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「第42回吉川英治文学新人賞」および「第6回吉川英治文庫賞」の候補作が決定

講談社は2月2日、第42回吉川英治文学新人賞および第6回吉川英治文庫賞の候補作を発表しました。

なお最終結果は、第55回吉川英治文学賞、第55回吉川英治文化賞とあわせて、3月2日に決定される予定です。

 

「第42回吉川英治文学新人賞」および「第6回吉川英治文庫賞」候補作

第42回吉川英治文学新人賞および第6回吉川英治文庫賞の候補作は次の通りです。

 
【第42回吉川英治文学新人賞 候補作】

◎芦沢央(あしざわ・よう)さん
『汚れた手をそこで拭かない』(文藝春秋)

◎加藤シゲアキ(かとう・しげあき)さん
『オルタネート』(新潮社)

◎武田綾乃(たけだ・あやの)さん
『愛されなくても別に』(講談社)

◎辻堂ゆめ(つじどう・ゆめ)さん
『十の輪をくぐる』(小学館)

◎寺地はるな(てらち・はるな)さん
『水を縫う』(集英社)

◎野﨑まど(のざき・まど)さん
『タイタン』(講談社)

 
【第6回吉川英治文庫賞 候補作】

◎今村翔吾(いまむら・しょうご)さん
「羽州ぼろ鳶組」シリーズ(祥伝社文庫)

◎上田秀人(うえだ・ひでと)さん
「百万石の留守居役」シリーズ(講談社文庫)

◎上橋菜穂子(うえはし・なほこ)さん
「鹿の王」シリーズ(角川文庫)

◎菊地秀行(きくち・ひでゆき)さん
「吸血鬼(バンパイア)ハンター」シリーズ(朝日文庫ソノラマセレクション)

◎貴志祐介(きし・ゆうすけ)さん
「防犯探偵・榎本」シリーズ(角川文庫)

◎小路幸也(しょうじ・ゆきや)さん
「東京バンドワゴン」シリーズ(集英社文庫)

◎田中芳樹(たなか・よしき)さん
「アルスラーン戦記」シリーズ(光文社文庫)

◎堂場瞬一(どうば・しゅんいち)さん
「警視庁追跡捜査係」シリーズ(ハルキ文庫)

◎誉田哲也(ほんだ・てつや)さん
「姫川玲子」シリーズ(光文社文庫)

◎三上延(みかみ・えん)さん
「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ(メディアワークス文庫)

◎若竹七海(わかたけ・ななみ)さん
「女探偵・葉村晶」シリーズ(文春文庫)

 

吉川英治文庫賞および吉川英治文学新人賞について

吉川英治文学新人賞は、吉川英治国民文化振興会が主催し、講談社が後援。1980年に創設された文学賞です。

前年1月1日から12月31日までに、新聞、雑誌、単行本等に優秀な小説を発表した作家の中から、最も将来性のある新人作家に贈られます。「新人」と銘打っていますが、かなり経歴には幅があります。

 
吉川英治文庫賞も、公益財団法人吉川英治国民文化振興会が主催し、講談社が後援する文学賞です。吉川英治文学賞・吉川英治文化賞が第50回の節目を迎えるのを機に創設。

5巻以上続くシリーズ大衆小説のうち、12月1日から翌年11月30日までにシリーズ5巻目以降が一次文庫で刊行されたものを対象とします。選考委員は講談社を含む出版社の代表各社1名、識者、出版流通関係者など約50人で構成され、選考委員の投票によって受賞作が決定されます。

 
なお、両賞とも受賞者には賞金100万円が贈られます。

 
【関連】
吉川英治文庫賞|講談社
吉川英治文学新人賞 | 講談社

 

汚れた手をそこで拭かない
芦沢 央 (著)

平穏に夏休みを終えたい小学校教諭、認知症の妻を傷つけたくない夫。
元不倫相手を見返したい料理研究家……始まりは、ささやかな秘密。
気付かぬうちにじわりじわりと「お金」の魔の手はやってきて、
見逃したはずの小さな綻びは、彼ら自身を絡め取り、蝕んでいく。

取り扱い注意! 研ぎ澄まされたミステリ5篇からなる、傑作独立短編集。

オルタネート
加藤シゲアキ (著)

