「第17回出版甲子園」準グランプリ!中川朝子さん『呪いを、科学する』が刊行 現役医大生が“呪い”を科学的に解明!
第17回出版甲子園準グランプリ作品を書籍化した、中川朝子さん著『呪いを、科学する』がディスカヴァー・トゥエンティワンより刊行されました。
科学的に「呪い」を解明する
「呪い」の正しい意味を知っていますか?
辞書の定義によれば、「神仏その他不可思議なものの威力を借りて、災いや病気などを起こしたり、また除いたりする術」とのことです(参考:デジタル大辞泉)。
この定義をもとに考えると、「不可思議」と「術」という条件が揃ってさえいれば、それは概ねすべて「呪い」と名付けることができるのです。
一般に想像する「呪い」は、ともすると負のイメージが付きまとうのではないでしょうか。暗くて、怖くて、恐ろしい……そう思って、遠ざける人も少なくありません。
しかし、科学的な視点から呪いを解明してみると、新たなおもしろさに気付くことができるのです。
本書では、みなさんが思い浮かべる「呪い」というくくりを少しはみ出した、より広い観点の「不思議な事象」を全3章に分けて取り上げていきます。
第1章「外」の呪いでは、主に世界各地を揺るがした現象・事物を取り上げます。
怪物の正体を論じたり、社会現象となった怪奇現象を、科学の力で一刀両断したりします。
第2章「内」の呪いでは、人体の内部で起こる現象に着目し、科学の力を使って、ミクロな視点から考察します。
そして第3章「未知」の呪いでは、近代や現代に焦点を当て、今後起こるかもしれない呪いにも触れていきます。
呪い大国・日本
日本国内には、呪いやそれに類似するコンテンツが溢れています。ハリウッド映画化された「リング」、空前の妖怪ブームを巻き起こした『ゲゲゲの鬼太郎』や『妖怪ウォッチ』、今をときめく『呪術廻戦』、『鬼滅の刃』。
そして、呪術的行為もそこかしこに存在します。身近なところでは、初詣や合格祈願、願掛けなどがそうです。お守りも、見方によっては呪物ということができましょう。結婚式などの晴れの日に吉日を選ぶのは、一般的な行為ですが、よく考えてみれば合理的ではありません。
科学技術の進歩に伴って、古代から受け継がれてきた呪術や言い伝えを不合理であるとする見方は、これらの事柄を「迷信」とみなします。「文化人類学の父」とも言われるイギリスの人類学者、エドワード・バーネット・タイラーは、かつて著書『原始文化』(国書刊行会)の中で、呪術のことを幻想であると主張しました。
しかし、本当にそうなのでしょうか?
呪いがもし虚構であるならば、過去から現代に至るまで、これほど強烈な印象は残していないはずです。呪いの藁人形セットが大ヒットを記録したり、呪いの代行業者が現れたり、縁切り神社へ向う人が後を絶たなかったり……科学が発展してもなお、呪いは日本の文化に深く根ざしていると言えるでしょう。
本書では、身近な呪いや怪奇現象の魅力を紹介しつつ、科学でそれらの謎を解き明かしていきます。
第17回出版甲子園準グランプリ作品を書籍化!
本書は、第17回出版甲子園で準グランプリを受賞した作品を書籍化したものです。出版甲子園とは、学生による学生のための出版コンペティション。そこで審査員が絶賛した作品です。
著者の中川朝子さんは医学部で環境労働衛生学を研究している一方、SF小説の執筆にも取り組み、2021年に第8回 日経「星新一賞」、2022年に第9回 日経「星新一賞」にて学生部門で優秀賞を受賞しています。
本書では、現役医大生が科学的な観点から、迷信、妖怪、奇病、超能力などの超常現象を徹底解明していきます。
【目次】
まえがき
第1章 「外」の呪い
第2章 「内」の呪い
第3章 「未知」の呪い
著者プロフィール
著者の中川朝子(なかがわ・あさこ)さんは、2000年生まれ、大阪府出身。現役医学部生。
医学部進学を機に小説を書き始める。大学で学んだ専門知識を土台として、純文学・SFの設計を試みる。第8・9回日経星新一賞学生部門優秀賞、第39回大阪女性文芸賞、第17回出版甲子園準グランプリを受賞。
呪いを、科学する (ディスカヴァー携書) 中川 朝子 (著) 【第17回出版甲子園 審査員大絶賛!】 魔法、怪物、妙薬、祈祷、そして呪い。 論理で説明できない不思議な力は、はるか昔から私たち人間の心を鷲掴みにしてきました。 本書では、我々を惹きつけてやまない「呪い」を紐解いていきます。 主に医学を中心とした科学知識に基づき、人体の内外で起こる恐ろしい事象を、徹底的に解剖します。 今までの摩訶不思議な怪奇現象と決別し、新たな呪いの楽しみ方を探っていきましょう |
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