「第42回野間文芸新人賞」候補作が発表 李龍徳さん、宇佐見りんさん、紗倉まなさん、谷崎由依さん、崔実さんの計5作品

第42回野間文芸新人賞の候補作が決定
講談社は10月1日、第42回野間文芸新人賞の候補作5作品を発表しました。
最終結果の発表は11月2日の予定です。なお、当日は第73回野間文芸賞、第58回野間児童文芸賞および第2回野間出版文化賞も同時に発表されます。
「第42回野間文芸新人賞」候補作品
第42回野間文芸新人賞の候補作品は、次の5作品です。
<第42回野間文芸新人賞 候補作品>
◎李龍徳(い・よんどく)さん
『あなたが私を竹槍で突き殺す前に』(河出書房新社)
◎宇佐見りん(うさみ・りん)さん
『かか』(河出書房新社)
◎紗倉まな(さくら・まな)さん
『春、死なん』(講談社)
◎谷崎由依(たにざき・ゆい)さん
『遠の眠りの』(集英社)
◎崔実(ちぇ・しる)さん
「pray human」(講談社『群像』掲載)
野間文芸新人賞について
野間文芸新人賞は、講談社初代社長・野間清治さんの遺志により設立された財団法人野間文化財団が主催。純文学の新人に与えられる文学賞です。
受賞者には、正賞として賞牌、副賞として100万円が贈られます。
あなたが私を竹槍で突き殺す前に 李龍徳 (著) 世界は敵だ。希望を持つな。殺される前に、この歴史を止めろ。 日本初、女性“嫌韓“総理大臣誕生――新大久保戦争、「要塞都市」化した鶴橋、在日狩り、そしてヘイトクライム。 日本の「今」に投げ込む爆弾のような挑発的問題作。 恐ろしい。血が騒ぐ。まがまがしくも新しい在日の物語が生まれた。 この痺れるようなディストピアの過剰摂取は、ぼくたちを“深淵(しんえん)からの祈り“でつらぬく ******** |
かか 宇佐見りん (著) うーちゃん、19歳。 選考委員・町田康、村田沙耶香、震撼。 19歳の浪人生うーちゃんは、大好きな母親=かかのことで切実に悩んでいる。かかは離婚を機に徐々に心を病み、酒を飲んでは暴れることを繰り返すようになった。鍵をかけたちいさなSNSの空間だけが、うーちゃんの心をなぐさめる。 |
春、死なん 紗倉 まな (著) 老い、父と母、母と娘、男と女、「私」と誰か。 蔑みながら羨む。母という女を娘は否が応でも生きる指針にしてしまう。 現役人気AV女優が描く「老人の性」と「母の性」――、濃密な文章で綴られた衝撃作! 「春、死なん」 「ははばなれ」 人は恋い、性に焦がれる――いくら年を重ねても。揺れ動く心と体を赤裸々に、愛をこめて描く鮮烈な小説集。 |
遠の眠りの 谷崎 由依 (著) 大正末期、貧しい農家に生まれた少女・絵子は、農作業の合間に本を読むのが生きがいだったが、女学校に進むことは到底叶わず、家を追い出されて女工として働いていた。 |
pray human 崔 実 (著) ねえ君、わたしは生きていく。このクソみたいで美しい世界を。 創作が芥川賞候補になったわたしは、意外な人物からの電話を受ける。17歳のとき入院した精神科で、患者たちのボスを気取っていた「安城さん」だ。8年ぶりに再会した彼女は、別人のように痩せこけ点滴に繋がれながらも、変わらず悪態をつき、わたしの封印した記憶を甦らせていく。精神病棟で出会った仲間たちとの日々、救えなかった親友、そして子供時代の傷―ー。長い沈黙を越えて、わたしは真実を語り始める。 デビュー作『ジニのパズル』で群像新人文学賞、織田作之助賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞した注目の新鋭が、傷ついた魂の再生を描く圧倒的感動作。第33回三島由紀夫賞候補作。 |
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