五木寛之さん「人生のレシピ」シリーズ第3弾『健やかな体の作り方』が刊行
作家・五木寛之さんによるシリーズ「人生のレシピ」の第3弾『人生のレシピ 健やかな体の作り方』がNHK出版より刊行されました。90歳になった「生き方の先輩」がNHK「ラジオ深夜便」の語りを再現して贈る、人生100年時代の道案内シリーズです。
人生後半を豊かに生きるヒントが満載! 今回のテーマは「健康」
病とは「治す」ものではなく、「治める」ものです
高齢者だけでなく、現代日本人にとって切実な悩みとされるのが「経済(金銭)」「孤独」「健康」の3K。シリーズ3冊目となる今回は、その中から「健康」を取り上げます。
<「はじめに」より抜粋>
最近は人生百年時代といわれ、高齢になっても現役で活躍される方がたくさんおられます。私も昨年九十歳となり、最近は「健康法を教えてほしい」と聞かれることが増えました。
ただ私は、「健康」という言葉があまり好きではありません。人間はそもそも、生まれたときから何かしら病を持っているもの。実際、私にも体の不具合はいろいろあります。が、「一病息災(いちびょうそくさい)」などと言って一つくらい気になるところがある方がいい、と思っているのです。
ですから私のしていることは「健康法」ではなく「養生法(ようじょうほう)」と表現しています。イメージとしては健康法が科学的な情報であるのに対し、養生法は人生の知恵として生まれてくるもの、というところでしょうか。老いが現れやすい脚力・視力・嚥下(えんげ)力を中心に、いろいろなことを試したり、楽しみつつ日常の習慣にしているのです。
(中略)
養生は、何かを克服しようと頑張るのではなく、おもしろがってやるのがこつです。こんなことをしたらこうなった、こうしてみたらどうだろうか、といたずら心で楽しむのです。それを突き詰めていくと、いろんな勉強になるんじゃないでしょうか。
いちばん肝心なのは、「自分の体と楽しんで向き合う」ということではないかと思うのです。俳句や川柳(せんりゅう)を趣味でやるのと同じように、「私の趣味は養生」と心の中でつぶやきながら暮らしているのです。
————
「養生は“身体語”を聴くところからはじまる」
「体が発する声に全神経を集中する」
「体によいから食べるのではなく、体が欲しているから食べる」などなど。
歯科以外70年以上も医者にかからず、健康を維持してきた著者が、独自に行っている養生法とは――。ぜひご一読ください。
★本書第1章「人生百年時代の『健康』とは」を一部公開
「 病とは「治す」ものではない? 五木寛之さんが語る、人生百年時代の生き方。」:https://mag.nhk-book.co.jp/article/22475
本書の構成
はじめに
第1章 人生百年時代の「健康」とは
第2章 養生という道楽
第3章 涙と悲しみの効用
第4章 現代人の食養生
第5章 私の体験的健康法
著者プロフィール
著者の五木寛之(いつき・ひろゆき)さんは、作家。1932年生まれ、福岡県出身。朝鮮半島で幼少期を送り、引き揚げ後、1952年に上京して早稲田大学文学部露文科に入学。1957年に中退後、編集者、ルポライターなどを経て、1966年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、1967年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、1976年『青春の門 筑豊篇』ほかで吉川英治文学賞、2010年『親鸞』で毎日出版文化賞特別賞など受賞多数。
ほかの代表作に『風の王国』『大河の一滴』『蓮如』『下山の思想』『百寺巡礼』『生きるヒント』『孤独のすすめ』など多数。
人生のレシピ 健やかな体の作り方 (教養・文化シリーズ) 五木 寛之 (著) 大切なのは、体が発する声に耳を傾けることです! 高齢者だけでなく、現代日本人にとって切実な悩みとされる「経済(カネ)」「孤独」「健康」の3K。今回は、その中から「健康」を取り上げる。「病とは治すものではなく治めるもの」「体が発する声に全神経を集中する」「体によいから食べるのではなく、体が欲しているから食べる」などなど。70年以上も医者にかからず、健康を維持してきた著者が、独自に行っている養生法とは――。90歳になった「生き方の先輩」 が贈る、人生後半を快活に生きる道案内。第3弾! |
<既刊>
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【関連】
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