ビジネス書情報誌『TOPPOINT』がWebサイトの2021年「年間閲覧数ベスト10」を発表! 1位は『スマホ脳』

ビジネス書情報誌『TOPPOINT』がWebサイトの2021年「年間閲覧数ベスト10」を発表!
新刊ビジネス書情報誌『TOPPOINT(トップポイント)』は、定期購読者専用Webサービスにおいて「2021年最も多く閲覧された書籍Best10冊」を発表しました。
アンダー・コロナの2021年、ビジネスリーダーに最も多く読まれたビジネス書の要約は?
『TOPPOINT』は、毎月数多く出版されるビジネス関連の新刊書の中から「一読の価値ある本」を厳選し、その要約を紹介する月刊誌です。1987年の創刊以来、30年以上にわたって第一線のビジネスリーダーを中心に愛読され、現在1万名以上の読者の方々が購読しています。
同誌では、定期購読者専用Webサービス「TOPPOINTライブラリー」を提供し、最新号から過去のバックナンバーまで、『TOPPOINT』で紹介した1800冊以上の書籍の要約を掲載しています。
毎年12月には年間閲覧数を集計、その年で最も多く読まれた上位10冊を選出しており、このたび「2021年最も多く閲覧された要約Best10冊」が決定しました。
【2021年最も多く閲覧された要約Best10冊】 ※敬称略
1位『スマホ脳』アンデシュ・ハンセン/新潮社(新潮新書)
2位『ビジネスの未来』山口周/プレジデント社
3位『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』オードリー・タン/プレジデント社
4位『経験なき経済危機』野口悠紀雄/ダイヤモンド社
5位『BCGが読む経営の論点2021』ボストン コンサルティング グループ 編/日経BP・日本経済新聞出版本部
6位『パーパス経営』名和高司/東洋経済新報社
7位『未来探究2050』東京大学未来ビジョン研究センター 編/日経BP・日本経済新聞出版本部
8位『マネジメントへの挑戦【復刻版】』一倉 定/日経BP
9位『LIMITLESS 超加速学習』ジム・クウィック/東洋経済新報社
10位『グレート・リセット』クラウス・シュワブ 他/日経ナショナル ジオグラフィック社
1位は『スマホ脳』 アフター・コロナの社会や企業のあり方に関心が集まる
2021年、最も多く読まれた要約は、『スマホ脳』(著:アンデシュ・ハンセンさん/新潮社)です。著者は、スウェーデンの精神科医。最新の研究成果をもとに、依存や学力低下、孤独感などスマホがもたらす弊害を明らかにし、デジタル社会に警鐘を鳴らした書です。世界的なベストセラーである同書は、『TOPPOINT』が実施する読者アンケート「TOPPOINT大賞」においても、2021年上半期第2位に選出されています。スマホが脳に及ぼす影響を懸念する読者の関心は高く、アクセス数は着実に増加。今年、最も多く閲覧されました。
なお同書は、以下の栄光も手にしています。
・「第14回 オリコン年間“本”ランキング 2021 BOOKランキング」第1位
・「2021年 年間ベストセラー 新書 ノンフィクション」第1位(トーハン調べ)
・「2021年 年間ベストセラー 新書 ノンフィクション」第1位(日販調べ)
◆アフター・コロナの社会や企業のあり方に関心が集まる
『TOPPOINT』の購読者は、約半数が経営者層、7割近くがマネジメント層です。知識欲が旺盛で、情報収集に熱心。そんなビジネスリーダー層が関心を寄せたのは、どのような書籍の要約だったのか? 2位以下を紹介します。
◎『ビジネスの未来』(2位):経済成長を追求する従来のビジネスは使命を終えたと指摘し、これから私たちが目指すべき、人が人らしく生きられる社会システムについて考察する。2021年上半期の「TOPPOINT大賞」第3位。
◎『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』(3位):台湾のデジタル担当の閣僚が、新型コロナ封じ込めに成功した要因や、デジタル・AIが開く新たな社会像を語る。2021年上半期の「TOPPOINT大賞」大賞。
◎『BCGが読む経営の論点2021』(5位):コロナ禍で同時に進む、景気後退と経済の構造変化。これらに対応する経営変革の道筋を、ボストン コンサルティング グループが具体的に提示する。
◎『パーパス経営』(6位):近年、破綻しつつある資本主義に代わるものとして、未来に向けて「志(こころざし=パーパス)」を貫く「志本主義」を提言。この理念に基づく経営のあり方を説く。
◎『未来探究2050』(7位):文系・理系の枠を超え、東京大学の多彩な知性がそれぞれの研究分野の将来を展望、未来社会を読み解くヒントを示す。
◎『グレート・リセット』(10位):コロナ禍は、経済や社会を転換する「グレート・リセット」を引き起こした。この後に起こりうる様々な変化を、世界経済フォーラムの創設者らが予測する。
上記のラインナップから見えてくるのは、これからの社会や企業のあり方を“大きな視点”から捉えた書籍が多いということです。
2020年の新型コロナのパンデミックを経て、アフター・コロナ、ポスト・コロナといわれる時代に向かいつつある現在、これまでの社会システムや資本主義経済を見直す動きが生じています。企業は物質的な豊かさを生み出すだけではもはや価値を認められず、ESG(環境・社会・統治)やSDGs(持続可能な開発目標)といった社会的な課題にも取り組む姿勢が求められます。また、AI(人工知能)をはじめ、デジタルテクノロジーの急激な進化は、社会や組織の形態を大きく変えようとしています。
不透明な環境の中で、私たちの社会は、そして企業はどこへ向かうべきなのか ―― 。こうした問いに指針を示してくれる書籍の要約が読まれていることがうかがえます。
◆半世紀前のマネジメント書が読まれている
未来への手がかりを求める傾向がある中で、半世紀前に出版された書籍の復刻版の要約がランクインしていることも注目されます。
8位の『マネジメントへの挑戦【復刻版】』(著:一倉定さん/日経BP)は、1965年刊行の書籍を昨年復刻したものです。著者の一倉さんは、1万社近くの企業を指導し、「日本のドラッカー」と呼ばれた人物。同書では、従来の経営論を“きれい事”と否定し、机上の空論ではない「人間に立脚した」マネジメントの要諦を説いています。
一倉さんは1999年に逝去しましたが、「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング会長兼社長の柳井正さんをはじめ、今なお多くの現役経営者がその思想に学んでいます。
毎年、マネジメントに関する新刊書が多数刊行される中、この書の要約が関心を集めたのは、一倉さんのマネジメント論が普遍的な価を含んでいることを示唆しているのではないでしょうか。
スマホ脳 (新潮新書) アンデシュ・ハンセン (著), 久山 葉子 (翻訳) スティーブ・ジョブズはわが子にiPadを与えなかった!? ・わたしたちは1日平均2600回スマホに触り、10分に1回手に取っている |
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