本のページ

SINCE 1991

「第66回群像新人文学賞」受賞!村雲菜月さん「もぬけの考察」&夢野寧子さん「ジューンドロップ」を書籍化

公募の新人文学賞「第66回群像新人文学賞」をダブル受賞した、村雲菜月さん「もぬけの考察」と夢野寧子さん「ジューンドロップ」が書籍化され、講談社より同時刊行されました。

 

マンションの一室を舞台に次々と入れ替わる住人たちの日常のゆがみと恐怖を描く、村雲菜月さん『もぬけの考察』

同じ部屋で前の時間が見えないまま孤独と恐怖を積み重ねていく構成で細部まで考えられていた。
理不尽さと暴力的な状況がスリリングで、多様な恐怖を描ける人だと思った。
――柴崎友香さん

一連の奇想天外な考察は、インスタレーションと呼ばれる空間芸術の手法とも似ていて、日常性からの逸脱を効果的に演出するにはうってつけだ。
――島田雅彦さん

ある〈部屋〉のみを舞台にすることで、作品の〈空間〉は限定されている。
が、前の住人、その前の……と過去を連鎖的に想像可能で、今後の住人という未来も延々の想像が可で、その意味で〈時間〉が限定されない。そこに越境のポテンシャルが満ちている。
――古川日出男さん

 
【あらすじ】

この部屋の住人は、みんないなくなる?

都市の片隅にあるマンションの一室、408号室に入れ替わる住人たち――。奇想天外な物語が、日常にひそむ不安と恐怖を映し出す。

★試し読み:https://gendai.media/articles/-/114023

 
<村雲菜月(むらくも・なつき)さん プロフィール>

1994年生まれ、北海道出身。金沢美術工芸大学デザイン科視覚デザイン専攻卒業。2023年「もぬけの考察」で第66回群像新人文学賞を受賞。

★『もぬけの考察』執筆の背景:https://gendai.media/articles/-/113890

 

母の不妊治療に揺れる家族の姿を描く、夢野寧子さん『ジューンドロップ』

 
【あらすじ】

わたしたちには家族をめぐる秘密がある

母の不妊治療の失敗、凶暴な白い光と共に襲ってくる片頭痛。
しずくとタマキは、持て余した心を抱えて、縛られ地蔵に会いに行く――。

傷つき、傷つけ、思いあう。痛切な家族の愛のかたち。

「ふと脳裏に、幼い未発達の実が木から落下する光景が過りました。
どうして自分は彼らと同じ道をたどらなかったんだろう」

★「受賞の言葉」「試し読み」:https://gendai.media/articles/-/110547

 
<夢野寧子(ゆめの・ねいこ)さん プロフィール>

1986年生まれ、東京都出身。東京女子大学文理学部社会学科卒業。2017年に第4回ふるさと秋田文学賞〈小説の部〉を受賞。2023年「ジューンドロップ」で第66回群像新人文学賞を受賞。

★『ジューンドロップ』執筆の背景:https://gendai.media/articles/-/114063

 

もぬけの考察
村雲 菜月 (著)

ジューンドロップ
夢野 寧子 (著)

 
【関連】
新人文学賞|講談社 群像 公式サイト
群像新人文学賞受賞!マンションの一室に残る「前の住人」の不穏な痕跡…『もぬけの考察』試し読み(村雲 菜月) | 群像 | 講談社(1/5)
この部屋の住人は、みんないなくなる?日常にひそむ恐怖を描いた群像新人文学賞『もぬけの考察』(村雲 菜月) | 群像 | 講談社(1/3)
第66回群像新人文学賞受賞!六月の鈍い空に手を伸ばす少女たちの邂逅…受賞作「ジューンドロップ」試し読み(群像編集部) | 群像 | 講談社(1/6)
母の不妊治療に戸惑う高校生の娘。揺れる家族の姿を描く群像新人賞受賞作『ジューンドロップ』(夢野寧子)(夢野 寧子) | 群像 | 講談社
群像新人文学賞・夢野寧子さん 「確率はいつだって2分の1」 一度はつかみかけた夢、仕事を辞めて挑んだ6年 「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」#2|好書好日
群像新人文学賞・村雲菜月さん 自称「小説が趣味」の会社員、「小説家になりたい……わけじゃない」(連載第3回) |好書好日

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です