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【第2回種田山頭火賞】詩人・小説家の伊藤比呂美さんが受賞 信念を貫いた生き方で多くの人びとに感動を与えた人を顕彰

漂泊の俳人・種田山頭火

漂泊の俳人・種田山頭火

春陽堂書店は、信念を貫いた生き方で多くの人びとに感動を与えた文化人・表現者を顕彰する「第2回種田山頭火賞」の受賞者を発表しました。

 

種田山頭火賞とは

「種田山頭火賞」は、漂泊の俳人・種田山頭火の全集や書籍を多く刊行してきた株式会社春陽堂書店が創業140年の記念事業として2018年9月13日に創設した文化賞です。

 
自然に親しみ酒を愛し、自分の理想を求めて行きつ戻りつしながら信念を貫いた山頭火の生き方は、先行きの不安に縛られて生きる今の時代の私たちに大きなヒントを与えてくれます。そんな生きざまを彷彿とさせる人を現代に探し顕彰することが本賞の目的です。

選考委員は作家の嵐山光三郎さんと作家・国文学者の林望さん。昨年実施した第一回の同賞は、舞踏家・俳優として活躍している麿赤兒さんが受賞しました。

 

第2回受賞者は、詩人・小説家の伊藤比呂美さん

選考会では、選考委員である嵐山光三郎さんと林望さんが、さまざまな分野で活躍している方々を候補に挙げ、その中から、詩の分野をリードしながらも、文芸の世界で異彩を放ち続ける伊藤比呂美さんが選ばれました。

伊藤比呂美さんは、詩人としてデビュー、子育てエッセーや夫の介護などプライヴェートな体験も赤裸々に表現して、人生相談でも読者を引きつけるなど、多くのジャンルで活躍しています。

第2回種田山頭火賞受賞者の伊藤比呂美さん(撮影:吉原洋一さん)

第2回種田山頭火賞受賞者の伊藤比呂美さん(撮影:吉原洋一さん)

伊藤比呂美さんには、正賞として山頭火の生誕地・山口県防府市在住の書家・富永鳩山さんの筆による山頭火の句「ころりと寝ころべば空」が書かれた賞状、副賞として賞金が贈られます。

授賞式は2019年10月3日(木)14:00より、出版クラブホール(東京都千代田区神田神保町1-32)にて開催されます。

 

伊藤比呂美さん プロフィール

受賞者の伊藤比呂美(いとう・ひろみ)さんは、詩人・作家。1955年生れ。東京都板橋区出身。青山学院大学文学部日本文学科卒業。1978年第16回現代詩手帖賞を受賞してデビュー。

1980年代に『姫』『青梅』『テリトリー論II/Ⅰ』などで女性詩ブームをリード、『良いおっぱい悪いおっぱい』(冬樹社、集英社文庫、のちに中公文庫より『完全版』)で子育てエッセイの元祖として活躍。

しばらく詩から遠ざかっていたが、1997年にアメリカに移住、『ラニーニャ』で第21回野間文芸新人賞を受賞。『河原荒草』で詩作に復帰して、第36回高見順賞、『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』で説経節と現代詩を融合した語り物の世界をつくり、第15回萩原朔太郎賞および第18回紫式部文学賞を受賞。

親の介護で日本とアメリカをひんぱんに行き来しながら『読み解き般若心経』『たどたどしく声に出して読む歎異抄』『犬心』『父の生きる』などを発表。

2015年、第5回早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞。2018年に日本に帰国し、3年の任期で早稲田大学文学学術院文化構想学部教授。現在は熊本と東京を行ったり来たりしている。

近著に『女の一生』(2014年岩波書店)、『切腹考』(2017年文藝春秋)、『ウマし』(2018年中央公論新社)『たそがれてゆく子さん』(2018年中央公論新社)、『なっちゃんのなつ』(2019年福音館書店)など。

 
【関連】
種田山頭火賞|春陽堂書店

 


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