてしまった窮地から知恵と力を駆使して脱していく物語が。
でも彼女は中年、小太り、専業主婦!(たった一つの武器は料理の腕)
――宇佐美まこと

 

著者プロフィール

宇佐美まこと(うさみ・まこと)さんは、1957年生まれ、愛媛県出身。2007年『るんびにの子供』でデビュー。

2017年『愚者の毒』で第70回日本推理作家協会賞〈長編及び連作短編集部門〉を受賞。2020年『ボニン浄土』で第23回大藪春彦賞候補に、『展望塔のラプンツェル』で第33回山本周五郎賞候補に選ばれる。2021年『黒鳥の湖』がWOWOWでテレビドラマ化。

その他の著書に『熟れた月』『骨を弔う』『羊は安らかに草を食み』『子供は怖い夢を見る』『ドラゴンズ・タン』『逆転のバラッド』などがある。

 

誰かがジョーカーをひく
宇佐美まこと (著)

胸のすくノンストップアクション。平凡な主婦が巻き込まれる誘拐事件! わくわくドキドキ冒険の日々。
女性たちの爽快な行動力が一気読みさせる書き下ろし長編!

地方都市にすむ本作な平凡な主婦・沙代子はおんぼろ軽四・ピンクのラパンで走行中、飛び出してきたキャバラ嬢・紫苑と接触事故で遭遇。現金3千万円入りのボストンバッグを受け取る羽目に。

入れあげていたホストの俊に依頼された紫苑は、沙代子と折半にしようと、金の持ち逃げを提案。
この金があれば実家の倒産はまぬがれる。しかし、その金は誘拐事件の身代金だった。
紫苑と沙代子はやばい組織からも追いかけられる。そして、人質の女子高生・船場陽向(ひなた)は、より、したたかだった。
隙を見て、ホストの俊の部屋に逃げ込んできた。俊を巡る紫苑と陽向の争いに、陽向のいとこ・夏凜(かりん)という娘もからんできて、追われるなか、船場陽向の父親の会社の権力抗争も背後に見え、事件は四つ巴、5つ巴の様相を呈してきた。
巻き込まれる過程で、変化してくる沙代子の意識…。

陽向の家の入船家は、光洋物産の社長の座にいる父・史郎と、双子の弟孝和が権力争いをしている様子。孝和はライバル社と密かに通じて、二社の合併を画策している。光洋物産内の重要な情報を流し、合併後は兄を失脚させ、自分が重役の座につく胸算用をしている。史郎には陽向、孝和には夏凜という同い年の娘が一人ずついる。弾けて遊び回る陽向と違い、夏凜は成績も優秀で、将来性のある娘。親からも期待をかけられている。

陽向が見せてくれたいとこの夏凜の写真は、黒髪眼鏡で生真面目そうな正反対の少女だった。主婦とキャバ嬢、ホストと誘拐されたJKという4名の隠れ家生活の中で、陽向は家には帰らず、誘拐の依頼人あぶり出しを画策し、紫苑もなにか隠している。

誘拐を実行した犯罪集団も黙ってはいない。犯罪集団にこの誘拐を持ちかけ、裏で糸を引いているらしき人物も見え隠れしてきた。目まぐるしく状況が変化して全貌が見えない中、とうとう史郎が警察に通報したようで、身代金の受け渡し現場に現れた垢抜けない中年女の画像がニュースで流れる。仰天する沙代子。知り合いが見れば、沙代子だとわかるのではないか? 特に夫が見れば。青くなっているのでは? 

沙代子はおんぼろ軽四・ピンクのラパンで、夜の街を疾走する。胸のすくコンゲーム・ハードボイルド!

 


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