東日本大震災から10年――「詩の礫」の和合亮一さんが『未来タル 詩の礫 十年記』を刊行 若松英輔さん、後藤正文さん(ASIAN KUNG-FU GENERATION)との対話も収録
福島の詩人・和合亮一さんによる『未来タル 詩の礫 十年記』が、徳間書店より刊行されました。
震災への怒り、悲しみ、不条理をTwitterから「詩の礫」として発信し続ける詩人・和合亮一さん、その10年の軌跡『未来タル 詩の礫 十年記』が刊行
「詩を書くことは祈ることだ。
歳月を、季節を、一日を、一分一秒を。
あの日。
風になってしまって、鳥になってしまって、
戻ってはこない人々の命を受け継ぐこと。
(「はじめに」より)
現代詩の最前線で活躍し、中原中也賞、萩原朔太郎賞などの受賞歴を持つ詩人・和合亮一さん。
福島に生まれ現在も福島で暮らす和合さんは、東日本大震災で被災。圧倒的な破壊と、原発事故による目に見えない放射能汚染に襲われた現地で、その実態をTwitterから発信し続けました。
和合さんの発信は詩篇『詩の礫』としてまとめられ世界各国から高い評価を受けました。あれから10年。今なお震災と詩の言葉で対峙し続ける和合さんの軌跡を追ったのが本書『未来タル 詩の礫 十年記』です。
今年最初となる震災犠牲者の月命日である11日に向けて、元旦の夜明けから連日の詩作を試みた「第1章 貝殻詩篇」、10年の社会と人心の変化を綴ったエッセイ集成「第3章 十年記」、『詩の礫』は世界に何をもたらせたのかを若松英輔さん、後藤正文さんと語り合う「第2章/第4章 対話篇」、そして未来への希望を示した末尾の詩「OVER」から構成されています。
本書の構成
はじめに
第一章 貝殻詩篇
第二章 対話篇 後藤正文氏(ASIAN KUNG-FU GENERATION) 「時代の異常な速度感から外れてみる」
第三章 十年記
第四章 対話篇 若松英輔氏(批評家)「死者と共に在ることが未来をつくる」
OVER (「おわりに」にかえて)
著者プロフィール
著者の和合亮一(わごう・りょういち)さんは、1968年生まれ。福島市出身。第1詩集『After』で第4回中原中也賞、第4詩集『地球頭脳詩篇』で第47回晩翠賞を受賞。
2011年3月11日の東日本大震災以降、ツイッター上に詩を投稿、『詩の礫』『詩ノ黙礼』『詩の邂逅』を3冊同時刊行し、大きな反響を呼んだ。
『誕生』『黄金少年』『入道雲入道雲入道雲』などの現代詩の他、エッセイ『詩の寺子屋』『心に湯気をたてて』ほか。共著に『往復書簡 悲しみが言葉をつむぐとき』(若松英輔さんと)、『3.11を越えて 言葉に何ができるのか』(佐野眞一さんと)、『にほんごの話』(谷川俊太郎さんと)など。
震災後の活動について、みんゆう県民大賞、NHK東北文化賞などを受賞。代表作『詩の礫』は新潮ドキュメント賞、鮎川信夫賞最終候補となり、フランス詩壇のニュンク・ポエトリー賞を受賞(詩の本場フランスでの日本人の詩集賞の受賞は史上初)。『詩の礫』『廃炉詩篇』に次ぐ災後詩『QQQ』で萩原朔太郎賞を受賞。
未来タル 詩の礫 十年記 和合亮一 (著) 東日本大震災で被災した福島の詩人は破壊への恐怖と、不条理への怒りに言葉で抗った。 現在も福島に暮らし、高校教師の職と並行しながら詩人として活動する和合亮一氏はこの歳月を克明に言葉に刻んできた。本書はその十年の軌跡の書である。 2011年3月11日から10年となる今年。 10年の歳月を、その折々の出来事と思いの変遷を綴ったエッセイ集成「第三章 十年記」。 ASIAN KUN-FU GENERATIONの後藤正文氏、批評家の若松英輔氏と共に『詩の礫』がこの歳月に何をもたらしたのかを語る「第二章/第四章 対話篇」。 そして「おわりに」のかわりに書き下ろされた新作詩「OVER」を収録。 和合氏の言葉は、被災したまち、そしてこの世界の未だ来たらぬ未来に向けて放たれた光の矢となる――。 |
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