野間児童文芸賞受賞作家・戸森しるこさんが中1少女の心模様を描く『ココロノナカノノノ』が刊行
児童文学総合誌「飛ぶ教室」の連載小説を書籍化した、戸森しるさん著『ココロノナカノノノ』(絵:カシワイさん)が光村図書出版より刊行されました。
心の中にいる妹、母のおなかに宿った新しい命――中1少女の心模様
主人公の寧音(ねね)は中学一年生。生まれる前に双子の妹・野乃(のの)を亡くした経験を持つ女の子です。寧音の心の中には今も野乃がいて、ときどき話しかけたり、拠り所にしたりするなど、特別な存在として思い続けています。そんなある日、母のおなかに新しい命が宿ったことを知って――。
野間児童文芸賞受賞作家・戸森しるこさんが贈る、母の妊娠と家族、中一少女の心模様を描いた中学生向けのリアリズム小説です。
<『ココロノナカノノノ』4つの特徴>
◆妊娠出産、命を学ぶ
母の妊娠月齢とともに物語が進んでいきます。
知識として学ぶだけでなく、命を考えることにも繋がります。
◆イマジナリーフレンド
心の中にいる架空のキャラクター、イマジナリーフレンドを扱った物語です。
◆中学生のリアルな描写
中一少女のクラスメイトの関わり、会話、距離感がリアルな描写で描かれています。昨今ファンタジー作品を描くことの多かった戸森さんの、久しぶりのリアリズム小説。
◆物語はハッピーエンド
主人公・寧音の双子の妹である野乃の喪失を描きながらも、最後はハッピーエンドへ。読み終えたなら幸福感に包まれることでしょう。
【三倉茉奈さん、河合二湖さんが推薦!】
「同じ双子の姉として、野乃を大切に思う寧音の気持ちが痛いほどわかって、何度も泣いてしまいました。」
――俳優・三倉茉奈さん
「読む年代や立場によって、いろいろな感想が持てそうな作品だと思いました。」
――小説家・河合二湖さん
編集担当・新宅さんからのコメント
『ココロノナカノノノ』は、母の妊娠の月齢とともに進み、主人公・寧音(ねね)の中の亡き双子の妹・野乃(のの)の存在が次第に変容していくことが、読みどころのひとつです。一方で、中学生どうしの細やかな遣り取りにも注目です。人が集まれば軋轢はあるもの。物語では仲間どうしの気遣いや取り引きにより、学校生活がどうにか営まれている様子がうかがえます。戸森さんは、この軋轢をどう緩和方向に描いているか。繊細な描写とともに味わっていただけたらと思います。
著者プロフィール
■戸森しるこ(ともり・しるこ)さん
1984年生まれ、埼玉県出身。児童文学作家。
『ぼくたちのリアル』で講談社児童文学新人賞、児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞フジテレビ賞を受賞。『ゆかいな床井くん』で野間児童文芸賞を受賞。
■絵:カシワイさん
神奈川県出身。イラストレーター、漫画家。
著書に『107号室通信』『光と窓』(リイド社)、『ひとりの夜にあなたと話したい10のこと』(大和書房)、『風街のふたり』(双葉社)がある。文芸や児童書などを中心に装画も多数手がけている。
『ココロノナカノノノ』刊行記念対談をHPにて公開中
一年半にわたり児童文学総合誌の「飛ぶ教室」で連載された、「ココロノナカノノノ」の単行本刊行を記念して、作家・河合二湖さんとの対談の一部を掲載しています。
「妊娠」・「イマジナリーフレンド」をテーマに、執筆したきっかけや作品を書き終えた感想など、戸森しるこさんの作品への思いを知ることができます!
★URL:https://www.mitsumura-tosho.co.jp/webmaga/shoseki/nono/01
〔河合二湖(かわい・にこ)さん プロフィール〕
1977年生まれ、山口県出身。『バターサンドの夜、人魚の町で』で講談社児童文学新人賞を受賞、同作(『バターサンドの夜』と改題)でデビュー。
ココロノナカノノノ (飛ぶ教室の本) 戸森しるこ (著), カシワイ (イラスト) 母の妊娠と家族、中一少女の心模様を描いたYA小説 生まれる前に双子の妹・野乃を亡くした寧音は、中学1年生の今も、心の中にいる野乃に話しかけたり、拠り所とするなど、特別な存在として思い続けている。 |
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