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宇佐見りんさん『推し、燃ゆ』が文芸書部門3冠&新作「くるまの娘」を『文藝』誌上で発表へ

宇佐見りんさん著『推し、燃ゆ』

宇佐見りんさん著『推し、燃ゆ』

出版取次大手の日本出版販売(日販)とトーハンは1日、2021年間ベストセラーランキングを発表(集計期間:2020年11月24日~2021年11月21日)し、両社ランキングで、宇佐見りんさん著『推し、燃ゆ』が文芸書部門第1位に輝きました(両社とも総合3位)。
本書は11月29日に発表されたオリコン「オリコン年間BOOKランキング 2021」でも文芸書・フィクションで第1位(総合5位)となり、小説部門の三冠を達成。今年、国内で最も関心を集めた文芸書となりました。

 
また、宇佐見りんさんの芥川賞受賞第一作は、車中泊の旅をする一家が、家族の在り方の根源を探る様を描く中篇「くるまの娘」。『推し、燃ゆ』に続く新作である本作は、『文藝』2022年春季号(22年1月7日発売)に掲載予定です。

 

2021年最も売れた文芸書は『推し、燃ゆ』!

宇佐見りんさんの『推し、燃ゆ』は、ままならない人生を引きずり、祈るように推しを推す高校生のあかりを主人公とした小説です。

 
本年1月に第164回芥川龍之介賞を受賞。著者の宇佐見りんさんは受賞時21歳、第130回芥川賞を同時受賞した綿矢りささん・金原ひとみさんに次ぐ史上3番目の若さでの受賞となったことも大きな話題となりました(デビュー作『かか』は2020年9月に第33回三島由紀夫賞を史上最年少受賞)。

 
本書はその後も、2021年本屋大賞へのノミネート、第7回沖縄書店大賞「小説部門」大賞受賞、世界14カ国・地域での翻訳出版が決定するなど注目を浴び続け、現在までの発行累計部数は52万部を超えています。

本年10月、宇佐見りんさんは、第70回神奈川文化賞・文化賞未来賞を受賞。ほか文化賞には映像作家の庵野秀明さん、建築家の隈研吾さんらが選ばれ、作家としての更なる活躍が期待されています。

 
本書がベストセラーとなったことをきっかけに、熱狂的に応援する対象「推し」を持つこと、ライブへ足を運ぶ、グッズを集めるなど「推す」ことが社会的認知を広め、各界の関心を集めました。その結果、「2021年ユーキャン新語・流行語大賞」に、「推し活」がノミネートされるなど、「推し」は2021年を代表する一大社会現象となっています。

 

著者プロフィール

著者の宇佐見りん(うさみ・りん)さんは、1999年生まれ。神奈川県出身。2019年、19歳の時に執筆した『かか』で第56回文藝賞、また2020年、同作で第33回三島由紀夫賞を最年少で受賞。2021年『推し、燃ゆ』で第164回芥川賞を受賞。

『文藝』2022年春季号(22年1月7日発売)で第三作「くるまの娘」を発表予定。

 

推し、燃ゆ
宇佐見りん (著)

「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい」

◎未来の考古学者に見つけてほしい
時代を見事に活写した傑作
――朝井リョウ

◎すごかった。ほんとに。
――高橋源一郎

◎一番新しくて古典的な、青春の物語
――尾崎真理子

◎ドストエフスキーが20代半ばで書いた
初期作品のハチャメチャさとも重なり合う。
――亀山郁夫

◎今を生きるすべての人にとって歪(いびつ)で、でも切実な自尊心の保ち方、を描いた物語
――町田康

◎すべての推す人たちにとっての救いの書であると同時に、絶望の書でもある本作を、わたしは強く強く推す。
――豊崎由美

逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。アイドル上野真幸を”解釈”することに心血を注ぐあかり。ある日突然、推しが炎上し――。デビュー作『かか』は第56回文藝賞及び第33回三島賞を受賞(三島賞は史上最年少受賞)。21歳、圧巻の第二作。

カバーイラスト:ダイスケリチャード
装幀:佐藤亜沙美(サトウサンカイ)

文藝 2022年春季号

芥川賞受賞第一作 宇佐見りん「くるまの娘」

[特集] 母の娘
批評:「娘」の時代ーー『成熟と喪失』その後 水上文
対談:伊藤比呂美×金原ひとみ
創作:イ・ラン、島本理生、西加奈子 他
エッセイ:水村美苗
論考:はらだ有彩

[創作]
児玉雨子

[新連載]
皆川博子/桜庭一樹/島本理生×岩崎渉

 


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