誰しもが恋い焦がれた青春の普遍を、真っ向から描ききる。
加藤シゲアキ、これが新たな代表作。

高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」が必須となった現代。東京のとある高校を舞台に、若者たちの運命が、鮮やかに加速していく。
全国配信の料理コンテストで巻き起こった〈悲劇〉の後遺症に思い悩む蓉(いるる)。母との軋轢により、〈絶対真実の愛〉を求め続ける「オルタネート」信奉者の凪津(なづ)。高校を中退し、〈亡霊の街〉から逃れるように、音楽家の集うシェアハウスへと潜り込んだ尚志(なおし)。恋とは、友情とは、家族とは。そして、人と“繋がる”とは何か。デジタルな世界と未分化な感情が織りなす物語の果てに、三人を待ち受ける未来とは一体――。
“あの頃”の煌めき、そして新たな旅立ちを端正かつエモーショナルな筆致で紡ぐ、新時代の青春小説。

愛されなくても別に
武田 綾乃 (著)

時間も金も、家族も友人も贅沢品だ。
「響け! ユーフォニアム」シリーズ著者が、息詰まる「現代」に風穴を開ける会心作!

遊ぶ時間? そんなのない。遊ぶ金? そんなの、もっとない。学費のため、家に月八万を入れるため、日夜バイトに明け暮れる大学生・宮田陽彩。浪費家の母を抱え、友達もおらず、ただひたすら精神をすり減らす――そんな宮田の日常は、傍若無人な同級生・江永雅と出会ったことで一変する!

十の輪をくぐる
辻堂 ゆめ (著)

2021年へ!時代を貫く親子三代の物語

スミダスポーツで働く泰介は、認知症を患う80歳の母・万津子を自宅で介護しながら、妻と、バレーボール部でエースとして活躍する高校2年生の娘とともに暮らしている。あるとき、万津子がテレビのオリンピック特集を見て「私は・・・・・・東洋の魔女」「泰介には、秘密」と呟いた。泰介は、九州から東京へ出てきた母の過去を何も知らないことに気づく。
51年前――。紡績工場で女工として働いていた万津子は、19歳で三井鉱山の職員と結婚。夫の暴力と子育ての難しさに悩んでいたが、幼い息子が起こしたある事件をきっかけに、家や近隣での居場所を失う。そんな彼女が、故郷を捨て、上京したのはなぜだったのか。
泰介は万津子の部屋で見つけた新聞記事を頼りに、母の「秘密」を探り始める。それは同時に、泰介が日頃感じている「生きづらさ」にもつながっていて――。
1964年と2020年、東京五輪の時代を生きる親子の姿を三代にわたって描いた感動作!前作『あの日の交換日記』が大好評!!いま最も注目を集める若手作家・辻堂ゆめの新境地となる圧巻の大河小説!!

水を縫う
寺地 はるな (著)

松岡清澄、高校一年生。一歳の頃に父と母が離婚し、祖母と、市役所勤めの母と、結婚を控えた姉の水青との四人暮らし。
学校で手芸好きをからかわれ、周囲から浮いている清澄は、かわいいものや華やかな場が苦手な姉のため、ウェディングドレスを手作りすると宣言するが――「みなも」
いつまでも父親になれない夫と離婚し、必死に生きてきたけれど、息子の清澄は扱いづらくなるばかり。そんな時、母が教えてくれた、子育てに大切な「失敗する権利」とは――「愛の泉」ほか全六章。
世の中の〈普通〉を踏み越えていく、清々しい家族小説。

タイタン
野崎 まど (著)

今日も働く、人類へ

至高のAI『タイタン』により、社会が平和に保たれた未来。人類は≪仕事≫から解放され、自由を謳歌していた。
しかし、心理学を趣味とする内匠成果【ないしょうせいか】のもとを訪れた、世界でほんの一握りの≪就労者≫ナレインが彼女に告げる。
「貴方に≪仕事≫を頼みたい」
彼女に託された≪仕事≫は、突如として機能不全に陥ったタイタンのカウンセリングだった――。

アニメ『バビロン』『HELLO WORLD』で日本を震撼させた鬼才野﨑まどが令和に放つ、前代未聞の超巨大エンターテイメント。

 
【関連】
吉川英治文学新人賞|講談社
吉川英治文庫賞|講談社

 


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