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フィリップ・ロスの全米図書賞受賞&デビュー作『グッバイ、コロンバス』が中川五郎さんの新訳で瑞々しく甦る!

フィリップ・ロス著『グッバイ、コロンバス』(訳:中川五郎さん)

フィリップ・ロス著『グッバイ、コロンバス』(訳:中川五郎さん)

現代アメリカを代表する作家、フィリップ・ロスが1960年に全米図書賞を受賞した清新なデビュー作『グッバイ、コロンバス』が中川五郎さんの新訳で朝日出版社より刊行されました。

 

全米図書賞受賞!フィリップ・ロスの伝説の青春小説『グッバイ、コロンバス』が、チャールズ・ブコウスキーの翻訳で知られる実力派、中川五郎さんの新訳で瑞々しく甦る!

現代アメリカを代表する作家フィリップ・ロスが、20代で執筆した青春小説の金字塔『グッバイ、コロンバス』。本作を表題とする短編集は全米図書賞(1960年)に輝き、ロスの代表作にも数えられています。

 
そしてこの度、この中編小説は、チャールズ・ブコウスキー作品などの翻訳で知られる中川五郎さんの新訳で甦り、朝日出版社から刊行される運びとなりました。

 
日本では、1965年に佐伯彰一さんによって『さようなら コロンバス』という邦題で翻訳され、広く知られています。

本作はデビュー作ながら、アイデンティティや宗教といったロスが生涯にわたって取り組むテーマに既に触れつつ、青春期の葛藤や親世代との隔絶など、普遍的な問題を鮮やかに描いた青春文学の傑作として、村上春樹さんらを虜にし、ハリウッドで映画化もされています。

フィリップ・ロスは、その後も数多くの日本人作家に多大なる影響を与えることになります。高橋源一郎さんのデビュー作『さようなら、ギャングたち』は本作と『われらのギャング』(ロス作)を組み合わせたタイトルと言われており、さらに『素晴らしいアメリカ野球』(1973年)は、高橋源一郎さんの『優雅で感傷的な日本野球』(三島由紀夫賞受賞)や小林信彦の『素晴らしい日本野球』をはじめとするオマージュやパロディ作品を生み出しました。

そして、母国アメリカでは、2018年に逝去した後も、著書『プロット・アゲンスト・アメリカ』を原作とする同名ドラマが現地の放送局HBOで制作・放送(日本ではスターチャンネルより放送)。さらには、同作品が2020年のエミー賞にノミネートされるなど、アメリカを代表し、象徴する作家として今も燦然と輝き続けています。

 
【あらすじ】

真夏のプールで運命的な出会いを果たしたニールとブレンダ。二人はたちまち引かれ合い、結婚を意識し始める。若い男女の恋には危うさがつきまとい、季節の移ろいとともに、輝かしい日々は過ぎ去っていく。はかなくほろ苦い青春期の恋を瑞々しい文体で描いた永遠の名作。

 

訳者・中川五郎さんより

「主人公二人の不安や苦悩、葛藤、そして失敗は、具体的な状況やかたちこそ違え、今の若者たちにリアルに伝わるはずだ。『グッバイ、コロンバス』は1950年代後半のアメリカ社会のノスタルジックな青春小説、恋愛小説にとどまることなく、完璧に描かれた若者たちのみずみずしさとおろかさ、純粋と放縦、優しさとわがままゆえ、2020年代の今をも照らす永遠の輝きを放っている。」

 

『グッバイ、コロンバス』新訳版の特徴

今回の新訳では、原文の持つ瑞々しく若々しい感性に貫かれる言葉の一つ一つを、現代の読者にも感じてもらえることを目指しました。

 
訳者の中川五郎さんは、チャールズ・ブコウスキーをはじめ、パンクでアウトローな作家の翻訳で知られていますが、今回はそれらの作品と『グッバイ、コロンバス』に通底する繊細な心の動きを、言葉のニュアンスから敏感に感じ取り、訳文に落とし込んでいます。

原文を最大限に尊重してその言葉に真摯に向き合いながら、円熟の翻訳スキルをいかんなく発揮した新訳は、佐伯訳ともまた違う味わいがあります。

 
中川訳と佐伯訳で、最も人物造形に違いが見られるのは、ヒロインのブレンダの叔父であるレオです。

物語の終盤に登場するこの人物は、「負け組」の人生を象徴しています。甥っ子の結婚式という華やかな場で、うだつのあがらないセールスマンのレオが、将来に不安を抱く主人公ニールに、自分の人生の負けっぷりを哀愁たっぷりに滔々と語る場面は、使う言葉こそ違えど、どこかブコウスキーと相通じるものがあります。中川訳では、そんなレオの愛すべきダメっぷりも楽しみどころの一つです。

 

著者・翻訳者プロフィール

 
■著者:フィリップ・ロス(Philip Roth)

1933年3月19日、米国ニュージャージー州ニューアーク市に誕生。1959年、短編5作と中編1作を収めた “Goodbye, Columbus”で全米図書賞を受賞。1969年、4作目の小説 “Portnoy’s Complaint”(『ポートノイの不満』)を発表すると、批評的にも商業的にも成功を収める。

著書は全31点。ピューリッツァー賞、マン・ブッカー国際賞などを受賞。全米批評家協会賞と全米図書賞は2度ずつ獲得している。2012年に執筆活動を引退し、2018年5月22日に85歳で死去。

 
■翻訳者:中川五郎(なかがわ・ごろう)さん

1949年大阪生まれ。1960年代なかばよりシンガーソングライターとして活動。翻訳家および訳詞家としても活躍。

主な訳書にチャールズ・ブコウスキー『詩人と女たち』『くそったれ少年時代』『死をポケットに入れて』(いずれも河出文庫)、『ブコウスキーの酔いどれ紀行』(ちくま文庫)、『英雄なんかどこにもいない』(青土社)、ダン・ファンテ『天使はポケットに何も持っていない』(河出書房新社)、ボブ・ディラン『ボブ・ディラン全詩集 1962-2001』(SBクリエイティブ)など。

 

グッバイ、コロンバス
フィリップ・ロス (著), 中川五郎 (翻訳)

注:本書では中編小説“Goodbye, Columbus”のみの日本語訳を収録

 


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