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沢木耕太郎さん初の国内旅エッセイ『旅のつばくろ』が文庫化

ノンフィクションライター沢木耕太郎さん初の国内旅エッセイ『旅のつばくろ』が文庫化され、新潮文庫より刊行されました。

 

コロナ禍で多くの旅好きを励ました沢木耕太郎さん初の国内旅エッセイ『旅のつばくろ』

本書はJR東日本の車内誌「トランヴェール」の巻頭に連載されたエッセイをまとめたもの。単行本刊行直後に新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が発出され、外出が大幅に制限されるなか、旅に出る代わりに本書を手にして下さった読者は数多く、電子書籍とあわせて4万人以上の旅を愛する方々の心を励ましました(沢木さん自身は、自粛期間を大型ノンフィクション『天路の旅人』の準備に費やし、少しも退屈しなかったとか……)。

 
代表作『深夜特急』で知られる通り、沢木さんは世界中を旅し続けていますが、その最初の旅は16歳の時の東北旅行でした。本書ではその少年時代の足跡を辿り、本州の「北の端」龍飛崎や太宰治の生家のある五所川原、宮沢賢治が愛した故郷・花巻のほか、絶景広がる軽井沢や兼六園などを歩き、意外にもはじめてとなる国内旅について綴ったエッセイ集となりました。

 
なお、紙書籍と同日に配信開始となる本書の電子書籍版には、単行本・文庫とも紙書籍には収録できなかった沢木さん撮影の写真が収録されています。

 

試し読み&著者インタビューを公開

本作に収録されるエッセイ4編を新潮社のウェブサイトで試し読みすることができます。以下のURLからご覧ください。

★URL:https://www.shinchosha.co.jp/tsubakuro/#tsubakuro1

 
また、本作刊行時の著者インタビューも公開中です。中学3年生の時に船で大島を訪れたものの、怖くなってすぐに帰ってきてしまい、家族に笑われたという微笑ましいエピソードも語られています。

★URL:https://ebook.shinchosha.co.jp/nami/202005_06/

 

著者プロフィール

沢木耕太郎(さわき・こうたろう)さんは、1947年生まれ、東京都出身。横浜国立大学卒業。ほどなくルポライターとして出発し、鮮烈な感性と斬新な文体で注目を集める。

1979年『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、1982年『一瞬の夏』で新田次郎文学賞を受賞。その後も『深夜特急』『檀』など今も読み継がれる名作を発表し、2006年『凍』で講談社ノンフィクション賞、2013年『キャパの十字架』で司馬遼太郎賞、2023年『天路の旅人』で読売文学賞を受賞する。

長編小説『波の音が消えるまで』『春に散る』、国内旅エッセイ集『旅のつばくろ』『飛び立つ季節 旅のつばくろ』など著書多数。

 

旅のつばくろ
沢木 耕太郎 (著)

〈沢木耕太郎、日本を旅する〉つばめのように自由に、気ままに日本を歩いてみたいーー。沢木耕太郎、初の「国内旅エッセイ」
つばめのように自由に、気ままにこの日本を歩いてみたいーー。世界を歩き尽くしてきた著者の、はじめての旅は16歳の時、行き先は東北だった。それから歳も経験も重ねた今、同じ土地を歩き、変わりゆくこの国のかたちを見て何を思ったか。本州「北の端」龍飛崎、太宰治の生家を訪ねた五所川原、宮沢賢治の足跡を追った花巻、美景広がる軽井沢や兼六園などを歩いて綴った、追憶の旅エッセイ。 JR東日本の新幹線車内誌「トランヴェール」で好評を博した連載が待望の文庫化!

本文より
思い起こせば、私が初めてひとりだけの「大旅行」をしたのが、十六歳のときの東北一周旅行だった。小さな登山用のザックを背に、夜行列車を宿に、十二日間の旅をしたのだ。/このときの経験が、その後の私の旅の仕方の基本的な性格を決定したのではないかと思われる。いや、もしかしたら、それは単に旅の仕方だけでなく、生きていくスタイルにも深く影響するものだったかもしれないと、いまになって思わないでもない――

装画・題字:横山雄

 
【関連】
沢木耕太郎『飛び立つ季節―旅のつばくろ―』特設サイト 国内旅エッセイ集| 新潮社

 


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