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石井仁蔵さん「第12回ポプラ社小説新人賞」受賞作『エヴァーグリーン・ゲーム』が刊行

1,105作の応募作から、選考委員満場一致で受賞となった、石井仁蔵さんの第12回ポプラ社小説新人賞受賞作『エヴァーグリーン・ゲーム』がポプラ社より刊行されました。

 

一世一代の大勝負を鮮烈に描き、稀有な才能を見せた、傑作エンタメ誕生!

前身のポプラ社小説大賞を含め、小川糸さん、小野寺史宜さん、伊吹有喜さん、寺地はるなさんなど、数々の人気作家がデビューしてきた「ポプラ社小説新人賞」。今年の第12回、1105作の応募作から、三次選考および最終選考会を経て、満場一致で受賞したのが石井仁蔵さんの『エヴァーグリーン・ゲーム』でした。

 
本作は、それぞれ背負うものがある4人の若者たちが、世界有数の頭脳スポーツ「チェス」に出会い、その魅力にとりつかれ、チェスを通して己の人生と戦っていく物語です。

 
【あらすじ】

<たった一度の人生をかけるほど、このゲームは面白い――。>
ほとばしる情熱×身震いする爽快感。
魂を揺さぶる、傑作エンターテイメントの誕生。

世界有数の頭脳スポーツ・チェスと出会い、その面白さに魅入られた4人の若者たち。
難病で入院生活を送る透、実力がありながらも将来に悩む晴紀、全盲の少女・冴理、少年院で過ごす釣崎――
8×8マスの盤上で、命を懸けた闘いが繰り広げられる。

 
◆「勝つために治せよ、絶対に」
難病で入院生活を送る小学生の透は、小児病棟でチェスに没頭する輝と出会う――。

◆「年齢より才能より、大事なものがある。もうわかってるだろ?」
チェス部の実力者である高校生の晴紀だが、将来プロを目指すか悩んでいる……。

◆「人生を賭けて、ママに復讐してやろう。」
全盲の少女・冴理は、保健室の先生に偶然すすめられたチェスにハマる。

◆「俺はただ、チェスを指すこの一瞬のために、生きている。」
天涯孤独の釣崎は、少年院を出たのち単身アメリカへわたる。マフィアのドンとチェスの勝負することになり……!?

 
そして、彼らは己の全てをかけて、チェスプレイヤー日本一を決めるチェスワン・グランプリに挑むことに――。

 

小説家、俳優、映画監督、書評家…規格外の才能に、各界驚嘆!

矜恃も、愛も、友情も、死さえも、高い純度で込められていて驚きました。
こんな物語と出会うために、自分は小説を読み続けるのだと思います。
――綾崎隼さん(小説家)

心の底から夢中になれるものが、どれだけその人の生きる上での心の支えになることか。
夢中になれるものを見つけた喜びが本書にはあふれている。
――瀧井朝世さん(書評家・ライター)

限られた手持ちの駒でどう進んでいくのか、
彼らの棋譜そのものが、生きた証なのだ。
――三島有紀子さん(映画監督)

64マスの盤上で繰り広げられる、命を削るような闘い。
だからこそ味わえる、生きている実感……。
チェスがこんなにも熱く、激しく、美しいなんて。
完全に心を掴まれました。完敗です。
――南沢奈央さん(俳優)

鮮やかなストーリーテリング! 
チェスに命を燃やす彼らが、ただひたすらに眩しく、胸を打つ。
――宮内悠介さん(小説家)

コロナ禍を経た令和のエンターテインメント小説の、
ベンチマークと呼ばれることになるかもしれない、傑作だ。
――吉田大助さん(書評家・ライター)

 

映画監督・三島有紀子さんによる、異例の「ショートフィルム」!

三島有紀子監督より、小説の感動を3分の映像に凝縮した力作「ショートフィルム」も完成。
俳優の泉澤祐希さんと岩男海史さんが出演。奇妙礼太郎さんの作詞作曲をも手掛ける、早瀬直久さんによる音楽が胸に迫る映像です。

 


 

★YouTube:https://youtu.be/_0n282CVGRo

 
<三島有紀子さん プロフィール>

大阪市出身。18歳からインディーズ映画を撮り始め、神戸女学院大学卒業後NHKに入局し「NHKスペシャル」「ETV特集」「トップランナー」など人間ドキュメンタリーを数多く企画・監督。2003年に劇映画を撮るために独立し、東映京都撮影所などでフリーの助監督として現場を学ぶ。ニューヨークでHBスタジオ講師陣のサマーワークショップを受ける。2012年、オリジナル脚本で「しあわせのパン」を発表。同題の小説(ポプラ社)も上梓。「幼な子われらに生まれ」(2017年)では第41回モントリオール世界映画祭で審査員特別大賞、第41回山路ふみ子賞作品賞、第42回報知映画賞では監督賞を受賞。「Red」(2020年)はフランスでも公開。2024年2月9日には、自身の人生の「ある事件」と向き合った渾身の作品「一月の声に歓びを刻め」が10本目の長編として公開予定。

 

日本チェス連盟推薦!大学チェスサークルの現役大学生からも応援!

