【第167回芥川賞&直木賞】芥川賞に高瀬隼子さん「おいしいごはんが食べられますように」、直木賞は窪美澄さん『夜に星を放つ』
第167回芥川龍之介賞および直木三十五賞の選考委員会が7月20日に東京都内で開催され、それぞれ受賞作が決定しました。
芥川賞は高瀬隼子さんが2度目のノミネートで受賞!
第167回芥川賞は、下記候補作の中から高瀬隼子さんの「おいしいごはんが食べられますように」(『群像』1月号)が受賞作に決定しました。
高瀬隼子(たかせ・じゅんこ)さんは、1988年生まれ。愛媛県出身。立命館大学文学部卒業。2019年「犬のかたちをしているもの」で第43回すばる文学賞を受賞、2020年に同作で単行本デビュー。2冊目の著作『水たまりで息をする』で第165回芥川賞候補。今回、2度目のノミネートでの受賞となりました。
選考委員は、小川洋子さん、奥泉光さん、川上弘美さん、島田雅彦さん、平野啓一郎さん、堀江敏幸さん、松浦寿輝さん、山田詠美さん、吉田修一さん。
【芥川賞 候補作】
◎小砂川チトさん「家庭用安心坑夫」(『群像』6月号)
◎鈴木涼美さん 「ギフテッド」(『文學界』6月号)
◎高瀬隼子さん 「おいしいごはんが食べられますように」(『群像』1月号)
◎年森瑛さん 「N/A(エヌエー)」(『文學界』5月号)
◎山下紘加さん 「あくてえ」(『文藝』夏季号)
直木賞は窪美澄さんが3度目のノミネートで受賞!
第167回直木賞は、下記候補作の中から窪美澄さんの『夜に星を放つ』(文藝春秋)が受賞作に決定しました。
窪美澄(くぼ・みすみ)さんは、1965年生まれ。東京都出身。2009年「ミクマリ」で第8回女による女のためのR-18文学賞大賞を受賞。受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』が、本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10で第1位、2011年本屋大賞で第2位に選出。また同年、同書で第24回山本周五郎賞を受賞。2012年『晴天の迷いクジラ』で第3回山田風太郎賞、2019年『トリニティ』で第36回織田作之助賞を受賞。その他に『さよなら、ニルヴァーナ』『よるのふくらみ』『やめるときも、すこやかなるときも』『じっと手を見る』『私は女になりたい』『朔が満ちる』など著書多数。今回、3度目のノミネートでの受賞となりました。
選考委員は、浅田次郎さん、伊集院静さん、角田光代さん、北方謙三さん、桐野夏生さん、高村薫さん、林真理子さん、三浦しをんさん、宮部みゆきさん。
【直木賞 候補作】
◎河﨑秋子さん 『絞め殺しの樹』(小学館)
◎窪美澄さん 『夜に星を放つ』(文藝春秋)
◎呉勝浩さん 『爆弾』(講談社)
◎永井紗耶子さん『女人入眼(にょにんじゅげん)』(中央公論新社)
◎深緑野分さん 『スタッフロール』(文藝春秋)
芥川賞と直木賞について
芥川賞と直木賞は、1935(昭和10)年に制定され、芥川賞は新聞・雑誌(同人雑誌を含む)に発表された純文学短編作品、直木賞は新聞・雑誌(同)・単行本として発表された短編および長編の大衆文芸作品の中から優れた作品に贈られます。
芥川賞は主に無名・新進作家が、直木賞は無名・新進・中堅作家が対象となります。受賞者には正賞として時計、副賞として賞金100万円が授与されます
おいしいごはんが食べられますように 高瀬 隼子 (著) 「二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか」 職場でそこそこうまくやっている二谷と、皆が守りたくなる存在で料理上手な芦川と、仕事ができてがんばり屋の押尾。 |
夜に星を放つ 窪 美澄 (著) かけがえのない人間関係を失い傷ついた者たちが、再び誰かと心を通わせることができるのかを問いかける短編集。 コロナ禍のさなか、婚活アプリで出会った恋人との関係、30歳を前に早世した双子の妹の彼氏との交流を通して、人が人と別れることの哀しみを描く「真夜中のアボカド」。学校でいじめを受けている女子中学生と亡くなった母親の幽霊との奇妙な同居生活を描く「真珠星スピカ」、父の再婚相手との微妙な溝を埋められない小学生の寄る辺なさを描く「星の随に」など、人の心の揺らぎが輝きを放つ五編。 |
【関連】
▼芥川龍之介賞|公益財団法人日本文学振興会
▼直木三十五賞|公益財団法人日本文学振興会
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