小説内のチェス対盤場面の監修を務めたのは、日本チェス連盟所属の小島慎也さん(2010年チェス全日本チャンピオン、日本籍のチェスプレイヤーとして2人目となる International Master のタイトルを獲得)。三島有紀子監督による「ショートフィルム」のチェス監修は、日本チェス連盟代表の真鍋浩さん(2023年チェス全日本シニアチェスチャンピオン)と日本チェス連盟理事の黒坂雄基さんが行いました。

 
京都大学チェスサークル、ICU Chess Club、早稲田チェスサークル、青山学院大学チェスサークル、各大学チェスサークルの現役大学生からも、熱い応援の声続々!

それぞれの人生をかけて、盤上の闘いに没頭する四人。
臨場感溢れる描写に引き込まれ、息つく暇もなく結末まで一気に読み終えました。
――真鍋浩さん(日本チェス連盟代表)

歩んだ道も、選んだものも、命を懸けた瞬間すら、全て過ぎ去った日の一部に過ぎない。
それでも人生をチェスに捧げる彼彼女らの勇姿に深く心を奪われました。
――京都大学チェスサークル

紙上に書かれたアルファベットと数字の示すゲームが目の前に浮かぶような気迫!
チェスプレイヤーなら誰もが憧れる舞台へ挑む登場人物たちから目が離せません!
――ICU Chess Club

チェスが盤上のスポーツだということがこの一冊を通して伝わると思いました。
私もチェスを始めた頃は一日十何時間やったこともあったので、チェスに麻薬のような要素があるということに共感しました!
――早稲田チェスサークル

チェスに人生を懸けた人々の物語が交錯し、エンディングにつれ盤上で各々の感情が発露、昇華される様に救いを感じました。この一冊は64マスに青春を捧ぐ若者の心を繊細に暴き、静かに力強く肯定してくれる作品です。
――青山学院大学チェスサークル

 

著者手書きメッセージ 「光の見えぬ沼の中を這いずり回ってきた。」20年間小説投稿を続け、念願の受賞デビュー!

「私自身も約20年、小説の投稿に明け暮れた人間です。「初めて書いた小説で受賞してデビュー」というような、スマートな方とは程遠く、光の見えない沼を這いずり回ってきた人間です。今もなお新たな小説を書きたいともがく、この生き方に呪われた人間です。分野や境遇や生き方は違えど、そんな風に何かに取り憑かれたやつらはきっと、沢山いると思う。私は、そんなやつらを肯定したいと思う。この小説が、そんなやつらに届くことを願っています」

 

著者プロフィール

石井仁蔵(いしい・じんぞう)さんは、1984年生まれ、新潟県出身。東京大学文学部卒業。

本作にて第12回ポプラ社小説新人賞を受賞。

 

エヴァーグリーン・ゲーム
石井 仁蔵 (著)

【選考委員、絶賛の嵐! 第12回ポプラ社小説新人賞受賞作!!】
世界有数の頭脳スポーツであるチェスと出会い、その面白さに魅入られた4人の若者たち。
64マスの盤上で、命を懸けた闘いが繰り広げられる――!

「勝つために治せよ、絶対に」
小学生の透は、難病で入院生活を送っており、行きたかった遠足はもちろん、学校にも行けず癇癪を起してしまう。そんなとき、小児病棟でチェスに没頭する輝と出会う――。
<年齢より才能より、大事なものがある。もうわかってるだろ?>
チェス部の実力者である高校生の晴紀だが、マイナー競技ゆえにプロを目指すかどうか悩んでいた。ある日、部長のルイに誘われた合コンで、昔好きだった女の子と再会し……?
「人生を賭けて、ママに復讐してやろう。」
全盲の少女・冴理は、母からピアノのレッスンを強要される日々。しかし盲学校の保健室の先生に偶然すすめられたチェスにハマってしまい――。
「俺はただ、チェスを指すこの一瞬のために、生きている。」
天涯孤独の釣崎は、少年院を出たのち単身アメリカへわたる。マフィアのドンとチェスの勝負することになり……!?

そして、彼らは己の全てをかけて、チェスプレイヤー日本一を決めるチェスワングランプリに挑むことに。
チェスと人生がドラマティックに交錯する、熱い感動のエンターテイメント作!

 
【関連】
『エヴァーグリーン・ゲーム』特設サイト|ポプラ社

 


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